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第9地区

2011-02-19 22:54:23 | ★★★★★★★★★☆
監督 ニール・ブロンカンプ
キャスト シャールト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ジェイソン・コープ、ヴァネッサ・ハイウッド、ナタリー・ボルト、ケネス・ンコースィ、ウィリアム・アレン・ヤング
2009年 アメリカ、ニュージーランド
ジャンル:アクション、SF

【あらすじ】
あるものはエイリアンによる侵略を恐れ、あるものは技術の革新的な発展がもたらされると期待したが、宇宙船はヨハネスブルグ上空に浮かんだまま、動こうとしない。
しびれを切らした南アフリカ政府は偵察隊を派遣。船内で彼らを待ち受けていたのは、弱り果てたエイリアンの群れだった。彼らは故障した宇宙船に乗った難民に過ぎなかったのだ。

【感想】
低予算のSF映画でありながら、その年のオスカーに多数ノミネートされた話題作。鑑賞し終わって評価が高いのは当然だと思いました。

わざわざ解説するほどのこともでもありませんが、難民をエイリアンに置き換えることでSFでありながら現実社会での民族差別問題などを連想させ、強調した作りになっています。この発想によって独特の奥深さを出すことに成功しており、結果としてSFでないとできない表現だったと思います。

人間によってエイリアンが虐待される場面がいくつも見られる中で可哀想だという感情があまり湧いてこないのが本作の深さです。おかげで実際に自分が住んでいるエリアに大量の難民が押し寄せてきたら差別してしまうのは当然ではないのかという残酷な事実や罪悪感を気づかせてくれる。エビという名称で差別されるエイリアンのグロテスクな外観や野蛮な行為、危険だと感じさせる行動に対して排除したくなる人間の行為は当然なのだと思います。

その中にあって唯一、エイリアンの理解者となる人物が現れる。感染してエイリアンと一部が同化した主人公です。同化して初めてエイリアンの気持ちが理解できるようになった事実はこうでもならない限りは無理だと言っているのであって、現実の世界における難民に対する厳しい現実だと思います。

アクションシーンもラスト40分の最後まで一気に突っ走るようなスピーディーな展開も素晴らしかった。

エイリアンの造形など生理的な嫌悪感を与える映像、シーンが多い関係上、ロマンス大好きな女性などには全くダメだという人がいるようですが、そういう幼稚な意見は卒業しましょう。内容的にグロテスクでなければこの良さはでない。私は文句なしにオススメしたいです。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

第9地区 Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)
クリエーター情報なし
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