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まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

「アン・サクセス・ストーリー」 (# 35)

2011-05-19 21:29:42 | お茶菓詩 (読み切りサイズ♪)
お今晩は~。

今日は暖かかった、というより暑かったですね。
日差しが新緑の上できらきらしてました。
でも、夕方になると一変して涼しくなって。
夕風が気持ちよかったですね。

皆さま、週末まで後一日です。
今週はいかがお過ごしでしたでょうか。

本日の詩モドキはそんな美しい一日と関係なく、
ちょぉっとネガティブ風味です。

でも、人生明るくて綺麗なことばかりじゃないし。

というか、ホントはみんな汚物の海で泳いでいて、
ときたま出くわす島に上がって休めるけど、そこには真水も食料もないし。

ホントはみんなそういう、世界の汚さや恐ろしさって心のどこかで分かっていて。
だけど一生懸命「空気を読んで」大人しくしているから。
お偉いさんが言う「正しい」ことをずっと守っているから。
自分が泳いでるのは汚物の海なんかじゃない、って自分にも他人にも思い込ませて。

でも、ふとした拍子に悪臭が鼻をかすめて、うろたえる。
自分は大変なところにいるんじゃないか、って。

あるいは、必死に他人を攻撃して何とかもう一度、
自分がいるのは綺麗なところだって、思い込みを修復しようとする。

世界で起こるいろんなことの端々に、人々の恐怖の叫びが見えるような気がします。

そして、本当は何が足りないのか分からないまま、
闇雲に叫んでいる様子がとても悲しいと思うのです。


本日のモドキは皆さまの恐怖に比べたらまだまだ力不足ですが。

そしてこの詩を作ってから実は7年後の今(2018年)でも、
皆さまが求めるものの根源の、ほんの表面しかまだつかめていないと白状しますが。

貴方の苦しみを解きほぐせるように。
そういう作品に近づいていけるよう、頑張りたいと思います。


またお会いしましょう。(2018年まかろん拝)


2011年5月19日 ブログ直接投稿 「アン・サクセス・ストーリー」

夢は必ず叶うなんて
耳障りの良い言葉に踊らされ
大衆受けしそうな サクセス・ストーリー
自分もそうならなきゃと
焦りが身を噛む

気がつきゃ 五年も十年も時は過ぎて
薄くなった財布の中身と頭の毛
厚くなった胴回り
男は中身が勝負だぜ なんて
強がる気力も出やしない
薄っぺらい瞳が鏡の中から
俺を見返す

どうしてこうなっちゃったんだ
夢は叶うもんじゃなかったのかい
頑張りゃ輝く未来に
辿り着くんじゃなかったのかい
時が経って大きく豊かになるはずが
だんだん小さく小さくなってく俺の世界
子供の頃の方がよっぽど
大きく豊かで広かったって
思うのは感傷かな

俺の居場所はどこだ
こんな小さなアパートの片隅にすら
安息の地はなく
ましてこのドでかい世界は
どっかの誰かのために
奪われ尽くしてしまっていて
俺のためのスペースなんて
小指の先ほどもありゃしない

俺の居場所はどこだ
この世界は空漠で
足掻いても掴むのは乾いた砂ばかり
灰色の空の下
ま白い顔のマネキンどもが
必死に手を伸ばす俺を
のっぺりと見返す

誰か俺を見てくれ
この広大な世界の中で
たった一人でいい
俺がここにいるって認めてくれ
俺に生きる資格があるんだって言ってくれ
木も花も雀も猫も
みなこの世界のどこかに居場所があって
そのちっぽけな輝きが
無駄に何十年か生きてきた
人間様の俺を刺す

誰もいない 何もない
それでいいなんて思えない
この先の長い空虚な人生
ただひたすらに足掻いて
どこへも踏み出せず
うずくまっている
そんな不幸な一つの
アン・サクセス・ストーリー


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コメント (2)
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