象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

こんなもん買ってもた〜戦艦武蔵プラモデル(1/600)編

2023年12月16日 16時44分50秒 | お題

 先月末購入した3Dメタナノパズル扶桑(ふそう)型戦艦だが、「記事」でも書いた様に、僅か3日で頓挫してしまった。レヴューを鵜呑みにした私も馬鹿だったが(メタナノの名の通り)あそこまで細かいパーツだとは恐れ入る。
 ダメ元で購入したが故に、想定内でもあったが、お陰で全てを忘れ、夢中になる時間と空間を与えてくれるキッカケ作ってくれた事には感謝である。
 そこで気を取り直し、敷居が高すぎたナノモデルから昔ながらのプラモデルにシフトする事にした。但し、シンナー臭くはなるが、"作れない"という致命傷を負う事はない(多分)。

 戦艦モノは約40年ぶりだが、1/700は無理だとしても1/600なら何とかなるだろうと、Amazonとヤフオクを往復し、出来るだけ安いものを物色する事にした。
 1/700なら優秀な国産メーカーが次々と魅力あるモデルを3千円前後の価格帯で投入してるが、1/600となると数も少ないし、値も嵩む。格安な海外製もあるが品質が安定しない。


戦艦武蔵

 予算としては(前回と同じ)1300円ほどを予定してたが、それにピタリの製品がAmazonで1339円で売られてるではないか・・・
 マイクロエース(アリイ)という昔は大滝製作所で知られた老舗メーカーだったらしいが、安いのにはやはり理由があった。つまり、旧製品を再生産してる為である。
 戦艦武蔵とて、1/600だから初心者向けだと思いきや、箱を開けると(船底と甲板を別途に)2枚セットにパーツが280個近くも詰まってるではないか・・・特に、26個もある単装機銃や三連装機銃はミリレベルである。

 届いたのは1969年頃の発売キットらしく、機銃配置などは現在(の通説)とは大きく異なり、甲板がやけに歪んでて、船底との位置合わせに一苦労した。
 それでも言われてる程に酷くはなく、バリは多いものの、初心者レヴェルの私でも組み立てる事はできた。が、特に小さい単装機銃を6つほど失くし、その代わりに(余ってた)三連装機銃を前方部に勝手に配置する(写真)。
 というのも、このキットは大和・武蔵共有であり、三連装機銃と単装機銃の数が異なるだけで、後は甲板の色が武蔵はグレーで大和は肌色(タン)である。が、甲板の木材を強調する為に肌色を塗った。
 因みに、大和と武蔵の違いは造船所の違い(呉と長崎)だけで、規格や大きさはほぼ同じだが、内装が良く、対空攻撃力が若干強いとある。

 全24ステップで設計図を見る限り、様々なパーツが集中する艦橋さえクリアすれば、後は甲板に兵装を配置するだけで、前回に比べれば楽勝にも思えた。
 初日は塗装だけで済ませ、翌日は3時間ほどで11ステップが終了し、2日目はアンテナを3度折るという失態をしでかしたが(後で気づいたが、完成後に作るべきだった)、計4日ほどで完成した。
 苦労した点は、成形の精度が甘く、パーツのはめ込みがきつく、力んで壊したり、細かな部品をよく失くした。特に、艦載機と単装機銃だけは小さすぎて、能力の限界を大きく超えていた。フジミのNEXTシリーズ(1/700)みたいにオーバースケールしてでも、精度と再現性を重視して欲しかったのだが・・・
 想定内も想定外も色々とあったが、老眼が進んだ今の状況では組み立てられただけでも御の字である。ただ、入門や練習用として見れば、十分なモデルではないだろうか。

 今回は細かな部分の再現性が曖昧だったので、NEXTシリーズ(フジミ)を参考にした。
 クレーンやアンテナ、主砲・副砲や機銃などの再現性の秀逸さには舌を巻くが、1/700でも作りたいと思わせる次元である。更に、塗装済みのメインパーツは接着剤不要で、オプションパーツ(土嚢・レーダー・サーチライトetc)も充実しており、”NEXT”というだけあり、昨今のプラモデルの進化には驚かされる。
 結果から言えば、値段相応だったが、サイトで色々と勉強し、”スミ入れ”をしたら多少はそれっぽくはなった。逆に自由に弄くれる分、アリイ製のプラモもありかなとは思う。
 そこで、すっかり戦艦に魅了された私だが、更にヤフオクで、同じマイクロエースの戦艦アイオワ(1/600)を1020円(送料510円)で落としてもた。レビューは散々だが、私の好奇心を騒がせてくれるのは間違いないみたいだ。


最後に〜数学とプラモデル

 プラモデルを作ってると、数学と非常によく似てるのが理解できる。パーツ群を予め塗装し、丁寧に切り取って、注意深く組み立てる。勿論、再現性も大切だが、自身のオリジナルなアイデアもより重要である。
 数学も定義や定理や系などの公式をよく理解し、注意深く組み立てて難題を解き明かしていく。勿論、証明も必要だが、それに至るまでの過程での様々な発見やアイデアの発掘も重要である。もっと言えば、理解や証明だけでは数学は苦痛なだけの存在とも言える。
 故に、多くの人は数学を忌み嫌うが、数学の本質を”アイデアの創出”と考えると多少は敷居は低くなる。つまり、”ガウスにはなれなくてもガウスの様に考える事はできる”(byクライン)のだ。もっと言えば、数学的思考を身に着け、多彩なアイデアを駆使し、現代社会に活かす事が重要なのである。

 但し、数学は学問だが、プラモデルは娯楽である。数学と同じで、苦痛になったらやめればいい。出来ないものは出来ないし、出来そうなものを探す方が娯楽の近道でもある。
 今回久しぶりにプラモデルを組み立てて思ったのは、アイデアを駆使する事で、老眼や指先の不器用さをカバーし、”自分の時間を楽しむ事が出来る”という事である。
 私達は今、デジタルの世界にドップリと浸かっている。勿論それが悪い事ではないが、創造とか独創という点で言えば、何かを作ってみる事の方がずっと有意義な時間を過ごせるのではないだろうか・・・

 デジタルか?アナログか?
 どちらにせよ、数理モデルであろうが、プラモデルであろうが、何かを作るという行為には変わりはない。
 つまり、我々はモノを作る事で大人になっっていった。SNSやInstagramでは与えられない、創造と自己満足の世界がプラモデルなどの創作の世界にはある。
 故に、モノを作るという行為は、人類の知能を高める1つの近道なのかもしれない。



4 コメント

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象が転んだ様へ。 (りくすけ)
2023-12-16 22:33:29
お邪魔します。

戦艦プラモ、子供の頃はよく造りました。
米海軍ミズーリやサウスダコタなどを
できるだけ丹念に仕上げてから、
BB弾のエアガンで撃ち、
丹念に壊すのが楽しかったことを思い出します。
(暗い独り遊びデス)

おっしゃるとおり、対象がプラモであれ、彫刻や絵であれ、作文であれ、
「モノ作り」に勝る楽しみはないのかもしれません。

では、また。
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ウォーターラインシリーズ (平成エンタメ研究所)
2023-12-17 09:07:43
戦艦のプラモと言えば、TAMIYAのウォーターラインシリーズを思い出します。
ウォーターライン──その名のとおり、船底が真っ平らになっていて展示すると、海上を走っているような感じになるんですよね。
またプラモ作り始めたくなりました。

数学と船艦と言えば、映画にもなったコミック「アルキメデスの大戦」。
高すぎる戦艦の建造費を駆逐艦の建造費から割り出したり、日本の太平洋戦争を数学で表現した作品でした。
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りくすけサン (象が転んだ)
2023-12-17 12:00:53
ネットにどっぷり浸かったデジタル社会において、モノを組み立てるというアナログ的な行為はとても懐かしく新鮮にも感じます。
昨今のプラモデルブームはジオラマの復活や3Dプリンタの登場も大きく貢献してると思います。

”暗い一人遊び”で思い出したんですが
私も子供の時、プラを燃やしたポタポタの炎で、走らせた戦車を戦闘機を燃やした事がありますね。
今から思うと、とても残酷なことをしたなと反省しきりです。
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エンタメさん (象が転んだ)
2023-12-17 12:28:26
昔はモーターライズが主流で、堀に浮かべて走らせては回収できず、浸水して沈没というケースが多々ありました。
子供の時最初に作った大和も(歴史は繰り返すじゃないですが)そうした悲しい運命でした。
今は、リモコン化する人もいて、色んな楽しみ方があるみたいですね。

陳列に特化したウォーターラインはジオラマから来た発想でしょうか、海面の走行波を作る事でリアル感がとても向上します。
今回はサイトで調べ作りましたが、色んな事を勉強できて結構楽しかったです。

「アルキメデスの大戦」も記事にしましたが、数学と戦艦って密な繋がりがあるんですかね。
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