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10月28日(木)寒さと雪と

2010-10-28 14:03:08 | ★③(は)お父さんの閑話365日(転載)
10月28日(木)寒さと雪と

昨日、一昨日と鶴岡を中心とした地域を旅してきた。新聞社OBの秋の旅行会であったが急な寒波到来で「冬の旅」になってしまった。季節外れの寒さにはホテルも戸惑ったらしい。通された部屋は申し分なく内風呂など付帯設備も広々とスペースをとったものであったが玉に瑕は寒いことであった。

同室の友人が壁に設置されている空調設備のリモートコントロールを操作したが冷たい風が出てくるばかり。これは変だとフロントに電話したところ、暖房への切り替えが間に合わず、まだ冷房のままだと恐縮していた。道理で冷たい風が出てくるわけだ。

宴会場の大広間も当然暖房なし。ホテル側が気を利かして、大広間に炭火を入れた長方形の火鉢を持ち込み、串刺しのマダイを焼く演出をしてくれた。それだけで広い部屋が暖まるはずはないけれども、赤々とした炭火の色をみただけでほっとした。獲れたての海鮮料理を味わいながら、飲み放題のビールや清酒で体の内側から暖めて寒さを忘れた。

一夜明けて、海が見える大きな窓の分厚いカーテンを開けると、ガラスはびっしり結露して外が見えない。タオルで窓を拭いて眺めた日本海はもう真冬の佇まいである。波消しブロックへ押し寄せて砕ける波は白く泡立ち、幾重にも迫ってくる大波の向こうに灰色に海が水平線まで続いている。その果てが同じような色調で低く垂れ込めている雲と一体となっていた。

帰路立ち寄った「庄内映画村」には前日雪が降った痕跡が残っていた。しとしとと冷たい雨の降る中、水溜りの多い道を歩いてオープンセットを見て歩いた。いちばん奥まったところにある山村集落を模したところには路傍に雪が残り、軒を連ねる宿場町は荒れ果て、飯屋の土間には雨漏りの雫が落ちていた。

月山道路の両側にもまだ残雪があった。見ごろになった紅葉はこの雪で散り急ぐのであろうか。遠望する湯殿山は真っ白、手前に見えるスキー場も冬景色だった。見学した「加茂水族館」のクラゲ、「藤澤周平記念館」の資料の数々はたいへん興味深かったが、何よりも寒さと雪が印象に残る旅だった。


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