NEST OF BLUESMANIA

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音曲日誌「一日一曲」#86 リロイ・カー「How Long-How Long Blues」(The Best of Leroy Carr /Columbia-Legacy)

2023-06-26 05:00:00 | Weblog
2009年8月9日(日)

#86 リロイ・カー「How Long-How Long Blues」(Whiskey Is My Habit, Women Is All I Crave: The Best of Leroy Carr/Columbia-Legacy)





第二次大戦前のブルース・シンガー/ピアニスト、リロイ・カーの代表的ナンバー。彼自身の作品。

リロイ・カーは1905年、テネシー州ナッシュビル生まれ。35年にインディアナ州インディアナポリスで、30才の若さで亡くなっている。

非常に古い時代のシンガーであるにもかかわらず、彼の名前がいまだに残っているのは、「Blues Before Sunrise」や、この「How Long-How Long Blues」といった、何人ものシンガーたちによって歌い継がれてきた佳曲をものしていたことによるのだろう。

とはいえ、クラプトンによるその2曲のカバー・バージョンを聴くことはあっても、原曲に触れる機会はめったにないと思う。

このアルバムは上記2曲はもちろん「Mean Mistreater Blues」「Muddy Water」といった代表曲を40曲も収録しており、リロイの歌・ピアノの魅力を存分に満喫できるのでおススメである。

リロイの歌声は、どちらかといえば線が細く、迫力というよりは、きめこまやかな情感表現で聴かせるタイプ。

自身の達者なピアノに乗せて、訥々と歌い聴かせる。ギタリスト系のブルースマンにはない、もうひとつのブルースの世界がある。

ブルースの電気化が始まる前(1928年~35年)の録音なので、すべてアコースティック楽器での演奏。オールド・タイミーな雰囲気がぷんぷんとしとります。

もともと、ブルースはこういう感触の音楽だったんですけどね。戦前と戦後では、ホント、別物になってしまったといえます。

ゆったりとしたテンポにのせて演奏される、癒し系ともいえるブルース。なんとも、粋であります。

名手、スクラッパー・ブラックウェルの好サポートも印象的な一曲。ぜひ、何度も聴いて、独自の世界を堪能してほしいです。

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