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シティ・オブ・ゴッド

2013-05-10 22:54:25 | ★★★★★★★★★☆

監督 フェルナンド・メイレレス
キャスト アレクサンドル・ロドリゲス、レアンドロ・フィルミノ、ダグラス・シルヴァ、セウ・ジョルジ、アリシー・ブラガ、パウロ・リンス
2002年 ブラジル、フランス
ジャンル:ドラマ、実話

【あらすじ】
1960年代後半、ブラジル、リオデジャネイロの貧民街“シティ・オブ・ゴッド”では銃による犯罪が絶え間なく続いていた。ある日、ギャングに憧れる少年リトル・ダイスは、幅を利かせていた3人のチンピラ少年とともにモーテル襲撃に加わり初めて人殺しを経験、そのまま行方をくらます。一方、3人組のひとりの弟ブスカペは、事件現場で取材記者を目にして以来、カメラマンになることを夢見るようになる。

【感想】
上場廃止になった某雑貨屋がインテリアのコンセプトとしてブラジルをテーマにしていたのを思い出す。ブラジルは陽気で楽しそうだからだそうだ。あの人たちにはぜひともこの作品をみていただきたい。

我々の知らない異国の恐ろしさを思い知らせてくれる衝撃的な内容でまるでスコセッシの全盛期を見るかのような作品でした。銃をぶっ放して殺しあう映画なんていくらでもあるのに伝わってくる大きさが他とは違う。全くの無名監督がこんなとてつもない作品を作るのだから観ている側としても興奮しますね。そして凄い人が登場したと喜んだものの、この作品以降、ヒット作に恵まれないというのも複雑な気分にさせられます。

ブラジルの神の街と呼ばれる無法地帯での抗争を暴力とは無縁の写真家志望の男の視点で描く。

スラム生まれで教養がなくても略奪や暴力一つで街の支配者へとのし上がることができるその光景は先進国とは異なるバイタリティに溢れていました。子供ですら麻薬や強盗を行い、人を殺したことを自慢しあうその光景に圧倒されっぱなし。殺し合いの末、結局は何も残らない不毛な争いにあって兄を殺されても何もできず、密かに好意を寄せていた女もあっさり取られてしまうような地味な主人公が運よく成功を手にするのも味わい深いものがありました。死んだら何も残らない。まじめに生きていればチャンスが転がり込んでくるということなのでしょう。

映像面では手ブレを用いてカットを細かくすることで躍動感を演出することに成功しています。作品の内容にぴったりで見事にはまっていたと思いました。本作以降、同様の手法を用いたアクション映画が乱発されたように記憶していますが、それだけ影響は大きかったのでしょう。しかし現状ではどれも本品ほどしっくりくるものはないです。

この世界はぜひ一人でも多くの人に体験してもらいたいですね。言葉では説明できない。それくらい衝撃でした。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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