伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

県議会質問 台風15号の被害対応

2019-10-25 18:22:38 | 政治
私の9月県議会の議会質問をアップしていきます。
年に一度、30分の持ち時間で8項目、
一括質問という不慣れな質問方法で、
フラストレーションはたまりました。
市議会の一問一答が懐かしい。

まずは「台風15号対策」から

10月2日県議会質問より************

台風15号で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
一刻も早く元の生活に戻られることを祈念し、
県議会の一員として復興に力を注いでまいります。
私も台風が過ぎ去った9日午前中には地元佐倉市、
酒々井町を回り状況把握に努めましたが、
太い街路樹が根元からねじ折られ、停電により
信号は軒並みダウンして、交通渋滞を引き起こしておりました。
9⃣月14日、16日とブルーシートや電池、ガソリン、
炊き出し用食材などの支援物資を被災地に送り、
23日には鋸南町にボランティア活動に入りました。
鋸南町では多くの屋根にブルーシートがかかり、
温室などの壊滅的な被害を目の当たりにして、
改めて被害の深刻さを実感した次第です。

1.台風15号の被害対応について
9月8日、新聞やテレビは、台風15号が観測史上
最高レベルの暴風域を伴って、8日夜から9日未明に
かけて関東付近を通過していく見通し、と報道を繰り返していました。
民間サイト「ウェザーニューズ」は、台風の進路方向
の東側を中心に風が強く吹き、一部では秒速50mを
超える記録的な暴風となるため、千葉県などで停電が起きると予測、
停電リスク予測図というかなり正確な図表を
インターネットにアップしていました。
ニュースを注意深く見ていれば、
暴風と大規模停電は予測できたはずです。
しかし、千葉県の対応は極めて鈍く、
台風15号による被害を過小評価していたと思われても
仕方がありません。
そこで伺います。

➀ 今議会でも、県の対応の遅れが指摘されている。
知事は「災害対策本部設置が10日になったことが、
対応の遅れにつながったとは考えていない」と否定された。
しかし、知事は9月8日の夜は帝国ホテルでレセプション、
9日は空白、10日以降は災害対策本部会議に出席しているが、
通常通りの公務で、初めて被災地を視察したのは14日で、
台風上陸5日後であり、あまりにも遅すぎると県民から批判
の声があがっているが、知事の見解を問う。

答弁: 私は、被災直後から各部局に情報収集に 
全力で当たらせ、停電や断水、家屋被害など、
刻々と変わる状況に対応していくため、
9月10日、11日、13日とほぼ連日開催した災害対策本部会議において、
その都度、必要な指示をしてまいりました。

また、大きな災害にあっては、国の支援が不可欠であり、
災害対策本部の運営面では、関係省庁の多くの派遣職員から
助言をいただくとともに、この間、私も、国と緊密な連絡を取り、
支援のお願いを含め、災害対応に注力してまいりました。

こうした対応に加え、9月14日には、電力のより詳細な
復旧見通しを県民に示せるよう、正確な情報発信を申し入れるなど、
しっかりとした土台を作った上で、私自身も、倒木 伐採の状況や
農業被害の実態を確認するため、同日に被災地の視察を行ったところです。


再質問:秘書課から出させた『知事の動き』にも、
県のHPにも、9月9日の知事の動向が載っていなかった。
ところが9月30日の千葉日報に「知事は9日、
終日知事公舎で待機していた」とあった。
本来なら、知事は危機管理の最高責任者として、
9日には対策本部を立ち上げ、指示を飛ばす立場であったはずだが、どうか。
元鳥取県知事の片山善博氏は「県の責務は全体の情報把握をすること」
として大地震の翌日、防災ヘリで被災状況を確かめたそうである。
森田知事もヘリで被災状況を把握すべきだったと考えるが、どうか。

答弁:この間、刻々と変わる状況に応じた応急対応を行うとともに、
国との連携や東京電力への 要請など、しっかりした土台づくりをした上で、
この時期に視察を行ったものです。


➁ 千葉県内では、停電でエアコンが使えず、熱中症で3人が死亡、
救急搬送された人数は498名に達した。
これは二次災害であり人災です。
停電時に活躍するのが電源車だが、東電は177台も電源車を保有しながら、
16日まで86台しか稼働していないことが分かった。
電源車に乗らなければならない技術員が、電線に掛かっている
倒木処理に駆り出されており、そのため電源車を動かすことが
できなかったとのことです。
今後の対応として、電源車を保有している東電、他の電気事業者、
総務省、企業などと県は協定を結び、電源車の迅速で効果的な
初動体制を作るべきと考えるが、どうか。

答弁:今回の台風による停電では、
災害対策本部に派遣された東京電力の災害対策 
現地情報連絡員が本社と連絡を取り、県から要請した施設等に
全国から電源車の手配が行われましたが、
多数発生した停電箇所の復旧作業のため技術員が不足し、
電源車の稼働率が上がらなかったという課題がありました。

この課題を踏まえ、電源車の効率的な活用を含めた停電対策について、
関係各課、電力会社、通信会社等で構成する「千葉県ライフライン対策連絡協議会」
の場で改めて議論してまいります。



➂ 今回の台風では、屋根の被害が特に多く、
慣れない住民がブルーシートを貼る作業をして転落する事故が起きている。
現在3人が死亡、101人が重軽傷を負った。
屋根が飛ばされ寝ることもできない中、
危険な屋根の修復作業に挑まざるをえなかった住民の方の苦境を思うと、
これも二次災害であり、人災だと思わざるをえない。
山梨県内の屋根工事業者らでつくる災害復旧職人派遣協会、
通称「ブルーシート掛け隊」のメンバーが山梨県職員2人
と共に富津市に2週間滞在し、屋根の修復作業にあたった。
千葉県もこのようなお助け隊を自前で持つべきと考えるが、どうか。

答弁:今回の台風では、暴風による屋根の損壊が大規模で、
また、その後の雨が心配される中、
高齢者・障がい者など要支援者に対する救護の観点から、
緊急的な対応として、ブルーシート張りを自衛隊に要請したところです。

作業は専門的な技能が必要であることから、
技術指導員の派遣を千葉県建設業協会等に依頼しました。

災害時の緊急対応としてのブルーシート張りは、
初めての経験であり、官と民の役割分担や連携など様々な課題もあることから、
今後は、市町村及び関係機関、業界団体の意見を聞きながら、
議論していく必要があると考えております。



再質問:「ブルーシート掛け」だが、建設業組合などとの
災害時協定に盛り込むべきである。
それには県土整備部が適任と考えるが、どうか。

答弁:ブルーシート張りに係る業界団体との協議については、
災害対応に係る窓口である防災危機管理部が中心となり、
県土整備部をはじめとする関係部局と共に市町村、関係機関・団体などの
意見を聞きながら議論をしていく必要があると考えております。


➃ 千葉県地域防災計画では、第2章第4節に「風害予防対策」があるが、
送電設備の強度は風速40mを基準としているなど、台風15号の規模には対応できないことが分かった。
台風15号の最大瞬間風速は千葉市で約58m、木更津市で49mだった。
これまでの対策が地震や水害に偏っており、「暴風」に対しては過小評価していた。
また、大規模な停電への対応策もない。
全面的に見直すべきと考えるが、どうか。

答弁:県では、風害を軽減するため、「千葉県地域防災計画風水害等編」
に基づき、防災対策に取り組んでまいりました。こうした中、
この度の台風15号により、送電鉄塔や電柱の倒壊による大規模停電、
多数の住家被害など、甚大な被害が発生をしたところです。

これを受け、国では、送電鉄塔等の倒壊原因を究明・検証し、
技術基準の見直しの必要性を含めた検討等行い、
また、東京電力も停電原因を究明し、対策を今後に活かしていくとのことです。

県としても、こうした検討状況を注視しつつ、風害対策の充実・強化に向け、
地域防災計画の見直しを含め、対応を検討してまいります。

再質問:防災情報システムについて伺う。
市町村がシステムに被害状況を入力しないと被災状況の把握が
できないという運用面での脆弱性が露呈した。
混乱状態の中で市町村には入力する余裕などない。
運用方法を見直すべきではないか。

答弁:被害情報システムの報告について、
市町村からは避難所設置運営、物資の調達等業務に追われ、
システムへの入力に日数を要したという話を一部聞いています。
今後は全ての市町村から状況を確認したうえで、
システムの運用方法について検討してまいります。





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