goo blog サービス終了のお知らせ 

象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

”コロナウイルスは生物兵器だ”という噂はホントか?デマか?それとも・・・

2020年03月04日 05時21分47秒 | 新型コロナ渦

 人はパニックに陥ると、自分に近い人種の意見に賛同する傾向にある。頭の良い奴は頭の良い奴の意見に、三面記事が好きな人はガセネタやYouTubeネタに耳を傾ける。
 更に信仰厚い人は、陰謀論やスピリチュアルなネタを信じたくもなる。
 新型コロナウイルスの記事で日本人が一番に興味を持った記事は、”生物兵器説”ではないだろうか?神話的で農耕族にはピッタリのネタですが。
 そういう私も最初は”アホ臭”と見下してたが、ガセネタを潜ってみると、意外にも興味深そうな記事が全くなくもない。勿論、よく読めばアホ臭ですが(笑)。

 でも今になって何故、こういった低俗なデマが拡散する様になったのか?運悪く陽性と判断された感染者に対し、とても失礼だとも思うのだが。それに、ウイルス研究所でプライドを掛けて働く現場の人達には、五臓六腑が煮え繰り返る思いだろう。

 そこで、新型コロナウイルスは本当に人工的に製造されるのか?について書きたいと思います。
 勿論、結論から言えば”不可能”という事ですが、その結論を検証します。


武漢ウィルス研究所とは

 陰謀論者は科学を信じません。私は国の専門機関が調査を行い、私達の潔白を証明してくれる事を望んでいます”
 中国科学院武漢ウイルス研究所の女性研究員•石正麗は、財新記者の取材(2/4)に対しこう述べた。”私自身の言葉には説得力がありません。私は他人の考えや言論をコントロールする事はできないのです”

 以下、”新型コロナウイルス「生物兵器論」は本当なのか”から抜粋&編集です。

 新型コロナウイルスの感染拡大が依然厳しい状況の中、彼女の所属する実験施設が新型ウイルスの発生源ではないか?という”疑惑”に巻き込まれた。
 ”新型ウイルスは人間が造った生物化学兵器だ?” ”新型ウイルスは武漢ウイルス研究所の実験施設から流出したものだ?”
 新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、新型ウイルスと中国科学院が武漢に持つウイルス研究所との間に関連があるとSNSで発信する人が後を絶たない。
 全くバカとSNSとウイルスは、あっという間に繁殖するんですな。

 中国科学院が武漢に持つウイルス研究所は中国で唯一のバイオセーフティレベル(BSL)P4の実験施設を有する。石正麗はP4実験施設の副主任であり、P3実験施設の主任だ。
 P4とは、国際基準で危険度が最も高い病原体を扱えるBSLの最高防護レベルで、高度に危険なワクチンや治療方法が知られていない病原体を専門的に扱う研究施設で用いられる。


新型ウイルスはコウモリが起源?

 人は心の中に疑惑を植え付け、想像をかき立てる生き物だ。例えば、なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか?なぜウイルスを人に伝えた病原体(宿主)が見つからないのか?
 ウイルスの元々の宿主はコウモリだ。そして、石正麗の実験施設はコウモリに関するウイルス研究の学術的な権威である。

 石正麗のチームはかつて2017年、SARSウイルスが幾つかのコウモリを起源とするコロナウイルスが変異したものである事を突き止めた。
 新型ウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、石正麗のチームは1/23に査読前サーバーbioRxivで、「新型コロナウイルスの発見とそれがコウモリを起源とする可能性」という研究論文を発表した。
 その研究の中で、新型コロナウイルスとSARSウイルス(SARS-CoV)のDNA配列の一致率は79.5%だが、雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスとの一致率が96%に達してる事を明らかにし、コウモリが新型コロナウイルスの起源である可能性が示されてた。この論文は査読を終えた後(2/3)、国際的なレベルの学術ジャーナル誌「ネイチャー」でも発表された。

 外部からの疑惑と非難に直面した石正麗は2月2日、怒りを顕にした。 
 ”2019年の新型コロナウイルスは大自然が人類の愚かな生活習慣に与えた罰だ。私は自分の命をかけて保証する。実験施設とは関係がない。不良メディアのデマを信じて拡散する人、インドの科学者の信頼できない学術的な分析を信じる人にご忠告申し上げる。お前たちの臭い口を閉じろ。
 それに、専門的な問題を専門家ではない人々とは議論したくない”

 
ソーシャルメディアにおける疑惑の声

 最初に、石正麗の実験施設と新型コロナウイルスとを関連づけた言説の1つは1月下旬の事だった。
 中国中央電視台は2018年に、武漢ウイルス研究所のチームがコウモリに起源を持つ新型ウイルスの一種を発見したと報道。
 その報道をある人物が見つけ、新型コロナウイルス(2019-nCoV)との関連性があるのでは?と勝手に臆測したのだ。
 実際には、2018年に発見されたのは”豚急性下痢症コロナウイルス”で、新型コロナウイルスとは全く異なる種類のウイルスだった。

 それに続き、別の人物が国際医学誌「Nature Medicine」で、2015年11月に発表された石正麗が関与してる研究論文を見つけた。
 この論文は、中国馬蹄コウモリで見つかったSARSに似た、コロナウイルスの一種(SHC014-CoV)が疾病を引き起こす可能性に関するもので、研究者はSARSの遺伝子を逆遺伝学(逆転写)の手法を活用し、一種のキメラ•ウイルスを生成した。
 キメラウイルスとはSHC014の表面タンパク質とSARSウイルスの骨格で構成され、人体細胞のレセプター(受容体)と結合し感染する仕組みを、SHC014の表面タンパク質が備えてる事が証明された。
 しかし、このキメラウイルスはネズミの疾病を引き起こしたが、死に至らしめる事はなかった。

 因みに、論文には全部で15名の執筆者がいる。執筆者たちはノースカロライナ大やアーカンソー州の国家毒物学研究センターなどに所属し、うち2名が武漢ウイルスの研究者である葛行義と石正麗で、実験はノースカロライナ大で進められた。


4年前の実験により改変されたウイルス?

 疑問を呈する人々はこの研究を根拠とし、新型コロナウイルスが4年前の実験によって改変されたウイルスであり、実験施設から流出した可能性について論じた。
 彼らは「ネイチャー」の記者デグラン•バトラーが2015年に書いた記事や、パスツール研究所のホブソンが述べた、”もしウイルスが流出したら、その拡散経路は誰にも予測できないだろう”という言葉を引用した。
 その後、この都合よく背景と前後の因果関係を切り取られた情報は、ソーシャルメディア上で広められた。しかし、それら疑惑を呈した人々は何れもウイルス関連分野の専門家ではなかったのだ。

 財新記者は、バトラー記者が書いた上記の記事を調べた。
 実際には、バトラーは中立的な立場で異なる2つの見方を引用し、”機能獲得性研究”が引き起こす議論について詳述してる。
 因みに、ウイルスの”機能獲得性研究”とは、実験施設の中で病原体が持つ毒性や拡散を増強し、又はウイルスの宿主の範囲を拡大しウイルスの特性を研究し、新しい伝染病として評価する研究手法を指す。

 バトラーの記事によれば、ある専門家はこの種の研究に反対している。
 例えば、先述のホブソンがこの実験に反対する理由は、この種の研究には何ら有益な点がなく、コウモリの体内に潜む野生のSHC014ウイルスが人間にもたらす驚異を明らかにするものでもないと考えてるからだ。
 アメリカの分子生物学者リチャード•エブライトは、”この種のプロジェクトの唯一の成果は、実験施設の中で新しい非自然的なリスクを作り出す事だ”と手厳しい。2人は共に”機能獲得性研究”を長年に渡り批判している。
 因みに、アメリカの国立衛生研究所(NIH)は、2013年10月からこの種の研究に対する全ての援助を一時的に停止していたが、この実験が当該機関による審査期間中は継続される事を許可した。つまり、研究を停止させる程のリスクが認められないと、NIHが結論を下したのだ。


実験は病原体を識別する助けになる

 この種の研究には有益な点があると考える学者もいる。研究組織「生体健康連盟」の総裁であるピーター•ダザックは、この種の実験が取り急ぎ、その危険性を考慮すべき病原体を識別する助けになり、一層の関心を集める事ができると考える。
 彼は例を挙げ、”もしこの研究が行われなかったなら、SHC014ウイルスは今でも脅威とは見なされてなかったろう”と述べている。
 科学者たちは従来、このウイルスが人には感染しないと考えてたが、実験によって初めてこのウイルスが人のレセプターと結合できる事が明らかにされたのだ。
 ダザックはかつて石正麗のチームと一緒に協力し、科学研究を行った事がある。
 
 国内の生物化学の専門家の1人が解説する所によると、バイオセーフティーを保証できるという前提で、”機能獲得性研究”はウイルスの作用や拡散の仕組みや特性を一層深く認識し、未知のウイルスをよりよく予防するのに役立つそうだ。
 ”細菌についての研究は相対的に進んでますが、動物に由来するウイルスについて判ってる事はまだまだ多くない。もしウイルスを研究するなら、獲得性の機能研究が確実に必要とされる。但し、各種の流出を防止しなければなりません”とその専門家は語っていた。
 つまり、科学とは両刃の剣なのだ。以上、東洋経済ONLINEからでした。


最後に

 少し長くなったので、今日はここまでです。結局、我々はウイルスの専門家も含め、判らない事が沢山ある。そして、その曖昧さの盲点を突いたのが、今回の”生物兵器説”である。
 専門家も研究者もメディアの前では、”判りません”と堂々と口に出来ない所がある。メディアは大騒ぎし、大衆をパニックに陥れ、自らも不安になるからだ。

 しかし、全ては”わからない”から始まる。既に解ってる事からは何も生まれない。
 今回の生物兵器説に関するデマは、この”判らない”という大衆の不安を巧みに突いたデマとも言える。

 次回は、インドの専門家が巻き起こしたデマと遺伝子工学の限界について語ります。



11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
だよな (#114)
2020-03-04 08:12:05
考えなくても解るような事だけど
神話の国の日本人は
こんなデマをも信じちゃう

パニックに陥りやすい
日本人にはマスクと同じ
生物兵器説も必需品なんだ
自分を不安にさせない為に
返信する
Unknown (mainichiblog)
2020-03-04 08:46:08
怖いよなコロナウイルス
返信する
こんにちわ....。 (kitazume)
2020-03-04 11:57:12
1980年代に、角川映画で、、
「復活の日」と言う映画があったけど、

イタリア風邪と言う肺炎が流行、
人類は滅亡すると言う話でした。

その最近をばら撒いたのは生物兵器でした。

今の状況に酷似して居るので、君が悪いですよ。

返信する
すみません〜〜。 (kiyasume)
2020-03-04 12:39:34
その最近をばら撒いたのは・・・

では無く。

その細菌をばら撒いたのは・・・

です。


すみませんでした
返信する
#114さん (象が転んだ)
2020-03-04 13:31:07
全くですね。
戦争時と同じでデマほど説得力があります。
追い詰められた人源の脆さですね。
返信する
mainichiblogさんへ (象が転んだ)
2020-03-04 13:34:57
ウイルスも怖いですが
馬鹿騒ぎする私達人類も怖いですね。
早く対処法が見つかるといいんですが。
返信する
Kitazumeさん (象が転んだ)
2020-03-04 13:36:34
コメどうもです
返信する
狂信者かキチガイか (hitman)
2020-03-04 15:06:07
こういうデマを流す奴らって、
無能なカルト信者と同じで
気が狂ったキチガイ爺なのかな。
ウイルスが変異するように、
人類も悪い方向に変異するのか。

変異した人類の方がずっと怖いねぇ〜
返信する
デマを流す奴らほど (#114)
2020-03-04 19:48:44
デマを信じないもんな
ヤクの運び屋と同じで
自分からヤクに手を出すような
バカな真似は絶対にしない

SARSの時(2003)も
エボラウイルスの時(2014)も
全く同じようなデマが世界を覆った
陰謀論は変異も進化もしない
バカと気違いとカルトだけが信じたがる
信仰みたいなもん

hitmanさん言うように
パニックで変異した
大衆が怖いのはそのせいだ
返信する
hitmanさんへ (象が転んだ)
2020-03-04 21:31:14
でもですねぇ〜
調子に乗りすぎた中国共産党を挫くには、
生物兵器説も悪くはないのかなです。

唯、生物兵器は致死率が高い事と感染範囲が狭い事が必須なので、こ説は幼稚過ぎて話題にも上らんと思ってましたが、意外や意外でしたね。
返信する

コメントを投稿