NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#146 テイスト「LIVE AT THE ISLE OF WIGHT」(Polydor 841 601-2)

2022-04-09 05:27:00 | Weblog

2003年4月1日(火)



テイスト「LIVE AT THE ISLE OF WIGHT」(Polydor 841 601-2)

本コーナー、新装開店の第一回はこれ。ロリー・ギャラガー率いるテイストの、ワイト島フェスティヴァルでのライヴ盤。70年録音、71年リリース。

ステージは彼らのセカンド・アルバム「ON THE BOARDS」からのオリジナルナンバー「WHAT'S GOING ON」からスタート。

ここでいきなり、ロリーの激しいギターに脳天をガツンとやられる。リズムのふたりも、一曲目からゴリゴリのハードな音を聴かせる。もう、たまらんっす。

続くはデビュー・アルバム「TASTE」からスロー・ブルース「SUGAR MAMA」を。

ロリーのオリジナルとなってはいるが、正しくはトラディショナル・ブルースの改作というべきだろう。

サニーボーイ、ウルフ、フリートウッド・マック等の演奏でおなじみだが、彼らの演奏はその誰よりも飛び抜けてハードでヘヴィーだ。

10分近くにわたって、これでもかのネチこいギター・ソロが堪能できます。ピッキング・ハーモニクスも全開。

お次の「MORNING SUN」はセカンド・アルバム収録のナンバー。ロリーのオリジナル。

アップ・テンポで始まり、途中リズムが抜け、また復活するという一風変わった構成のロック。自在に飛びまわるようなギターが印象的。

そして、アルバム未収録のオリジナル新曲「SINNER BOY」をぶちかます。

ここでは、ロリーの奔放なスライド・ギターが心ゆくまで味わえる。エキセントリックな音色がサイコ-。

続く「I FEEL SO GOOD」はロリーの特にお気に入りの曲のようだ。ビッグ・ビル・ブルーンジーのカヴァー。

前作「LIVE TASTE」に続いて、ここでも9分を超える大熱演だ。

ロリーの痙攣せんばかりのラウドなプレイが聴きものなのはいうまでもないが、リチャードのワイルドなベース、ジョンのパワフルなドラムもなかなかのもの。

ラストのアンコールナンバー「CATFISH」は、これまたトラッド・ブルース。

スローで重たいビートに乗せて、粘っこいフレーズが執拗に繰り返される。

そして中盤からはテンポもアップ、ギター&ベース、超絶技巧を駆使したインタープレイが展開される。これも聴きもの。

もちろんロリーの、特徴ある上ずったヴォーカルも、最高潮。

とにかく、全編、ロリーのギター・プレイはまことに激しく、熱く、狂おしい。

まあ、「激しいギター・プレイ」といっても、ジミヘンとか、クリームのECとか、DPのリッチー・ブラックモアとか、クイーンのブライアン・メイとか、いろんなタイプがあるだろうが、ロリーの場合はギター・プレイそのままに、弾き手である彼自身もこの上なくパッショネイトな人間だということがよくわかるね。

四十代の若さで燃え尽きて、早世してしまったのも、無理もないかなと思ってしまうほど。

彼の死からこのかた、このくらい情熱的なギタリストに、一人として出遭っていない。

血沸き肉躍るライヴとはまさにこの一枚。ギターを弾く者なら、必聴でっせ!


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