ルイ・ロットの館

ルイ・ロットにハマった笛吹きのブログ。

Lotの歌口の彫刻

2011-09-08 14:48:21 | 日記
ロットの画像をいろいろ眺めていましたら、歌口の彫刻が気になってしまいました。

私が最初に知ったのは、かのランパルが吹いていたロットで唯一(一説には2本とも?)の18金のフルート#1375のものでした。


これを目の前で見せられて、そのギザギザ度と歌口のエッジすぐまで彫ってあるのに、
出てくる音にまったく影響がないことに驚いたというのは、アキヤマフルートの秋山さんのお話でした。


私の#981にもこの彫刻があります。


ネットで調べましたら、どうもこの模様のことは 
ギヨッシュ (英語読みはギローシュ), ギロシ(guilloche, guillochis)と呼ぶらしいことが判りました。


「輪つなぎ飾り,組みひも飾り、編み縄模様」の意味らしいです。

なるほどなるほど・・・・。

これが彫られた目的といえば、やはり実用的な面としては、滑り止め、ということだろうと思います。
汗かきの私には、とてもいいものだと思いました。
あとは見た目の優雅さ、だと思います。


これは#1385。ランパルの#1375と極めて近い番号ですが、そのパターンはだいぶ違いますね。


#742



#1584



こうして眺めてみると私の#981のギヨッシュはなかなか手の込んだものだと言えるのかもしれません。
なかなかいいでしょ?(笑)

実はこの楽器はそこに魅かれて手に入れたというのも本音でして・・・・(苦笑)



#3340 これはギヨッシュとは異なる、彫刻です。

こうなると滑り止めを意図したものではなく、見た目の優美さ、ですね。

#6764





#3340 とこの#6764のデザインはほぼ同じですね。
こういうのは初めて見ました。
それぞれ1882年と1900年の楽器ですから、彫刻職人が同じだったのかもしれませんね。


この#6764の樽にはギヨッシュと彫刻が混在しています。




ちょっと羨ましい気がします(笑)。


#1869


#2199


いやあ、実に美しい。
最後の#2199の彫りの見事さには痺れます。
手彫りの彫刻の見事なこと!
葡萄の蔓の曲線など、もう堪りませんね。


こうした彫刻、メーカー名、製造番号などの刻印は手彫りで行われたようですが
(初代の本体に残された薄めの刻印は打刻かもしれませんが)、
ギヨッシュはさすがに機械で彫られたのだと思います。

私はこうした加工には詳しくはありませんが、
旋盤のロレット加工のように、パターンを押し当てていく、
気の遠くなる作業だったのではないでしょうか?
かなり大変だったと想像します。

私の#981のギヨッシュの端を見ると、
ちょっとパターンが行きかけた跡があったりします。

旋盤のロレット加工はそんなに時間は掛からないでしょうけど。


でもひょっとしたら一つのパターンの打刻をひとつひとつ手で打っていったのかもしれませんね。
よく見るとどの模様も一つのパターンの規則的なところと非規則的な模様で出来上がっています。

どっちだったのでしょう?


このギヨッシュは特別な注文により彫られたらしいですが、
いろいろなパターンが用意されていて、客の好みで選ばれたのでしょうか?

現代のメーカーの深く太い彫刻には私個人はまったく魅かれることがないのですが、
この時代のギヨッシュにしろ彫刻にしろ、実に見事で、魅せられること、尋常ならざるものがあります。



#2199の葡萄の彫刻・・・・

いいなぁ・・・・・。



やはりフルートには桜や梅よりは、馥郁たるワインが香り立って来るような葡萄の方が似合っていると思います。



日本にはこういう仕事ができる職人さんはいらっしゃらないのでしょうかねぇ?




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1 コメント

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いいですね。 (tetsu)
2011-09-09 00:29:21
guillocheには憧れてしまいます。植村泰一さんが使っているDorus式の初代ロットにもguillocheがありました。ガラの細かいところまで記憶になく、写真もとりませんでしたが、吹くのに全く影響がない、というのは吹かせてもらったときに感じました。狭い一室でお寿司食べながらロットをふかせてもらったことが忘れられません。
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