夕陽丘

時事問題とロースクールの日常など

◆アイフル,支店毎の成果主義撤廃

2006年04月17日 12時54分00秒 | 企業法務学習日記
行政処分を受けて,アイフルは,支店毎の業績を支店所属社員の賞与に直結させる方式の成果主義を廃止したという。

報道によれば,アイフルでは本部から支店に対して貸出額や回収額を目標として設定,未達の場合最大6割も賞与が減額される方式を採用していた。

これが違法行為の主要な原因であるとして撤廃するということのようだ。

ただ…全体として見ればこの成果主義が主要原因と見るのはどうだろうか。個人対象であれチーム対象であれ,きっちりした仕組みがあれば成果主義は明確なインセンティブが働くことで正の回転を始めると思うのだが。根本にある問題はもっと別の何かのように思える。

端的に言って,経営レベルに業績至上主義を抑制する管理システムが存在していないことの方が事の本質ではないんだろうか。

各種報道を見ている限り,アイフルは,創業者によるワンマン・トップダウンの経営という典型的ピラミッド型ヒエラルキーのもと動く組織に思える。そういう組織でワンマンな経営者が業績至上という号令を出せば,その下の人間はこれに反する行動は絶対にとらないし,とれない。

そうすると,組織の構成員は,業績至上という単一目的のみを唯一の価値基準として動かざるを得ない。例えば,法令遵守といった別の基準など思い至ったとしても無視せざるを得ない構造上の問題が生まれてしまうのではないだろうか。

そういう基本的な組織構造があるからこそ,件の成果主義が負の回転を起こしてしまうし,それを是正する装置も(例え存在しても)働かない。

部外者の勝手な雑感だが,今回の成果主義撤廃は小手先の対応に見えて仕方がない。トップの経営思想とそれを体現する組織構造そのものが変化しない限り,アイフルの本質はかわらないように思えてならない。




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