LHFトーク"GONDLA"

LHFの二人のだらだらトーク。

アンタッチャブル VS 徹子 7月28日放送『徹子の部屋』

2009年07月30日 | 過去の記事
僕の部屋はテレビの映り最悪なので、ほとんどテレビは観ない。それでも本当に偶然テレビをつけたらアンタッチャブルが「徹子の部屋」に出ていた。というわけでなんとなく観てしまった。まあ「徹子の部屋」と言ったら、芸人が徹子のペースに飲まれてしまう、“芸人泣かせ”の番組として有名である。そういうこともあって昔からこの番組は嫌いだったのだが、「アメトーーク」の『徹子の部屋芸人』を観てから、「それを楽しむ」ということを学んで、「なるほどな」と思った。

さて、初っ端から飛ばしていくのはアンタッチャブル山崎。こっちも「アメトーーク」で取り上げられた通り、自分のペースにしてしまう能力は徹子同様に相当高い。そういう“主導権争い”の部分が、このアンタッチャブルと徹子の対決(?)の、まず最初の見どころになった。

まず徹子の「M-1チャンピオン」のフリから、山崎が「賞金の使い道」について話を始める。「賞金をもらっても事務所の改装工事に使われ、決勝の前の日に練習する場所がなかった」という話で、山崎は「公園で練習してたら犬が寄ってきたんですよ」というオチで話を終わろうとした。しかし、相手は徹子。もちろんそこで笑ってくれるはずもなく。他の芸人だったら、ここですでに主導権を徹子に握られているところである。しかし山崎も負けていない。そこからの“オチのごり押し”が凄かった。

「犬に受けるんでしょうね」
「犬も笑ってましたからね」
「審査員に犬がいないですからね」


もうめちゃくちゃ面白い。それでも徹子は徹子。「ああ、そうなんですか」と言ってもう次の話へ移ってしまう。

そこから、山崎の“対徹子用トーク”が凄かった。もう最初の話で自分がペースを握ることは得策ではないかと思ったのか、山崎はそれから最大限に徹子のペースに乗ろうとする。中でも面白いのは相槌。柴田が話しているときにも、

「あら!」
「なるほど!」
「まあいないからね!」


と言う山崎の相槌が一番良く聞こえる。徹子のペースの飲まれてしまう芸人は多い。でも山崎は徹子のペースに完全に乗っかってしまっていた。徹子の話を全部肯定した上でちょいちょいボケを入れていく。いやー、面白かった。ここでちょっと思ったことがあった。

トークにおいて、人は“ピッチャー”と“バッター”に例えられるのではないか。例えば、徹子は自分のペースで試合を作ることができる“ピッチャー”であるし、その中でフられた話を面白く答えるのは“バッター”の役割だ。「アメトーーク」で触れられていた通り、山崎も普段は番組を自分色に染めてしまう“ピッチャー”として恐れられている。だけど山崎は凄いピッチャーである前に、いいバッターでもあるのだ。おそらく他の芸人は凄い“ピッチャー”である徹子を意識するあまり、自分のバッティングができずに空振りに終わってしまう。それを山崎は単純に来た球を打ち返す。この日だって徹子の超変則投法から投げられたボールを、チョンと当ててヒットにしていた。そしてホームランを狙うことはせずに、しぶとくバットを当て続けた。

この日、アンタッチャブルの二人は番組内で漫才を披露した。とは言ってもスタジオの中にステージなんてものはなく、ただちょっと空いたスペースでやらされて、スタッフ笑いもほとんどないという過酷な状況だった。しかもその後、徹子は「ああ、いらっしゃいますわよね。そんな刑事さん」と、なんと漫才の内容に触れてきたのだ。もうここは本当にビックリしてしまった。そんな漫才の中身に触れるなんてことしていいのか? でもそんなビックリな中で、やっぱり山崎は凄かった。「背は…吉田君くらいかな」「誰だよ!」というボケがあるんだけど、そこに徹子は「吉田さんって方は本当にいらっしゃるの?」って聞いちゃう。もうそんなのどうでもいいのに。それなのに山崎は、「そんなにウケるなら、全部吉田君のネタにすればよかったですね」と、徹子の言ったことを肯定しながら笑いに変えていた。

このアンタッチャブルの例は“対徹子”の十分な成功例になったのでないか。山崎は傷を負うことなくこの怪物と最後まで渡り合った。まあでもしかし柴田はというと、最後に徹子が「パンダの赤ちゃんは『カーーー!!!!』と鳴く」という話をしたときに、徹子に「パンダはなんて鳴かれてたんでしたっけ?」とフりに行って、「だから自分の存在をね…」とかわされていた。柴田のようなマジメなタイプは、教科書どおりに行ってしまって徹子に軽々とかわされてしまう。山崎の「戦わないで味方になっちゃう」という作戦はやはり凄い。うん、面白かった。


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