映画を観たよ

ただ今、休止中。
その内戻ってくる予定です

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド

2008-05-03 | サ行の映画
長いんですよねー。
でも珍しく長さが気にならなかった!

重厚な低い音からサイレンみたいになって始まったときから、見入ってしまいました。
てっきり悪い人の話しなのかと先入観を持っていました。
宣伝で「怪物」なんて言われ方をしていたので、ちょっと構えていたせいか意外にフツーな人だと思ってしまったダニエル。
ストーリーはとてもストレートに感じました。
いつか狂うのかと思っていたら、人生にはアクシデントは付きもの程度。
石油を手にする成功ってしか映画を観れなかったので、多分ホントはもっと深い作品なんだろうけど、そこまで汲み取れずだったのが気がかりなのですが。
だけどすっかりダニエルという人に取り込まれてしまいました。
全く本質が見えないんですよね。
息子のことを小道具としか思っていないと言われても、それまでの過程には愛情を感じる。
でも事故ったときに大丈夫かと聞かれたら「全然」と答える。
その目には石油しか映っていなかった。
人の命を軽く思っているのかと思ったら、作業員が死んだときには洗って新しい衣服を着せろと言った。
そして半日閉鎖だと。
周りの目を一応気にしてかもしれないが、そういう細かな所が気になり、彼を全く持って悪い人だとは感じませんでした。
「怪物」になっていくのかと思ったら、そうでもなかった気が。
変だけど、むしろとても人間らしい人間なんだと感じました。
自分の欲望に正直であり、でも時のとても温和な姿を見せたりする。
人と関わりたくないからお金持ちになりたいと言い、だけど人と関わっているときは少し目の輝きが違った。
富を手に入れたその後の生活は彼が望んでいたものだが、そこにはかつての目の輝きはなかった。
映画を通して少しずつH.Wとの関係が崩れ決裂し、そして最後には完璧だった人生が狂い始めたところでスタっと終わる。
その音楽があまりにも喜劇的で、とても好みな終わり方でした。
最後までどうしてもダニエルが嫌な人に見えなかったのが不思議。
理解が乏しい部分はあるのですが、お気に入りの映画であります。
長いのでもう当分観たくないのですが、観始めてしまえば苦になりません。

ダイエル・デイ・ルイスの存在感がすごかったです。
温和で紳士的な表情を見せたり、時には石油のためとその意志は頑なで必死で。
「子供を置き去りにした」と叫ぶシーンは口が開いていました。
それと同じくすごかったのが、ポール・ダノ。
かなりイっちゃってる感じがあって、よかったです。
ってか何しでかすかわかんない存在感が怖かったです。

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13 コメント

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ポ~ルっ! (swallow tail)
2008-05-04 01:26:55
なななちゃん、おばんです。

先ほどは突然ゴメンネ。
スワロも突然姐さんに誘われて飲んだんだけど(17時から(苦笑)
なななちゃんも一緒に飲みたいな~って思って突然になっちゃいました(笑)
また飲みましょ♪
今度は事前に日時を打ち合わせして。

先日の『つぐない』はなななちゃんのツボを刺激しなかったようだけど
『ゼア~』はどうだった??
スワロも楽しめることは楽しめたんだけど。
長さも感じなかったし。
でも、ポイントポイントで見たら面白い要素もいっぱいあるんだよね。
イーライもダニエルも人物描写が興味深かったし。
2人とも意味深な感じだったから深く読み解いていけば面白いと思うんだよね。
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コメントありがとうございます (ななな)
2008-05-05 19:23:28
swallow tailさん
いえいえ、お誘いいただけたのはとても嬉しかったですよ♪
でも私はあのときケンカして、ふて寝しちゃってたので(笑)
出るに出れない状態~。
だったので今度はぜひぜひ予定立てて一緒に飲み行きましょうね~♪

この映画は私のツボプチ刺激してくれましたよー。
映画に引き込む力はすごかったですよね。
でも私ももう少し理解力が足りなかったかなって思います。
どこから手をつければいいのかわからないけれど。
もう一度みたいなとか思うんだけど、長いから当分ムリ!(笑
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たしかに、長さを感じませんでしたよね~ (コブタです)
2008-05-08 13:19:24
コチラの作品、音がよくて、それが映像を見事に盛り上げていることもあり引き込まれてしまうところありましたよね~

ダニエルって孤独を愛しているようで、実は孤独に弱い人物ですよね。
お金をもって狂っていったように紹介文で書かれていますが彼を破滅に追いやったのは孤独だったように私は感じました。
耳の聞こえず今までのようにコミュニケーションを撮れなくなった息子にとまどい混乱し遠くにやってしまい、代わりに弟を側におきその孤独を癒すけど彼が自分を騙していたことを知りそこでショックをうけ殺してしまう、人への愛情を与えるのも受け取るのも不器用な人物なのでしょうね~
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コメントありがとうございます (ななな)
2008-05-11 17:01:11
コブタさん
とても寂しい人でもあったんでしょうね。
多分見せ掛けだけかもしれませんが、根はいいやつなんじゃ?ってちょっと思ってしまう部分もありました。
コブタさんの仰るように孤独に人一倍弱かったのかもしれませんね。
でなきゃ出来ないような行動が多々ありましたものね。
それでも他人を拒否し続けるなんて、なんだかとっても不器用なんでしょうね。
もう少しだけどこかで人の愛情を知っていたらなんて思いますが、彼の考えはなかなか変わらなさそうでしたしね。うーん。
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こんばんは (はらやん)
2008-05-11 23:04:53
なななさん、こんばんは!

>すっかりダニエルという人に取り込まれてしまいました
長い映画でしたが、まったくそんなことは感じず、僕もダニエルという人物に引き込まれました。
>自分の欲望に正直であり
たぶんこのあたりが魅せられた部分かなと思います。
普段、人はこれほど欲望をむき出しにすることはないですよね。
周りの人との関係やら、いろんなことを考えて欲を押さえてしまう。
でもダニエルは独りの方がいいと言い、自分の成功だけを追いかけます。
彼が善人だとは思いませんが、潔い生き方であると思いました。
普通の人は老年に差し掛かってああいう生活は孤独で寂しいと思いますが、ダニエルにとってはそうでもないのかもしれませんね。
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こんばんは (ノラネコ)
2008-05-12 00:50:39
観終わってどっと疲れました。
個人的には決して友達になりたくない人たちの話ですが、この手の作品の好きな私としては、かなり満足でした。
仰るようにダニエルは掴み所が無くて、まるで地下の油田が欲望を纏って実体化したみたいな不思議な人物でした。
私はこの話に神学論的な比喩を見出したのですが、全体にキューブリックの「2001年宇宙の旅」を連想していました。
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こんばんは☆ (ALICE)
2008-05-15 21:43:34
長い上映時間だったのに長さを感じなかったですね。
でも映画が凄まじかったので精神的にはかなり
やられていたようでぐったりしてしまいました。

私もダイエル・デイ・ルイスが悪人には感じなく
誰もがちょっとした事で彼のようになるのかも?
なんて身近な存在に感じられました。
言うならポール・ダノが演じたイーライの方が
嫌悪感を感じてしまいラストはお気に入りの
ラストになってしまいました。
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コメントありがとうございます (ななな)
2008-05-16 11:40:27
はらやんさん
お返事遅れてすみません。

善人ではないんですけど、どうしても悪い人っていう風には感じられないですよね。
たぶん自分の欲望に正直でいるほうが、意外に大変かもしれませんが、何だかんだでいつも彼の周りには人がきちんといた気がするので、たぶん魅かれた人はたくさんいたんでしょうね。
終盤辺りは少し孤独さも感じたのですが、それでも彼は彼なりに楽しんでいたのかもしれません。
自分が一番望んでいた結果でしたしね。


ノラネコさん
お返事遅れてすみません。

私は長さからして多分この作品好きにはなれないだろうなーなんて思っていました(苦笑
でもダニエルという人が本当にすごくって興味深くって見入ってしまいました。
あのラストも非常に好みでしたし。
そういえば「2001年宇宙の旅」は3回くらい観ましたが、一度も最後まで観れていません(苦笑
気付いたら記憶が飛んで、終わっています。
今度こそは・・・。
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コメントありがとうございます (ななな)
2008-05-16 11:43:35
ALICEさん
観終わった後にふぅ~~っと大きなため息をついてしまいました。

ダニエルよりも全然イーライのほうが怖かったですよね!
ダニエルは掴みどころはないけど何となくわかる人ではあるけど、イーライは全くもって得体が知れなかったですもの。
ラスト近くの二人の対決は笑いすらこみ上げてきそうなくらいに、変なシーンだったように感じます。
でもあのスパっとしたラストはよかったですよね!
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ダニエルの一代記 (クラム)
2008-06-01 00:57:53
真っ黒じゃないんですよね、ダニエル。
時折、冷酷な判断を下すけれど、それがなければ彼は成功しなかった。

なんとも勧善懲悪にハマらない人物だったのですが、
その代わりをイーライが担ってくれちゃったのかもしれません。
宣伝等の予備知識から、ダニエル=悪人とレッテルを貼って見ると
最後でカタルシスを得ることが難しくなるでしょうね。

息子との決別は痛々しかった。
でもその後で枯れたり荒んだりすることなく
イーライとの決着をつける石油屋としての威厳は天晴れでした。
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