物理学者のブログ

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連載 デジタルアンプキット 第2回

2006-10-16 | 電子工作
前回の続きです。連載にすることにしました
6~7回くらいの予定です。

さて、音量調整にボリュームが必要ですが、手でクリクリするのではなく
リモコン操作を可能にしたいと思います

初めて知ったのですが、リモコンの赤外線は誤受信防止のために
38kHz変調されているんですね。知らなかった…
こんな知識レベルからのスタートです

音量をリモコン操作する場合、2連ボリュームにモーターを付けて回す方法も
考えられますが、電子ボリュームが手に入ったのでそれを使います。

使うのはナショナル・セミコンダクターのLM1972Nです。
データシートによると名称が
 ”μPot™ 2 チャネル78dB オーディオアッテネータ(ミュート機能付き)”
となっています。


LM1972の特徴は
 2ch (ステレオ向き)
 減衰範囲 0~78dB
 減衰ステップ 0.5dB(0.0~47.5dB)
              1dB (48~78dB)
 ミュート(104dB typ.)機能あり
 電源電圧(Vdd-Vss) 4.5~12V
です。

さっそくテストします。

電源は±5ないし6Vだと気持ちがいいですが、ズボラして
Vddはグランド、VssはRS-232CのトランシーバーICであるMAX232の
2番ピンからもらいます。実測で約10Vでした。このおかげで
電源は5V単一で済みます。

制御にはアトメルのAVRマイコン、ATTiny2313を使います。

AVRのプログラミングはこれが初めて。コードはアセンブラで記述します。
C言語の方がなじみがあるのですが、コンパイラ(AVR-GCC)がよく
分からないのでCは遠い将来に保留。

せっかくRS-232Cドライバを付けたので、しばらくはパソコンに
赤外線リモコンの役をさせてAVRにコマンドを送信。
AVRがさらにLM1972へコマンドを送ります。



完成したので入出力の特性を調べてみました。

入力信号はefu's pageにあるWaveGeneを頂いて1kHzの正弦波を生成します。
電圧はほぼ1V(実効値)にしました。あと、ICの電源はMAX232
からもらうのはやめて5Vにしました。

以下の赤丸が測定点。横軸は指示した値、縦軸は出力電圧を
入力電圧で割った値です。DMMは持ってないので、安価な
カード型のテスターで測りました。

30dB付近までは美しいです。
しかしその後ずれはじめて、50dBからフラット。

この辺りの測定電圧は5mV。テースターのせいか、
ノイズのせいか原因不明です

104dBのところに孤立してある赤丸はミュート時のもの。
実測で2mV。アンプキットのゲインが14dBなので
増幅後は10mVとなり、これまた無視できない量です

青の丸は試しに3mV引いてプロットしたもの。何もヒントが得られない…

いずれ
 デジ/アナを分離する
 グランドをしっかり取る
 シールドをする
等の対策をして、それでも実用上問題がある時に
ふたたび悩むことにします。

LM1972も一応は動作したし、初めてのAVRも問題なく動いてとりあえずは満足です