HPのMovie更新しました。
スティーヴ・ガッドとチェスター・トンプソンです。
今日はスティーヴ・ガッドのみコメントします。
Steve Gadd(1945~)
いつ取り上げようかと思案していましたが、ドラム界に与えた影響という点から言えば
バディ・リッチの次の回はふさわしいと思いました。
スティーヴ・ガッド。言わずと知れた今や生きる伝説的ドラマー。今回は自然と文も長くなる。
70年代後半から80年代前半引っ張りだこだったセッションミュージシャン、
Stuffのドラマーとしても有名。ジャズよりのセッションも多いがいわゆる唄モノのバックにも
そこら中に名を連ねていた。つまり全方位型。
正確無比のドラミング+心地良いグルーヴと言ったらいいだろうか。
ルーディメントをセットドラミングに大胆に格好よく取り入れた先駆者の一人だ。
また独創的なグルーヴを色々産み出した。
特に日本での影響力は凄まじくプロも「ガッドもどき」だらけの時期があった。
私もかなり影響を受けそこからどう自分を確立していくか模索したものだ。
とにかく80年代彼のドラム技術、楽曲アプローチへの貢献は多大なものがある。
その後ポストガッドとしてデイヴ・ウェックル、ヴィニー・カリウタらが彼を敬愛しつつ
独自のドラミングを展開している。
今回のmovieは1990年日本のLive under the Skyでのテレビ映像。
チック・コリアのスペインをアル・ジャロウが唄っているがspecial bandという設定で
ジョー・サンプル(p)フィリップ・セス(kb)バジー・フェイトン(g)フレディ・ワシントン(b)
レニー・カストロ(perc)といった錚々たる面々だ。
ガッドのソロといえばいい意味でお決まりフレーズの連続というイメージがあるが
この時はメンバーもよくまた夜の野外コンサートという設定も手伝ってか笑みを浮かべながら
リラックスしてひと味違ったいいプレイだと思う。
さらにいつもながら盛り上がって来た時のバカ叩き?ともいうべき凄い形相での
オーバーアクション・プレイも魅力的だ。
他に私のお勧めはNew York All Starsとして来日(78年)した時のソロが素晴らしい。
ただアルバムとして残っているものはドラムにフランジャーか何かをかけてしまって
生の音が台無し。FMで放送されたものの方がいい。
アル・ジャロウはスペインを自身のアルバムThis Timeで取り上げているがこの時もガッドが
付き合っている。名演なのでぜひ音を聞いてもらいたい。
私が初めてそれがスティーヴ・ガッドと知って聞いたのはボブ・ジェームスの禿げ山の一夜(74年)。
録音は好きではなかったが(当時はCTIレーベル)何かやたらと激しく切り込んでくるドラムに
釘付けになった。
その次のショックは76年のモントルーでのスタッフの登場。その曲間のソロにぶっ飛んだ。
近年この映像がやっと公開されるようになった!
次に上げたいのはチック・コリアのThe Leprechaun, My Spanish Heart, Mad Hatterといった
ソロアルバム。Mad Hatterの中のHumpty Dumptyでのストレートアヘッド・ジャズでの
テンションたっぷりのプレイ、これ以降ジャズ界からのコールも多くなった。
いわゆる伝統的なアプローチではないが、そう行くか…という感じ。彼の後こういったタイプは
いないように思う。
ジャズよりばかりを上げたが唄モノではポール・サイモン「ワン・トリック・ポニー」
スティーリー・ダン「エイジャ」リッキー・リー・ジョーンズ「パイレーツ」ジョージ・ベンソン
「リビング・インサイド・ユア・ラブ」あたりがすぐに思い出される。
教則ビデオも3本、他にも先日書いたバディ・リッチのメモリアルコンサートにも出ているし、
ガッド本人へのトリビュートコンサートのビデオもある。
特に80年前後の演奏を是非聞いて(見て)ほしい。