父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年4月28日

2005-04-28 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
28日 (火) 晴れ 暑し

昨夜は一晩中眠れず。熱は39°を下がらず苦しむ。
今朝は熱が稍下がって38°台になったけれど十時
頃から再び39°以上に上る。加藤曹長から注射二本を
やって貰ふ。今日は一日中苦しい。食事はやはり食
べられぬ。身体は益々元気がなくなって行く。ブドー
糖で身体が保ってゐるやうなものだ。夕方四時頃より
熱が40°を越へ身体がしびれて手足の自由が利かな
くなる。実に苦しい。胸は痛くなるし、頭は重いし呼吸は
苦しいし。実に死の苦しみだ。加藤曹長に身体をおさ
へて貰ふ。頭を冷し、胸を冷し二時間許りでやっ
と少し気分よくなる。夜は熱にうなされつゝまどろむ。
十時頃熱をはかると41°ある。マラリアらしいとの事。
僕も遂にマラリアにかゝったか。

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