(奈良・平城京跡)
〈天平茶会〉
遣唐使が持ち帰ったお茶を天平時代の人々はどうやって飲んでいたのだろうか。
それを再現した〈天平茶会〉が開かれていると知り、興味津々だった。雨でもうダメかとがっくり肩を落としたところへ、気まぐれな太陽が顔を出し、どうにか参加がかなう。
東院庭園前にたどり着くと、葦簀のようなもので囲われた一郭があり(ここが水屋になっているらしい)、その脇の広場が茶会会場。
長机をコの字型に並べ、お客はmax30名がパイプ椅子に座る。点前座はコの字と向かい合う場所にやはり立礼式のしつらえ。
実際にはここでお茶を淹れることはなく(火気厳禁とか)、お茶を淹れる手順の説明が始まると、それに合わせて道具を掲げたり所作をしたりしてわれわれの理解を助けてくれる。
中央に立って解説してくれるのは、煎茶道美風流のお家元。
天平時代にどんなお茶が飲まれていたのか、そんなことはなかなかわかるものではないけれども、中国唐代の茶書「茶経」の記述に即して再現してみようというプロジェクトは2年前から始まったそうだ。
現代にあるものでいろいろ代用しようとしては失敗し、結局さまざまな道具をこのために作ったとのこと。
お茶も
餅茶。焙ると茶色くなる。
お茶碗も
越州窯の青磁を再現して雲林山寶山の作。蛇の目高台。
道具も
解説によると、「茶経」にはお湯の温度について3つの沸点が記されている。
・一沸〈魚眼微有声〉鍋の底にぷつぷつと魚の目のような泡ができる(85℃)
・二沸〈湧泉連珠〉泡が連なって上がってくる(88℃)
・三沸〈騰波鼓浪〉ぐらぐら沸騰(100℃)
で、お茶の淹れ方ですが、
まず、お茶を焙ります。
↓
こんな紙の袋に入れて冷まします。
↓
茶研(薬研とは働きがちがいます)で轢きます。
↓
このような篩にかけます。
↓
お湯が一沸の時点で塩を少々(昔の藻塩で、辛み少なくミネラルの旨味)。
↓
二沸の時点で轢いた茶を投入。(ここでふわっと〈茶の花〉とよばれる泡が立つ)
↓
かき回して冷ましつつ〈茶の花〉を育てます。
↓
これを掬って茶碗に注ぎ分けます。
↓
するとこんなお茶に。
お茶は粉末状だが、入れ方は煎茶
*どこかの時点でお水を差していたように思うのだけど失念。
ほうじ茶のような、薄めのプーアール茶のようなお味だった。
お菓子は、
干柿の間に柚の入った「柿寿賀」と牛乳を煮つめた「蘇」
柿のお菓子のほうは市販されているそうだ(天平時代よりははるかに贅沢ヴァージョン(^_^;))。どちらも美味しゅうございました。
正直なところ、ひらひらした天平装束の女性がお茶を運んでくれるのだろうくらいしか期待していなかったので、この「茶経」の記述についての説明や、復元にかけられたエネルギーは期待以上のものだった。お家元のユーモアを交えた解説は、短い時間に貴重な情報をたっぷり盛り込んだ素晴らしいもので、次の回も外からもう一度お話だけ聞かせてもらったくらい。
最後に顔を出してくれたお日様に本当に感謝。お茶に興味のない連れもこのお茶会が一番の収穫だったと申しておりました。
参照)美風流による詳細な説明はこちらに
●お茶の再現
●お茶のいれ方
●天平茶会スタッフによるブログ
〈天平茶会〉って何?
天平茶会、はじまる。
キッチン便り
朝の10:30から閉園16:30まで、雨に悩まされつつも予定したミッションをすべてこなして充実感のうちに帰路につきました。
雨で計画が狂い会場をほぼ2周。7km弱歩いた計算です(@_@)
これ、まだ会場内ですから↓
野原の向こうに大極殿が…。タイムトリップしてます。
〈天平茶会〉
遣唐使が持ち帰ったお茶を天平時代の人々はどうやって飲んでいたのだろうか。
それを再現した〈天平茶会〉が開かれていると知り、興味津々だった。雨でもうダメかとがっくり肩を落としたところへ、気まぐれな太陽が顔を出し、どうにか参加がかなう。
東院庭園前にたどり着くと、葦簀のようなもので囲われた一郭があり(ここが水屋になっているらしい)、その脇の広場が茶会会場。
長机をコの字型に並べ、お客はmax30名がパイプ椅子に座る。点前座はコの字と向かい合う場所にやはり立礼式のしつらえ。
実際にはここでお茶を淹れることはなく(火気厳禁とか)、お茶を淹れる手順の説明が始まると、それに合わせて道具を掲げたり所作をしたりしてわれわれの理解を助けてくれる。
中央に立って解説してくれるのは、煎茶道美風流のお家元。
天平時代にどんなお茶が飲まれていたのか、そんなことはなかなかわかるものではないけれども、中国唐代の茶書「茶経」の記述に即して再現してみようというプロジェクトは2年前から始まったそうだ。
現代にあるものでいろいろ代用しようとしては失敗し、結局さまざまな道具をこのために作ったとのこと。
お茶も
餅茶。焙ると茶色くなる。
お茶碗も
越州窯の青磁を再現して雲林山寶山の作。蛇の目高台。
道具も
解説によると、「茶経」にはお湯の温度について3つの沸点が記されている。
・一沸〈魚眼微有声〉鍋の底にぷつぷつと魚の目のような泡ができる(85℃)
・二沸〈湧泉連珠〉泡が連なって上がってくる(88℃)
・三沸〈騰波鼓浪〉ぐらぐら沸騰(100℃)
で、お茶の淹れ方ですが、
まず、お茶を焙ります。
↓
こんな紙の袋に入れて冷まします。
↓
茶研(薬研とは働きがちがいます)で轢きます。
↓
このような篩にかけます。
↓
お湯が一沸の時点で塩を少々(昔の藻塩で、辛み少なくミネラルの旨味)。
↓
二沸の時点で轢いた茶を投入。(ここでふわっと〈茶の花〉とよばれる泡が立つ)
↓
かき回して冷ましつつ〈茶の花〉を育てます。
↓
これを掬って茶碗に注ぎ分けます。
↓
するとこんなお茶に。
お茶は粉末状だが、入れ方は煎茶
*どこかの時点でお水を差していたように思うのだけど失念。
ほうじ茶のような、薄めのプーアール茶のようなお味だった。
お菓子は、
干柿の間に柚の入った「柿寿賀」と牛乳を煮つめた「蘇」
柿のお菓子のほうは市販されているそうだ(天平時代よりははるかに贅沢ヴァージョン(^_^;))。どちらも美味しゅうございました。
正直なところ、ひらひらした天平装束の女性がお茶を運んでくれるのだろうくらいしか期待していなかったので、この「茶経」の記述についての説明や、復元にかけられたエネルギーは期待以上のものだった。お家元のユーモアを交えた解説は、短い時間に貴重な情報をたっぷり盛り込んだ素晴らしいもので、次の回も外からもう一度お話だけ聞かせてもらったくらい。
最後に顔を出してくれたお日様に本当に感謝。お茶に興味のない連れもこのお茶会が一番の収穫だったと申しておりました。
参照)美風流による詳細な説明はこちらに
●お茶の再現
●お茶のいれ方
●天平茶会スタッフによるブログ
〈天平茶会〉って何?
天平茶会、はじまる。
キッチン便り
朝の10:30から閉園16:30まで、雨に悩まされつつも予定したミッションをすべてこなして充実感のうちに帰路につきました。
雨で計画が狂い会場をほぼ2周。7km弱歩いた計算です(@_@)
これ、まだ会場内ですから↓
野原の向こうに大極殿が…。タイムトリップしてます。
最後の写真、まさにタイムスリップしてますなあ。
われらはメインが正倉院展。金曜日の夕方からの正倉院狙いです(^^)
午後から出かけるので、平城京博は、行ける範囲のみです。
金曜日はお天気もよさそうですから、パレードや衛士隊などにも出会えるかもしれませんね♪
団茶ですか? これを茶研で引くんですか、
蘇の味はいかがでしたかな? アッシは20年ほど前に食したことがあります。
森永のキャラメルの糖分の少ない感じかな
歩き疲れて今日ぐらいに疲れが出てきているのでは?
無理しないでね。
そうです。
>蘇の味はいかがでしたかな?
知っている味でした。このままもっと煮つめていくと花畑牧場の生キャラメルになるのだとか…(^_^;)
>無理しないでね。
はーい。ありがとうございます*^o^*