波士敦謾録

岩倉使節団ヨリ百三十余年ヲ経テ

今夏の小泉首相の靖国参拝

2005-08-10 07:46:23 | 雑感
 月曜日の衆議院解散以来,小泉首相の評価について各網誌は呻吟(しんぎん)している.勿論,清水の舞台から飛び降りる決意で一刀両断の立場をとるものもあるが,大抵のものが玉虫色になっている.自らの評価基準からすると,評価できるところと,できないものが混交していて,如何ともしがたい,という趣だ.
 来週の月曜日は8月15日で,果たして小泉首相は当日靖国神社に参拝するか,どうかについてもあれこれ揣摩臆測が飛び交っている.保守系の網誌の場合,9月11日の選挙で勝つためには,15日の参拝は不可避という予想が有力だが,ある網頁(出典失念)では,連合政権の提携者である公明党の顔を立てて,参拝しないのではないか,という予想があった.選挙に政権の命運を賭けた以上,支那が,形振り構わず金に任せて,永田町,特に媚支候補の買収の為に闇選挙資金を提供するというような破天荒な選択を取らない限り,小泉側にとって最大の関心事項は,国外という外野からの野次ではなく,来る選挙で間違いなく勝利を導いてくれる国内の組織力・動員力となる.よって,従来の安全保障政策上の選択で明らかになっているように,靖国参拝で公明党内の左派を刺激して,中央笛吹けど地方踊らず的な手抜きの選挙活動をやられないように,小泉側は公明党に妥協するするしかない.確かに,15日に参拝しないことで保守・中間層の期待を裏切り,自民党への投票数が減少することは十分考えられるが,15日参拝を外して彼等を落胆させても,自民党としては元々投票率が高くなると不利な傾向にあるので,彼等が抗議票を民主党に入れない限り大丈夫(靖国神社参拝が最重要課題と見做しているような投票者は,旧日本社会党左派の毒の回った民主党に元々投票することはありえない筈).即ち,毒饅頭ならぬ毒煎餅の毒(投票動員力)は既に自民党を「病膏肓に入る」的状況に追い込んでいるという症状分析だ.
 来週15日の首相参拝は,結局,来月の選挙において公明党の動員力を小泉側がどの様に値踏みするかによって決まるのではないか.勿論,『嫌韓流』の売れ行きに見られるように,首相の靖国参拝について今の若者の関心は高いと言えるが,如何せん,彼等には投票の実績が無いため,選挙に勝つことが本義である選挙参謀からは,前例に従い,期待できない層として軽視されるのではないか.
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