新刊の森

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「デリダと死刑を考える」

2018年11月27日 | 新刊書
デリダと死刑を考える
高桑 和巳 (著, 編集), 鵜飼 哲 (著), 江島 泰子 (著), 梅田 孝太 (著), 増田 一夫 (著), & 2 その他



死刑の問題は、デリダが晩年にセミナーで集中的に考察したテーマです。
すでに白水社から『死刑I 』(ジャック・デリダ講義録)が刊行されていますが、
このたび、この問題について日本の論者たちの文章がまとめて書物になりました。
死刑の問題について、ニーチェ、カミュ、ユゴーなどの文章をデリダの観点から考察するもののようです。
どんな議論が展開されているか、楽しみです。


単行本(ソフトカバー): 270ページ
出版社: 白水社 (2018/11/27)
言語: 日本語
ISBN-10: 4560096716
ISBN-13: 978-4560096710

内容紹介
ソクラテスからオウム真理教まで!

デリダで/とともに考えるのは、ソクラテスからオウム真理教まで! デリダの脱構築を手がかりに、政治と宗教と権力の力学をあぶりだし、死刑を考えるためのハンドブック。編者の緒言をはじめ、六人の執筆者による書き下ろし。
本書のタイトルは、〈仮に英語にするならば「Thinking Death Penalty with Derrida」とでもなるが、「with」は「……を用いて」という意味にもなる。デリダについて考えながら、デリダを伴走者としつつ、デリダを用い、あらためて死刑制度を考えよう、というわけである〉(「はじめに」より)。

収録論考は「ギロチンの黄昏──デリダ死刑論におけるジュネとカミュ」(鵜飼哲)、「ヴィクトール・ユゴーの死刑廃止論、そしてバダンテール──デリダと考える」(江島泰子)、「デリダの死刑論とニーチェ──有限性についての考察」(梅田孝太)、「定言命法の裏帳簿──カントの死刑論を読むデリダ」(増田一夫)、「ダイモーンを黙らせないために──デリダにおける「アリバイなき」死刑論の探求」(郷原佳以)、「デリダと死刑廃止運動──教祖の処刑の残虐性と異常性」(石塚伸一)。

著者について
慶應義塾大学理工学部准教授。専門はフランス・イタリア現代思想。著書に『アガンベンの名を借りて』(青弓社、2016年)、編著書に『フーコーの後で』(共編、慶應義塾大学出版会、2007年)、訳書にジャック・デリダ『死刑I』(白水社、2017年)、ミシェル・フーコー『安全・領土・人口』(筑摩書房、2007年)、イヴ゠アラン・ボワ&ロザリンド・E・クラウス『アンフォルム』(共訳、月曜社、2011年)、ジョルジョ・アガンベン『ホモ・サケル』(以文社、2003年)、同『思考の潜勢力』(月曜社、2009年)、同『王国と栄光』(青土社、2010年)など。



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