自分が死んだ夢を見た〜真夜中の訪問者､その５４

　前回”その53”の佐藤浩市が夢に出たまではよかったが､昨夜は自分の死体を見た夢を見た。
　しかし､自分の死体を眺めながら､不思議と驚きはなかった。

　夢の舞台は､私の自宅であった。
　私が2階の部屋で寝てると､表の駐車場がやけに騒がしい。何だろう？と思い､下へ降りてみると､霊柩車らしきものが用意されている。
　野次馬をかき分け､霊柩車の中を覗くと､”死んだ私”が棺桶の中にいた(きぇーッ)。全く苦痛もなく死んだみたいで､非常に安らかな死に顔だった。
　寝たきりで入院してる筈のお袋だが､私の顔を見て､葬式をするかどうか迷っている様子だった。
　私は､オレは生きてんだからその死体は何処かに捨ててくる様に､お袋に言い放った。

　お袋は､”そんな事はお前自身がやれ”と言って､何事もなかったかの様な表情で家の中に戻る。
　私は首を傾げながら､自らの遺体をどう処分するか？迷っていた。近くの堀に捨てるか？”粗大ゴミ”としてクリーンセンターに持っていくか？
　そうこう思ってるうちに､夢から覚めた。
　

サピエンスという名の粗大ゴミ

　奇怪な夢に違いはなかったが､不思議と嫌な感じはしなかった。
　人はいつかは死ぬ。
　”粗大ゴミ”で死のうと､”偉大なゴミ”で死のうと､死ぬ事に何ら変わりはない。
　要は､苦しまないで死ねるかが一番の問題なのだ。
　私は本気で思うのだが､人が死んだら地元の地方自治体が”粗大ゴミ”として処分出来る様な法案をぜひ作ってほしいもんだ。
　せめて高く付きすぎる葬儀だけは､法によって全面禁止にして欲しい。そうすれば無能なお坊さんも要らないし､詐欺まがいの宗教法人も互助会もなくなるだろうに。
　人を含め､動植物は生きててこそ意味がある存在であり､死んだら”燃えるゴミ”として焼却すべきだと思う。
　魂とか霊とか神というのは､単なる自己満足の世界だ。火葬の本来の意味はそういう所にあるのでは？と生意気な事を考えたりもする。勿論､中曽根元首相の葬儀に9800万円なんてのは､愚の骨董以下だろう。

　人生は苦痛と妄想の連続である。苦痛を和らげる為に妄想が存在し､妄想を打ち砕く為に苦痛がある。痛みを和らげるモルヒネと同じだ。
　夢の中では､確かに私は安らかに死んでくれた。しかし現実は､苦しみぬいて死ぬのだろう。昨晩見た夢が､正夢になる事を強く願ってはいるが､大統領選挙の結果と同じで､多分夢に終わるだろう。

　肝心の大統領選挙だが､夢の中ではトランプが再選しそうな勢いだった(”その48”参照)。しかし､どうもハゲ親父の勢いとハッタリだけでは､老いぼれのバイデンを駆逐するのは無理なようだ。
　所詮､トランプの”アメリカファスト”は幻想だったのか？追い詰められたアメリカを慰める嘘っぱちに過ぎなかったのか？

最後に〜夢という幻想

　しかし哀しいかな､幻想が現実となる為には､トランプに勝ってもらわなアカンのだ。いや､池田エライザと一線を超えるには､老いた飯島直子を犯すには､井上和香夫婦に敷地を売る為には､夢が正夢になってもらわんとアカンのだ。
　いやもっと言えば､トランプが再選し､アメリカが真っ二つに分断し､”その18”で書いた様にイタリアと日本が攻め込み､アメリカが解体してもらわな困るのだ。
　元々アメリカは実験的国家であり､ベトナム戦争で敗北した時点で終わってた､軍事力による脅しと搾取を資本としてきたアメリカという名の偽造国家ではある。
　結局､アメリカが200年以上に渡ってもたらした筈の､アメリカンドリームや自由や民主主義は幻想に過ぎなかった。世界の警察がアメリカファストが幻想であった様に。

　寄せられたコメントにあった様に､所詮､夢は夢である。
　多分､トランプは負けるだろう。そして､池田イライザも井上和香も目の前に現れる事はない。そして､老いた飯島直子とすら遭う事はないのだ。
　しかし､もしトランプが勝ったとしたら､夢が正夢になったとしたら､私の人生の逆転劇も起こりうるのだろうか？
　そして､安らかに永遠の眠りに就く事が出来るのだろうか？