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7月31日(日)スイカ

2011-07-31 13:19:44 | ★③(は)お父さんの閑話365日(転載)
7月31日(日)スイカ

朝食のデザートにスイカが出た。1個の何分の一かをさらに小さく切ったものたが、久しぶりに味わうスイカはうまかった。子どもらと一緒に暮らしていたころは1個丸ごと買って豪快に食べたものだが、夫婦だけの生活になってから、スイカを食べた記憶がほとんどない。

子どものころの記憶は、夏休みとスイカがセットになっている。炎天下で遊び呆けて帰ったときに、冷えたスイカほどうまいものはなかった。わが家には氷を入れて冷やす冷蔵庫もなかったから、スイカを冷やすのは井戸という天然の冷蔵庫だった。

紐を結わえ付けた大型バケツにスイカをいれ、井戸の積み石にぶつけないようにソロリソロリと水面近くまで下ろす。遊びに行く前にこれをしておけば、帰宅するころにはちょうどいい塩梅に冷えていた。井戸から引き揚げたスイカを台所に運び母親に切ってもらった。

その間に汗だらけの顔や手足を洗い居間に戻ると、茶舞台の上の大皿に山盛りのスイカが用意されていた。夏休みだから他の兄弟もいたはずであるが、二つ違いの兄と競い合ってむしゃぶりついた記憶しかない。年が近いだけライバル意識があったのだろう。

あのころ食べたスイカは今のものよりタネが断然多かったような気がする。少しぐらい飲み込んでも何ともないのだろうが、タネを穿り出すのが面倒くさかった。「食卓塩」というサラサラして瓶入りの塩を振りかけて食べるのが、とてもハイカラなことのように思えた。

スイカは大衆的な夏の食べ物であったが、最近は値段がどんどん上がって高級な果物になったようである。スイカを作る農家が激減して品薄になったのが原因だという。スイカは大きくて重いので高齢の人には重労働で、耕作を諦める農家が増えたのだそうだ。高齢化社会の影響はこんなところにも出ている。

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