父の日記 昭和17年

昭和17年の日記 
ようやく召集解除 神武屯を発ち東京へ向う

昭和17年4月1日

2005-04-01 | 昭和 (父の日記 昭和17年) 
四月1日 (水) 晴れ 暑し

此処は涼しくて実によく眠れる。毎晩ぐっすりと
一回も眼をさまさぬ。今朝八時頃迄寝てゐ
た。
段々攻撃が迫って来て砲兵司令部も活気
を呈して来る。連絡将校も段々忙しくなって来る。
今日は九時と十一時に命令がある。林軍曹に
本部へ持って行かせる。
連絡将校も何や彼やと司令部へ呼ばれてウル
サイ事、白本少佐が色々面倒をみて呉れるのでいゝ。
次級副官の江連中尉(特志の十一期)がムダ
話に来る。香港攻撃の話などでホラをふかれる。
今度は香港、シンガポール等の攻略に参加した
部隊が来てゐるので此方は全く圧倒されてしまふ。
Bataan半島攻略部隊はどうもガスが上らぬ。
此の頃は敵があまり撃って来ないのでバタン戦線
はこんなにのんびりしてゐる位に思ってゐるのだらう。
昨日から上った気球は今日昼頃下降中に
敵砲段に見舞はれ気嚢を破損してしまって当分
上る見込みなしとか。図体が大きいだけに又ダラシ
がない。
今夜から65B(奈良兵団)は攻撃を開始、三日
の総攻撃態勢の位置迄来るのだ。愈々
戦機は熟す。Bataan半島の運命もあと
旬日か。

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