象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

何だか、イヤ〜な感じ〜オミクロンの驚異と院内クラスターの恐怖

2022年01月22日 06時02分47秒 | 新型コロナ渦

 正直、オミクロン株がここまで暴発するとは思っても見なかった。
 我が柳川市も今月だけで新規感染者が40人を超えた。隣の久留米市は一昨日だけで135人(今月686人)。昨年12月は殆どゼロだったのに・・・因みに、久留米市では自宅療養者が急増中で保健所はパンク寸前だという。
 今の所、入院者や重症者が少ないのが救いだと呑気な事を言ってたが、現場は我らが思う以上に追い詰められている。

 確かに、各国を見てると結構な数の重症者や死者も出てて、改めてオミクロンの驚異を知る羽目になる。
 特に、ワクチン優等国イスラエルは4回目の接種が始まってるが、(19日の新規感染者は24万を超え)感染爆発は止まらず、ワクチンの効果は疑問視されている。
 日本政府は、10道府県に”まん延防止策”の要請を25日にも追加決定する予定だが、ピークが何時になるかは未だ不透明な気がする。

 「ウイルスの自壊と生物進化のダイナミクス」では、”オミクロン株は(そこまで)怖くない?”という意味合いの記事になったが、どうやら(私を含め)専門家の予想は半分は当たり、半分は外れそうな予感がする。
 そこで、もう一度オミクロン株の驚異について整理しよう。


オミクロンの驚異

 昨年11/24に南アフリカから検出され、その後、欧州へ拡大し世界的に感染が広がり、128の国で確認されている(12/29時点)。
 日本で初めてオミクロン株が確認されたのは、昨年11/28に入国した人のケースで、その3週間後には市中感染が確認され、全国に拡大した。
 感染力の強さは凄まじく、(感染力を示す)”実効再生産数”はデルタ株の3〜6倍とされる。
 オミクロン株はウイルス表面にあるスパイクタンパク質の遺伝子に30か所程度の遺伝子変異があり、このうち15か所程度の変異が受容体結合部位に存在する。これにより、従来株よりもヒトの細胞に結合し易くなったとされる。
 以下、「明らかになってきたオミクロン株」より一部抜粋です。

 ロンドンでの調査によると、オミクロン株感染者の症状は、鼻水・頭痛・疲労・咽頭痛など一般的な風邪と同じだったという。
 オミクロン株は、従来株よりも”重症化し難い”との研究結果がいくつか報告されている。英インペリアルカレッジ(ICL)の研究では、デルタ株の感染者と比べ、(一泊以上)”入院するリスクは40~45%低い”と推計し、英保健安全保障庁(UKHSA)も”入院リスクはデルタ株の約1/3程度である”と公表した。
 事実(ハムスターを使った実験だが)、他の変異株よりも肺の損傷が著しく少なく、オミクロン株の病原性は弱い可能性が考えられる。

 しかし、オミクロン株に対するワクチンの効果については、接種後にスパイクタンパク質に対する抗体ができるよう設計されてる為、そこに多くの変異があるオミクロン株に対しては”効果が低下する”とみられている。
 UKHSAの報告では、オミクロン株に対するファイザー製(またモデルナ製)の発症予防効果はデルタ株に比べて低く、2回目の投与後65~70%程度であった効果は、20週目には10%程度に減少。ブースター接種後2~4週間のワクチン効果は約65~75%で、5~9週間で55~65%、10週間以上で45~50%に低下していた。
 以上オミクロン株の特徴として、①感染力が強い②症状が軽い③重症化率が低い④再感染リスクが増加⑤ワクチンの効果を弱めるなどが挙げられる。現時点でオミクロン株の重症化の頻度は少ないが、感染者が爆発的に増えると一定の割合で入院患者・重症者が出てくる為、医療の逼迫を引き起こす可能性が高まる。また、高齢者など重症化リスクのある人たちに広がれば、大きな影響が出る恐れもある。
 以上、MEDIUS Holdingsからでした。


院内クラスターの恐怖

 ここまでは殆どが知られてる事だ。
 が、その一方で、医療関係者がいま最も危惧するのが”院内クラスター”である。
 医療従事者が感染し、濃厚接触者となる事で、患者を診れない状況に陥る深刻な可能性がオミクロン株では現実味を帯びてくる。実際、沖縄ではそれが起きて大きな問題になってるが、今後は全国どこで起こってもおかしくない。
 第5波では急増した重症患者を受け持つ医療従事者や病床の数が足りなくなり、入院できずに自宅待機になった結果、死亡するケースが問題となった。
 ”第6波はそれとは違う医療逼迫が起こりかねない。今後は、身近に(無症状も含め)感染してる方が沢山いる状況になり、医療従事者もいつどこで感染するかわからない。コロナ病床にいくら空床があっても、病院が機能しなくなる恐れがある”(埼玉医科大学総合医療センター岡秀昭医師)
 しかし、今の医療現場では(2年前と異なり)根拠に基づいた感染対策を行っている。そうした万全を期した対策をしてもなお、オミクロン株では院内クラスターが起きてしまう。それはなぜなのか?
 以下、「オミクロンで見落とされてる事」から一部抜粋です。

 院内感染には、“しかるべき対処をとっても難しいもの“と“しかるべき対処をとれば予防できるもの“とに分かれる。オミクロン株の感染性の強さを考えると、”100%完璧に院内感染を防ぐ事は理論的に不可能だと思う”(岡医師)。
 故に、院内感染は起こらないだろうではなく、起こった時の事を想定し、院内感染を早期探知し、被害を最小限にできるよう対策をとる必要がある。 
 その上で、岡医師はこう訴える。
 ”皆さんには<院内クラスターを起こした病院=悪>だと決めつけないでほしい。世間がそういう風潮になれば、現場は萎縮し、患者の受入れに消極的になりかねない”

 新型コロナの従来の特徴として、感染してても症状がない無症候性のケースが多い事にも増して、ワクチンによるマスキング効果も加わる。
 いずれも無症状では感染してるかどうかわからないし、症状があってもオミクロン株の場合は、発熱・咳・喉の痛みなどの軽い症状で留まる事が多く、インフルエンザや風邪と見分ける事が難しい。知らない間に感染し、症状がない(或いは軽い)状態で病院を受診した結果、病気を持ち、免疫力が落ちてる患者たちに感染を広めてしまう――そういう事象が院内クラスターのきっかけになりかねない。


普通の風邪と変わらない?

 世の中では”オミクロン株はもはや普通の風邪と変わらない”と決めつける人たちもいるが、岡医師はそこに危機感を募らせる。
 ”まず、感染性の強さが違う。オミクロン株は(水痘の様な)空気感染を起こすウイルスと同レベルの感染力を持つ。一方、重症化し難いとはあくまでもデルタ株との比較であり、従来株とあまり変わらない。重症化率が4割減ったとしても、感染者数が倍になれば重症者数は1.2倍になる”
 その証拠に、冒頭で同院には6人のオミクロン株の感染患者が入院していると紹介したが、2人の患者では酸素吸入が必要な肺炎を起こしている。更に、コロナウイルスでは新規感染者と重症者数の増え方にはタイムラグがある事がわかっている。
 今は軽症が多くても今後どのようになるか?はわからないのだ。

 ワクチンの効果に対しても、岡医師も前述と同じ様な見解である。
 現在流通しているファイザーとモデルナのmRNAワクチンは、元々は従来株に対して作られたもので、2回接種を終えればその予防効果は9割ほどあった。予防効果というのは”感染予防”と”重症化予防”の両方で、つまり人にうつすリスクを下げ、重症化させない効果もあった。
 ところが、重症化しやすいデルタ株になると、感染予防より重症化予防の効果で意味合いが大きくなる。その背景には(デルタ株の性質もあるが)、むしろ”ワクチン自体の問題で、接種からの時間経過によって抗体値が下がってきたという事実がある”と岡医師が説明する。
 ”更にオミクロン株に関して言うと、ワクチンを2回接種し半年以上過ぎた人では、感染予防効果は2~3割程度に落ちてしまうが、一方で重症化予防の効果は7割ほど保たれていた”

 理論上では、ブースター接種により一時的だが、感染予防効果が7割程度まで回復する。しかし、ワクチン優等国のイスラエルの現状を見れば、”有力な手段”と言えそうにもない。
 事実、”これまでの変異株に比べ、オミクロン株に対する効果は低い”と、イスラエルの医療チームは実験による結果を述べている。
 だったら、残るは治癒薬である。


治癒薬の現状と課題

 現在、オミクロン株に有効だとして使われているのは、ゼビュディ(グラクソ・スミスクライン)、ラゲブリオ(同)、パクスロビドの3種類。前者は点滴投与で後者の2つは経口薬だ。
 新しい薬の登場に期待が高まるが、必ずしも有効打になる様なものではない。その理由の1つに、使える人が高齢者など重症リスクのある軽症者で、かつ発症間もない時期に投与するなど、いくつかの決まりがある。つまり、コロナと診断された全員が使える薬ではない。
 ”加えて、ラゲブリオは有効率が3割程度で、ゼビュディの7割やパクスロビドの9割に比べて低い。それにカプセルが大きすぎて、高齢者に飲んでもらうのは厳しい。実際、フランスではラゲブリオは承認されず、アメリカでは3つの薬が使えるものの、ラゲブリオは(2つの薬が使えない場合に使う)3番手の薬という位置づけです”
 パクスロビドは有効性も高く期待が持てるが、他の薬との飲み合わせに問題が起き易く、薬を多く飲まれてる高齢者や持病を持つ方には使いにくい可能性がある。

 最後に、感染状況にせよ、ワクチン接種状況にせよ、新薬にせよ、日々刻々と変わる状況に対し、我々は何に注目すべきなのだろうか?
 岡医師はこう話す。
 ”新規感染者数や病床使用率などは数字でしかない。最も大事な指標は医療現場です。TVでもネットでも新聞でもいい、現場で働く医療者の声を知ってもらえたら・・・
 例えば、病床使用率が低くても、院内クラスターが起きてしまえば、それ以上は患者を受け入れられない。つまり、その現場は逼迫した状態な訳です。<ベッドが埋まっていないから大丈夫じゃないか>と、安易に結びつけて考えないでほしい”

 以上、東洋経済Onlineからでした。


収束が先か?ワクチンが先か?

 もうここまで来ると、”ウイルスの自壊”じゃないけど、(オミクロンの収束を待つしかない様な)諦めの境地に至りたくもなる。
 多分、我らに3回目のワクチン接種が回ってくるのは、早くても2月以降だろう。多分、今の日本の国力では2月中には間に合わないかもしれない。
 そして、ワクチン接種が本格的に始まる頃には、オミクロン株は何事もなかったかの様に収束し、(アベノマスクと同様に)莫大な数のワクチンや治癒薬が破棄されるかもしれない。
 ただ、イスラエルのケースを見れば、ワクチンよりもマスクや自粛の方が効果がある事は理解できるが、(新規感染者数が過去最多の4万を超え)再び感染列島となりつつある日本の現状を見れば、そう決めつける事も出来ない。

 つまり、半分は諦め、半分は仕方なく我慢する。それで収束しなかったら、コロナウイルスに潔く頭を垂れて”白旗をあげる”しかないのだろうか。
 しかし私には、コロナウイルスがわざとオミクロン株を撒き散らしてる様にも思えてくる。
 ウイルスの変異とか進化とかではなく、人類をおちょくる為だけのダミーのウイルスを、敢えて撒き散らしてるのだとしたら?
 そう思うのは、私だけだろうか。



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