ソウル界の大物「キング・ソロモン」Solomon Burkeが急死した。享年70歳。
2010年10月10日、オランダの空港で死去が確認された。
私はやや遅く昨日知ったのだが、びっくりだ。
今年5月『ジャパン・ブルーズ&ソウル・カーニヴァル』で奇跡の初来日を果たしたばかり。
ソロモン・バークは1960年代に数々のヒットを産み出した。
またDown in the ValleyとHome in Your Heartはオーティス・レディングがカバーし、
Everybody Needs Somebody To Loveはローリング・ストーンズ、ブルース・ブラザーズが
カバーして広く知られるようになった。
1965年のGot to Get You Off My Mindはソウル・チャートで1位となった。
アトランティック時代の代表的なアルバムはヒット・シングルを集めた『Best Of Solomon Burke』
(65年)と『King Solomon』(67年)、『I Wish I Knew』(68年)。
70年代にはヒットが出ず、レーベルを転々とし、80年代にはゴスペル界へ戻ることになる。
しかし00年代に入り状況は徐々に変化。01年にロックの殿堂入りを果たし、02年にはFat Possum
から『Don't Give Up On Me』を発表。 ヴァン・モリスン、トム・ウェイツ、ブライアン・
ウィルソン、エルヴィス・コステロ、ボブ・ディラン、ニック・ロウら錚々たる面々が楽曲を提供
したこのアルバムは、グラミーで最優秀コンテンポラリー・ブルース・アルバムを受賞。
08年発表の前作『Like A Fire』ではスティーヴ・ジョーダンがプロデュース、エリック・
クラプトンが楽曲提供するなど 多くのアーティストからリスペクトされる現役アーティスト。
最新アルバムは今年初め、1月5日に惜しくも亡くなったあのウィリー・ミッチェルがプロデュース
した『Nothing's Impossible』。
21人の子供と90人の孫!がいると言われるが、その孫の中にはプロデューサーとして活躍している
ノヴェル(ファンテイジア、レオナ・ルイス等)もいる。
来日後ヨーロッパ・ツアーを敢行した後、バークはオランダのロックバンド、デ・ダイク(De Dijk)
とともに13曲入りのアルバム『ホールド・オン・タイト』を完成させ、10月にはオランダなどで
リリース予定だった。
10月12日にアムステルダムの「パラディソ」でデ・ダイクとアルバムのリリース記念ライヴを行う
ことになっており、そのためにアムステルダムへ向かっていた。
元々教会で説教をしながら、歌っていたことから、迫力ある歌唱を聴かせ、ゴスペル・シンガー
としても活動していた。堂々とした風格、面倒見のいい性格などから多くの人から慕われていた。
心から冥福を祈るとともに彼の作品に多く触れてほしい。