チリのサンホセ鉱山落盤事故で地下624mに閉じ込められていた作業員33人の救出が間もなく始まる。全員が地上に出てくるまでには2日もかかるそうだが、どうか無事に作業を終えてほしい。
長い間暗闇と高温の地底に閉じ込められていた33人が、僅かの水と食料で生きていたこと自体奇跡的であるが、パイプの中をカプセルで1人ずつ引き上げる前代未聞の作業を全世界の人々が固唾を呑んで見守ることだろう。
閉じ込められてから地上と連絡が取れるまで、またそれから救出が実現するまでの間、1人の落伍者もなく耐え抜いた精神力、体力は賞賛に値する。地震でエレベータが止まり短時間閉じ込められただけでパニック状態になることもあるのに、どのようにして彼らは過酷な状況を生き抜いたのだろう。ゆっくり休んで元気を取り戻したら、詳細を聞いてみたいものだ。
仮に閉じ込められたのがたった1人だったら果たして生きながらえることが出来ただろうか。話し相手もなく絶望的な孤独感に押しつぶされて発狂するか死んでいただろうと想像する。今回は同じ職場で働く33人がお互いに励ましあい、救出されることを固く信じて希望を失わなかったことが生還につながったのだと思う。
救出される人は一見元気そうに見えても、たいそう疲れているに違いない。当分はマスコミも追い掛け回すことを自粛するぐらいの配慮が必要だ。報道の自由を振りかざしての突撃は彼らの回復を遅れさせるに違いない。