波士敦謾録

岩倉使節団ヨリ百三十余年ヲ経テ

赤化・占領による洗脳の再発 ナベツネ氏の症例

2006-02-13 03:12:45 | 雑感

 昨夏より多忙であった仕事の方も先週何とか一息がつき,締め切りに追われること無い週末が数ヶ月ぶりに漸く戻ってきた.週末の土曜日,NY Timesに例のOnishi記者によるナベツネ氏提灯持ち記事が掲載されたことは知っていたが,最近日本の保守系網誌等で彼の老醜ぶりが伝えられていたため,今日も毎度御馴染み大西節炸裂,と読まずに済ませていた.今日(日曜日)になって日本の保守系網誌群の見出しを眺めていると,『やじざむらい的日々雑感』という網誌(http://yajizamurai.blog24.fc2.com/)が当該NYT記事に関する記入を掲載していたので,昨日の新聞を取り出してきて当該記事を読んでみた.ナベツネ氏の如何にも「朝日」的な立場への転向に関する件を読んでいて,正力松太郎と読売新聞の裏表を描いた佐野眞一著「巨怪伝」(文春文庫上下巻)を思い出し,下巻の索引でナベツネ氏の項目を調べると,予想の通り,西武の堤清二同様,東大時代における共産党との接点が触れられていた(因みに,Googleしてみると,最近日本の網路や報道媒体上で香ばしい話題を提供している木村愛二氏は,かつて読売系の日本テレビに勤務していて,ナベツネ氏の東大時代における共産党絡みの活動について色々情報を網路上で提供しているようだ).
 人間誰しも,物質的に潤い,社会的地位も得て人生の晩節に至ると,思い残すことは「果たせなかった夢」への憧憬に至るのだろうか,若い頃に体験した蹉跌について,それによって出来した不本意の転向の振幅が激しかった者ほど,晩節における原点回帰への衝動は激しいものに違いない.そのような観点に立つと,ナベツネ氏の最近の言行も何とか説明がつくのではないか.勿論,今までのナベツネ氏の人生が世を憚(はばか)る意図的な擬態とも解釈できなくはないが,戦後政治史において中曽根氏と共に果たした彼の役割・軌跡を振り返ると,深慮遠謀による擬態と解釈するには無理がある.先月佐々木敏氏が『週刊アカシックレコード060113~差別と批判』上で「社会的影響力の大きい某氏」と呼んでいる「有名なジャーナリスト」を批判していたが,この人物こそナベツネ氏に違いないだろう.本人は,戦中,戦後を生き抜いた時代の証人を自負しているようだが,「有名なジャーナリスト」らしからぬ彼の浅薄な歴史認識を読むと,戦前日本の大学を席捲んした赤化と占領による洗脳の双方が再発した感染症患者のように見えて仕方が無い.佐々木敏氏が過日取り上げていた,元共産党員でありながら自民党代議士として上り詰め,最近の日本政府の対支・対韓政策を批判して,天下の御意見番気取りをしている或る人物の最近の軌跡も,このような再発組と見做せないこともないが,彼の軌跡を追っていくと,日本共産党その他と果たして縁が切れているのか,擬態のままで政府高官になったのではなかったかという疑念が付きまとう.この先,ナベツネ氏のように,昔感染したものの治癒していたはずの結核が老境に至り再発したという趣の老人が沢山登場してくるに違いないが,それにしても,げに恐ろしきは赤化・占領による洗脳の浸透力・持続力である.
 
 上記新聞記事は以下の通り:
 Shadow Shogun Steps Into Light, to Change Japan
 http://www.nytimes.com/2006/02/11/international/asia/11watanabe.html
 
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