そうこうしているうちに父と連絡がついて、アタシのアパートに来ることになった。
テレビがブラウン管なので倒れており、母と二人で起こし、電源を入れた。
ネットは繋がらなかった。
そんな時、テツさんから着信が!
『もしもし!今どこ!?』
本当はもっと口調が荒かったと思う。
「今?T町だよ」
T町は会社から30キロほど離れた場所だった。
『メールみた!?津波きてるんだよ津波!』
話しなが . . . 本文を読む
テツさんと汲んだタンクを実家に持ち帰ると、父は喜んだ。
「まいの彼氏には世話になりっぱなしだな」
なんて。
これだけあれば等分困ることもないだろう。
少し心に余裕ができた。
ただ、母親とは小さな衝突は毎日のようにあった。
女が同じ台所に入るとロクな事がおきない。
ケンカばかりで、アタシは食事の時以外は祖母の部屋にずっといた。
毎日原発のニュースを見て、携帯で原発の記事をチェックする . . . 本文を読む
遠回りをして、水を汲んだ。
そこで順番待ちを巡ってちょっとしたトラブルになったけれど、無事に汲めた。
道中は未だ雪が残っていたから、自分だけでは絶対にどうにもならなかった。
テツさん、本当にありがとう。
帰りに、またテツさんの実家に寄った。
築5年の綺麗な家だった。
あちらこちらにテツさんのお母さんがほどこしたインテリアがあって、良くも悪くも居心地が悪かった。
テツさんは頼んでもない . . . 本文を読む