伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

議会閉会日 議案に対する討論を行いました

2011-10-04 09:07:30 | 議会
昨日は議会閉会日。
8月29日から始まった長い議会が終わった。

長文になります、市民ネットワークの討論を掲載します。

 議席13番 市民ネットワーク伊藤壽子です。
市民ネットワークを代表し、議案第1号、2号、9号、11号、12号、23号、24号、請願4号、陳情2号、3号、4号、6号について、委員長報告に反対の立場から討論します。
(委員長報告に反対というのは、委員長は議案は賛成、請願、陳情は反対と常任委員会、決算委員会での結果をこれ以前に報告しているからです)

 初めに、議案第1号平成22年度一般会計歳入歳出決算認定についてです。
22年度一般会計の歳入決算額は434億6千万円、歳出決算額410億7千万円、実質収支額19億6千万円で平成17年度より実質単年度収支は6年連続黒字となっています。
経常収支比率も89.6%となり、前年度よりも6ポイント改善しました。
 しかし、これらの要因の第一は、地方交付税が前年度より17億6,700万円も増額され、20億5千万円となったことです。実質収入である法人市民税は上向きの傾向にあるとはいえ、個人市民税は前年度比6.3%減となり、市税全体では4億7,700万円もの減額となりました。
今後どのように市税を増やしていくかが大きな課題です。
 22年度決算の特徴は、子ども手当約27億円で、次世代を担う子どもの健やかな育ちを、社会全体で応援するという、評価できる民主党政権の目玉政策でした。
県支出金は国体、国勢調査、緊急雇用創出事業などの実施で24.1%増となりました。
 
 22年度決算において、必要なところに必要な行政サービスが行われたか、財源が公平・公正に使われたか、何よりも住民福祉の向上という行政の役割を十分果たしたかという点から、審査しました。
 以下反対の主な理由を2点述べます。
 
 1点目は、22年度は集中改革プランのフォローアップ期間であり、経費削減が、公務労働や地域経済に与える問題点についてです。
 5年間の集中改革プランが終了し、当初目標の59億円削減を大幅に上回る69億円の成果を上げた、とされています。
その中で人件費23億円を削減成果として、22年度で職員数122人減の目標数989人を達成しました。
その分の業務を民間委託や指定管理者あるいは臨時職員へ移行した結果です
22年度の臨時職員の賃金は17年度と単純に比較して112人分、1億28百万円増えており、正職員の業務を臨時職員に置き換えている現状が浮き彫りになりました。
 
 臨時職員は保育園、学童保育、教育委員会に多く配置されています。21年度には保育園のクラス責任者を臨時職員が担わされていることがわかりました。
22年度に改善したというのは、任期付職員での対応でした。 
 特に福祉、保育の分野は専門性を生かした職員育成に努める役割があるはずですが、長期的な展望がありません。


 また、入札制度改革によるコスト削減の影響も看過できません。
委託、測量など人件費が大部分の入札に関して、20%台の低落札があり、県の最低賃金で見積もって応札していると、佐倉市も認識しています。
 臨時職員、委託で雇われている労働者は多くの場合佐倉市民です。
労働賃金の引き下げは、消費の低迷にもつながり、景気の回復が望めません。
また、余裕のない社会は子どもの成長に影響し、若年層の非正規雇用を増やす結果にもなります。臨時職員の待遇改善を進め、公契約条例制定に前向きに取組むよう求めます。

 次に税務部が創設され、市民税と国民健康保険税徴収業務の一元化が図られました。
現年度納付期限切れの案件の電話催告が始まりましたが、情報流出の問題が懸念されます。
国保税と市民税の窓口の一本化で、滞納者の状況把握が市民に寄り添ってできるのか、大変疑問であることから、これには反対します。

 2点目は、税金の使い方の優先順位と公平・公正性の問題点についてです。
 新規の公共工事は減らされてきましたが、集中改革プランが始まる前からの大型工事、URの寺崎特定土地区画整理事業と岩名運動公園については、毎年多額の税金が投入されています。

 まず、寺崎特定土地区画整理事業についてです。
市は21年度までに約22億9千万円支出しました。進捗率66%です。
平成22年度に関してはてん圧をかけ工事は休止していました。
 行政文化施設用地は現在、URが千葉県へ、借地として大規模小売店の許可申請中とのことです。
平成25年URが撤退することから、工事期間を含めて変更協議を国、県と行っているという事ですが、先行きが不透明です。
 
 岩名運動公園拡張工事は、集中改革プランが始まった平成17年度から用地取得が行われ、総事業費9億27百万円のうち3億6百万円がすでに執行されました。
軟弱地盤のため沈下に時間がかかり、工期が平成26年度まで延長されました。
市民に財源不足をアピールし、経費削減や受益者負担等で市民サービスを削っておきながら、何の検証もなく、緊急性のない岩名運動公園の工事を進めてきたことは、大変問題です。

 次に、志津霊園問題です。
平成21年12月、本昌寺との最終合意書が締結されました。
審議の過程で問題になったのは、代替地造成費7億3千万円の算定根拠であり、本昌寺への補償費という名目での支出です。
代替地造成が始まった21年度に前払金2億円が、22年度は出来高払いとして予定通り1億27百万円が大林組に支払われました。
事業内容が不透明ですが、本昌寺と大林組の民々の契約のため、公金の使われ方がチェックできません。
また専福寺をはじめとした4カ寺や未同意者15人との交渉過程も、同意者への支払い状況、工事の進捗状況の報告も議会になされていないことは問題です。

 住基ネットシステムにかかる費用と個人情報漏えいの問題についてです。
平成13年のシステム導入時からの累計額は9年間で1億52百万円にも膨れ上がりましたが、住基カードは約7、400枚しか発行されていません。
昨年決算審査で指摘したとおり、佐倉市でも不正取得の被害が起こり、防止のため運転免許証識別装置7台を窓口に設置したという事です。
各種の納税や免許、犯罪前科などありとあらゆる個人情報を一元化する「国民総背番号制」につながる住基ネットには、これからも巨大なコストがかかり続け、煩雑な事務作業が発生します。
何より情報漏えいの危険性が大きく住基ネットからの離脱を求めます。

 佐倉市奨学資金補助事業についてです。
国の高校授業料無償化に伴い一度廃止した奨学資金補助制度を復活したことは評価されます。
しかし、経済的な事情で進学をあきらめることがないよう成績要件の撤廃を求めます。

最後に八ッ場ダムの支出も含まれていることも申し添え、反対とします。

 次に、議案第2号平成22年度国民健康保険特別会計決算認定、第9号平成22年度後期高齢者医療特別会計決算認定について反対の立場から討論します。
後期高齢者医療制度がスタートし、保険料が75歳以上の高齢者への負担増となるとともに、現役世代の負担増、国民健康保険会計へ大きく影響しています。
国民健康保険税の滞納額が30億円を超えていることからも、低所得者層の負担軽減など保険税のあり方を見直し、住民が安心して医療を受けられる制度にしていく必要があります。

 議案第11号平成23年度一般会計補正予算についてです。
学校用務員業務委託料の入札執行残2,613万円についてです。
職員1人当たり580万円のところ212万円という落札の結果です。
人件費削減のため現在34校中27校が業務委託になっており、これからも進んでいきます。
このようなコスト削減第一の業務委託は雇用破壊をますます助長させることから、賛成できません。

 次に志津霊園についてです。
基金を全額取り崩し、執行残を一般会計に積む理由が執行部からはっきり説明されませんでした。あいかわらず情報公開が進んでいない事を指摘し、反対します。

 議案第12号平成23年度国民健康保険補正予算については、後期高齢者医療制度に伴う特定検診に関する債務負担行為があるため、反対とします。

 議案第23号、24号 訴えの提起についてです。
質疑の中ですでに6月補正予算に弁護士費用が調査委託料として550万円計上されていたことが判明しました。
今回の議案と同時に弁護士費用も計上されるべきであり、予算の出し方として大変問題であり
、反対いたします。

 請願4号「子どもの安全な遊び場を求める請願」についてです。
8月26日の原子力災害対策室より出された「除染に関する緊急実施基本方針」を受け佐倉市では年間追加被ばく量を1㍉シーベルト以下に抑える基本計画が立てられ、追加補正予算が出されました。これを大いに評価いたします。この追加予算は、低線量とはいえ子どもの健康被害を招く恐れがあるとの佐倉市の認識により経常されました。その延長線上として、子どもの安全な遊び場を求めるこの請願は当然採択すべきです。

 陳情2号「子ども・子育て新システム」導入に反対する意見書を国に提出することを求める陳情書、
陳情3号県の「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の条例化にあたり市町村が独自に設定している上乗せ基準などの反映を求める意見書提出に関する陳情書、
陳情4号公設公営保育所への特定財源の復活に関する意見書を提出する事を求める陳情書、についてです。
 公立保育園には児童福祉法に定められた公的保育を実践する役割があり、最低基準を確保し、質の確保、人材の育成、そして、一日の大半をすごす、子ども達の育ちの環境整備を担っています。しかし国は行革を進める中、公立保育園への国費負担を減らし、市場化に道を開く「子ども・子育て新システム」の導入を検討してきました。しかし、新システムを導入すれば、自治体窓口では子どもの育ちの問題点を把握できなくなり、保育の公的責任を果たせません。よってこの陳情に賛成します。

 陳情第6号佐倉市の付属機関等の委員の選任方法の改善を求める陳情についてです。
本陳情は市の審議会等に選任される委員が固定化している現状を改め、市民が市政に参画する機会を確保するために委員の選任方法の改善を求めることを、議会が市長に助言するようにというものです。事例として、公募委員に選任されたのち、当て職として他の委員会の委員になるというものが紹介されていましたが、同じ人が長期にわたり委員を務めるという弊害が懸念されます。市民の多様な意見を反映し、多くの市民の声を市政に生かすためには、委員の兼職の見直しや公募市民枠の拡大が必要であると考え、本陳情に賛成します。

以上で、討論を終わります


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