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ものつくりにん(ma-mac)の生活

ma-macが感じた造形的表現の日々。

白化粧と墨貫入~!

2012-01-26 | 陶芸
最近、研究中の白化粧と貫入の釉薬。
そして、それらを複合した白化粧貫入。
なかなか時間がかかって前に進まないんだけれども、少しずつ、自分の表現に近づけるようにやってみよう~

この写真の器。
同じ土、同じ釉薬を使ってほぼ同じ温度で焼成した器。

しかし、窯が違うと色合いも異なってきます。

右側のガス窯のほうは、少々グレーがかった色合い。
それに対して。左側の穴窯のほうは、松の灰が焼成中にかかって少し青みがかった青磁のような色合いに変化しています。

穴窯のほうが、薪の効果もあって自然な柔らかさを持つ風合いがでていて、自分ではこちらのほうが好みだなあっと。


貫入(ひび)の入った器に、墨入れを行い、ひびの部分に色をつけます。
窯出しした器に筆で墨を塗ってっと・・・。


ひびの部分に墨を塗ってすぐに水で洗い流すと・・・
毛細管現象でひびに墨が入り込んで黒い線となり、ひび文様が浮かびあがってきます。


器の中の見込み部分もきれいな模様が出来上がっています。


右側は墨。左側は赤墨(朱液)をいれてみました。
偶然に生まれたひびの模様。それを意図的にひびの大きさや色合いを調整していこうとしてるんだけど。
調合も難しいんだけど、窯の温度や冷ます時間、釉薬の厚さ、生地の厚さなどなど、さまざまな条件が影響してきます。
最終的には偶然性を出来る限り、自分の想い描く必然的な表現に近づけたいんですけどね。
でも、どれだけ突き詰めても、墨貫入の場合、偶然性の面白さがないと、作品の面白さも半減してしまうので、手をかけてなさそうでかけてるっていう、微妙なさじ加減にいつも悩まされています。
もっと良い作品ができるように研究してみようっと

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H24 新春初窯開き展~!

2012-01-23 | 陶芸
先週、窯焚きした作品を窯出しする、新春初窯開き。
昨日の1月22日(日)11時から行いました。


昨日は小雨の降る、しかも肌寒いあいにくの天気でしたが、10時ぐらいからけっこうなお客さんで賑わいました。
ホント、感謝感激でーす。ご来場、ありがとうございます!


さ、いよいよ窯出し開始!
レンガを外してっと。
窯の中の作品が見えてきました


窯出しした作品は、その場で即売されます。
底をきれいに磨いてお渡しします。
来場者には、新春お祝いも兼ねて、先着100名様には窯出しされたばっかりのぐい呑みがプレゼントされましたよ~。


これは、私の只今実験中の試作品。
白化粧、貫入。


とりあえず、お客さんもたくさんいらっしゃったことだし、初窯で焼き上がった試作品でプチ打ち上げ~。
また、新しい作品に挑戦する意欲が湧いてきました。

小雨のなか、足を運んでくださったみなさん、本当にありがとうございました!
またのご来場、よろしくお願いします!!

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くらわんか藤田コレクション展(波佐見町陶芸の館)~!

2012-01-19 | 陶芸
 2011年11月23日(水)から、波佐見町陶芸の館「観光交流センター」2階展示室にて、江戸時代の庶民向け食器「くらわんか」という陶磁器300点を並べた「藤田コレクション展」が5月31日(木)まで開催されています。


大阪在住の藤田雅敏さんが長年収集されたくらわんか茶わんを、この度、波佐見町に寄贈された記念として開かれています。
これまでは、町内で発掘された破片が中心の展示でしたが、きちんとした完品の状態の貴重な器がたくさん展示されています!
しかも寄贈された点数は600点。一堂に展示できないため、いまのところ半分の300点を展示。


くらわんか碗
江戸時代、大村藩に属した上波佐見村・下波佐見村内の諸窯で、とくに18 世紀~19世紀前半にかけて生産された厚手の磁器製品のことを、一般的に「くらわんか茶碗」もしくは「くらわんか手』と呼ばれています。

1650年代、中国に内乱がおこり、中国製の焼き物の海外輸出が中断。そこで日本の焼き物が海外へ盛んに輸出されるようになります。
肥前一帯の窯にも注文が増え、技術も向上していきます。
1690年代には中国の内乱が収まり、再び中国製の焼き物が海外へ輸出されるようになるとともに、日本製は海外からの注文が激減しました。
肥前地区の窯は、国内向けのやきものを多く生産するようになります。波佐見の窯は、とくに庶民が買える安いやきものを生産し始めました。


 このころの磁器は、大変貴重なもので、大名への献上品等に用いられる高級な品物でした。
しかし、波佐見町で大量生産されたことにより、庶民へも磁器が浸透していくことになります。
波佐見焼はすごい!
 この年代の染付の器は一般に「くらわんか茶碗」と呼ばれ、日本中の人に広く親しまれました。江戸時代の終わりころには、中尾上登窯跡、永尾本登窯跡など世界有数の巨大な登窯を築いて、くらわんか茶碗を大量に生産しました。


大阪の淀川、枚方鍵屋浦で停泊している三十石船に「酒くらわんか、飯くらわんか」と呼びながら酒や食べ物を売っていた「くらわんか舟」。その「くらわんか舟」で器と使用されていたのが波佐見焼の「くらわんか茶碗」です。

舟の上で飲食物を販売し(今で言う移動販売みたいなもの)、器付きで売る。購入した人は食べ呑みしたあと、淀川に捨てる。そんな使い捨ての器として使用されていたようです。実際に淀川では川底に多数の茶わんが沈んでいたそうです。


くらわんか茶碗は分厚い白い磁器に素朴な柄が描かれた物が多く、長崎県の波佐見焼、愛媛県の砥部焼、高槻市の古曽部焼で大量に作られています。
長崎県の波佐見焼が一番の生産地で、土もの風の少々粗い素地と付立て描きと呼ばれる簡素な絵柄。素朴な手書き絵付と温もりある色合い、形状から優しさが伝わってきます。


くらわんか碗といっても、小皿や茶わんをはじめとして、いろいろな形状のものが生産されています。
これは広東碗。18世紀後半から流行した高台が広く体部が直線的に開いた形の碗。
しっかりと流行をとらえ、大量生産を行われていたんでしょう。


シンプルな小皿。見込みは蛇の目に釉薬を歯み剥ぎ取ってあり、積み重ねて焼いてある。そのため、窯の中にたくさん入れて焼くことが出来るため生産コストも下がります。


化粧の際に使用する紅を入れる紅皿。このような洒落た品も波佐見で作られていたとは知りませんでした。
ホント、貴重な資料を寄贈していただいて感謝です。


これは常設の焼き物で、海を渡った波佐見焼として有名なコンプラ瓶

鎖国の時代、出島でオランダ人に日用品を売る特権を与えられた商人をコンプラ商人とよび、その組合をコンプラ仲間(ポルトガル語のコンプラドールからきた言葉で仲買の意、略字C.P.Dは日本最初の商標)といいました。
コンプラ瓶はコンプラ仲間が作っている「金富良商社」ブランドの瓶。

長崎のコンプラ仲間が、オランダ東インド会社V.O.Cを通じて輸出したところから通称「コンプラ瓶」と呼ばれ、波佐見の諸窯で大量に生産されました。醤油瓶にはJAPANSCHZOYA(ヤパンセ・ソヤー日本の醤油)、酒瓶には JAPANNSCHZAKY(ヤパンセ・サキー日本の酒)と書かれ、そのどっしりとした独特の形はヨーロッパ人の注文によるものと言われています。

『波佐見陶史』(昭和44年)によると・・・
 この蘭瓶については、中尾皿山の人で小柳市左衛門(小柳満太郎祖父)という人が、長崎の貿易商社、コンプラ会社と長崎市古川町吉田松兵衛という人との間に一手特約を結び、小柳氏を中心に三股永尾の三皿山で、壱ケ年四十万本くらいを特約し、製造を始め取引をしていたが明治初年頃から次第に特約も減少し、明治40年頃は拾万本、大正5年頃は三万本、大正六・七年には壱万数千本の特約となり、その後醤油の製造が粗悪になってきたために、ついに注文皆無になったと言われている。この蘭瓶は醤油三合入りの徳利であった。ということらしいです。
年間40万本・・・すごい量にただただ驚きです。


こちらも常設の焼き物で、江戸時代波佐見で生産された青磁、「波佐見青磁」もしくは「三股青磁」と呼ばれます。
その優美さから日本を代表する青磁の一つと言う事が出来ます。

青磁の釉薬は、水色に近い透き通った色合いを基調とし、器の表面に、草花の模様を流れるように彫り出したものが多く見られます。
また、牡丹や梅樹の形を貼り付けた製品も作られていました。技術的に、肥前でトップレベルの青磁であり、この窯で生産されたと考えられる青磁は、滋賀県彦根城家老屋敷跡、東京都汐留遺跡 龍野藩脇坂家屋敷跡、新潟県高田城跡、宮城県仙台城跡など、主に富裕な人々の住居跡から出土しており、当時、かなりの高級品だったことが推測されます。
知れば知るほど、波佐見焼はすごいです~。


藤田コレクションも1回では紹介しきれないので、またあとでアップしようと思います。
くらわんか碗を観てみたいと思われた方は、是非波佐見町へ!

陶芸の館2Fでは、いつも絵付け職人「源さん」が皆さんをお待ちしております。
ま、妙にリアルすぎて、ちょいとばっかし恐いんですけどね・・・

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H24 新春初窯焚き~!薪窯(穴窯)焼成。

2012-01-17 | 陶芸
先週の1月13日(金)~14日(土)。
自宅の薪窯を焼成しましたよ。

この窯は、穴窯(半地上式単房登り窯)といって、後に効率の良い登り窯に発展していく元になった、古い様式の窯です。
元々、山の斜面に穴を掘って石や粘土で固め、天井を築いて土をかぶせるという、極めて簡単な構造。
穴窯による焼成は、熱効率は良くないため、長時間必要で、焼成室が1室なので、1回の焼成量は限られていました。

自宅の窯は、構造は穴窯の様式ですが、窯内は耐火煉瓦で作ってありますので、けっこう熱効率は良い方です。

お神酒をあげて、榊、塩、米、尾頭付きの魚をお供えしてから火入れを行います。


薪の焚き口(投入口)。
窯内の熱が蓋をしていても伝わってきます。


今回は、強還元焼成をしたいので、800℃から還元(せめ焚き)に入ります。
窯の操作を行い、窯内に流入する空気量を少なくしてやると、窯内は還元状態(不完全燃焼)となり、煙突からモクモクと黒い煙がでてきます。
不完全燃焼状態にするとこによって粘土や釉薬に含まれる酸素が出て行き、変化することで、色合いや質感が変わってきます。
磁器の光を通す、透過性も還元焼成を行うことで得られます。
発見した昔の陶工はすごい!


窯の上に開けた穴からでてくる焔。
還元状態では、薪を焚き口から投げ入れると、窯内が不完全燃焼となり、焔が空気を欲しがって窯の外まで伸びてきます。
それを目安にして窯の中の状態(雰囲気)を知ることができます。


 薪を入れる前、時々、焚き口に溜まった「おき」をかき混ぜて空気を入れ、溜まりすぎないようにします。
これがものすごっく熱い。
なんせ、窯の中は1000℃以上。
やけどしないよう、服や眼鏡が熱で融けないよう注意しながら・・・。

ちなみに、写真のお方は、治甫窯の治甫さん~。


14日の夜中。

もうすぐ焚き終わるころの窯。
夜空に、煙突から出てくる朱色の焔。
どことなく非現実的空間。

無から有を生み出すということ。

難しくもあり、だからこそ楽しい。

今回の窯出しは、治甫窯の初窯開き展で即売されます。
新春初窯の窯出し展;平成24年1月22日(日)
午前11時~窯出し(即売します)
先着100名様にステキなお年玉があります
ワクワク抽せん会
先着順で豚汁やおにぎり(無料)あります
寒い季節ですので、焚火をかこんで、暖かいおもてなし。

よろしかったらどうぞ~

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U-40(アンダー40)2012展覧会~!

2012-01-06 | 陶芸
U-40~真実と感性を表現する芸術家たち~

現在、長崎県美術館県民ギャラリーC室にて、県内の若手作家による美術展覧会が開催中です。

会期は2012年1月2日(月・祝)~1月8日(日)。

出品者は、安藤真由川尻拓寛桑野雅嗣坂本彩、城代奈知、鶴田正和、福田三徳、森典子、山口早紀、山口博司(敬称略)の10名。

各作家とも、様々な素材を用いて、独自の表現活動をされています。
ちょっとだけですが、作品の一部分になりますけど、ご覧ください。


桑野さん(作品の一部分)


坂本さん(作品の一部分)


鶴田さん(作品の一部分)


山口さん(作品の一部分)


森さん(作品の一部分)


会場の様子1


会場の様子2

いろいろな表現方法を用いて、各々の美を追究していく。
そんな意気込みが感じられる展覧会。

ぜひ、実物をじっくりと作品を鑑賞してみてください

会期は、1月8日(日)までですよ~