物理学者のブログ

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連載 デジタルアンプキット 第3回

2006-10-20 | 電子工作
今回は送信機について。

ちょっと便利な電子機器に”万能型多機種対応リモコン”の製作記事があり、
ボタン作成中の図4-3を見ると、その美しさに惹かれます


しかし今回は送信機としてこれを使います。

100円ショップで買ったテレビ用リモコンです
210円でした。大きさは縦10cmと小型にできています。
自作でこの大きさは厳しいですし、210円以下では不可能です



早速、赤外線リモコンの受信モジュール(1個110円)を使って
信号の解析をしました。それが下の図。すでに復調されたものです。

最初のスタート信号を無視すると、固定長のLOWレベルと
2種類の時間幅を持つHIGHレベルがあります。

短いのを論理”0”、長いのを”1”とすると
図に書き込んであるようなビット列ができます。
AとA’、BとB’がビット反転になっているのがわかります。
エラーチェック用ですね。

別のボタンを押しても前半16ビットは変わらなかったので
これが製品のIDで後半がボタンのコードとわかりました。

この解析を製品IDごとにボタンの数だけしらみつぶしに調べて
データの取得は終了です



前回作成したLM1972(電子ボリューム)の制御に加えて、赤外線リモコンの
データ解釈機能をAVRに追加。その様子をRS-232Cでモニターできるようにしました。

ふむふむ。ちゃんと動いている(本体も)。画面には出ていませんが、現在のアッテネートの
値も表示できます。

ちなみに上で使っているTera Termは物理学者(当時学生)が開発したそうですね。
プログラマじゃなくて、同業の物理学者が開発したことがちょっとうれしい
インターネット(正確にはwww)もCERN(ヨーロッパ合同素粒子原子核研究機構)という、
やはり物理学の研究所で生まれたし、日本で初めてのホームページも
KEK(高エネルギー加速器研究機構)だったな。
僕が自慢することではないですが。以上、トリビアでした。



さて、今回使用した赤外線受光モジュールはPL-IRM0101-3です。

データシートには周波数についてTypicalの値しか記載されておらず、
最大値・最小値は”-”になっていました。

そこで精密ではありませんが、自分で実験したところ、おおよそ
下限が30kHz強で上限が50kHz弱でした。

将来送信機を自作する際に少なくとも10%位までの誤差は
大丈夫であることが分かりました。

実際には労せずして10%どころか1%以下は達成できますが
モジュールの許容範囲が10%なのか1%なのか、あるいは
1ppm(これは無理)を要求するのかが分からないと困るので
この手の情報はデータシートに記載して欲しいです



最後に、赤外線LEDは秋月電子通商で買いました。

700円。100個入り…

こんなにいらないのに…

なんで100個入りか不思議でしたが、
なるほど、投光器を作る人がいるんですね

正しい使い方をしていればいいですが…