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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

恩田陸『きのうの世界』直木賞にノミネート

2009-01-07 00:19:19 | 恩田陸
直木賞候補者紹介サイト
http://www.bunshun.co.jp/award/naoki/index.htm

これで何回目のノミネートだっけ?今度こそ取れるといいなぁ。でも、たぶん無理だろうなぁ・・・(ファンにあるまじき発言)
「これでいいのか?」なエンディングは恩田ファンにはすでに慣れっこだけど、選考委員の支持を獲得するには「これでいいのだ!」的読後感がやっぱり必要だと思うんですよね~。
なんて言ってても、本当に取れたりしたらやっぱりすごく嬉しいけど。

でもファンとしてもっと嬉しいのは、予定が延びに延びた上、やっと今月末に発売(という噂)の単行本『ブラザーサン・シスタームーン』の方でしょう。ここ2~3カ月、新刊も文庫落ちもないから慢性飢餓状態・・・・・

とぼやいてたら、1月9日に『ネクロポリス』の文庫が出るようです。しかも解説は萩尾望都!これは楽しみだわ~。



正月休み中に、50000hit越えしました。
どうもありがとうございますm(^^)m

『ご縁玉 パリから大分へ』

2009-01-06 12:11:54 | 日本の映画
KBCシネマ北天神



昨年11月に乳ガンで亡くなられた「命の授業」の山田泉さんと、フランスのチェリスト エリック=マリア・クテュリエの、五円玉=ご縁玉に導かれた不思議な交流のドキュメンタリー。

山ちゃんこと山田さんが末期ガンだから、カメラが回っているからと言って特別にドラマッチックに進むのではなく、ごく自然に再会を喜びあい、見せたい場所や会わせたい人の元に案内をして、一緒に時間を過ごす様子が穏やかでいい雰囲気です。
それにしても、チェロの音って耳から入って脳を経由して・・・と言うより、身体に直接ずんずん響くような不思議な音色ですね。宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』の感覚がようやくわかりましたよ。

日本名ケンちゃん(笑)ことエリック=マリアが施設の子供たちの前で、覚えたてのたどたどしい日本語で歌う『天空の城ラピュタ』の歌はぜひ聴いてください。


『ご縁玉 パリから大分へ』公式サイト

2008年度ベストテン*外国映画

2009-01-03 00:00:05 | 外国の映画
続いて外国映画の部です。

1位 『潜水服は蝶の夢をみる』
2位 『やわらかい手』
3位 『つぐない』
4位 『落下の王国』
5位 『バンテージ・ポイント』
6位 『12人の怒れる男』
7位 『ダーウィン・アワード』
8位 『君のためなら千回でも』
9位 『ヤング@ハート』
10位 『ホット・ファズ』


1位 『潜水服は蝶の夢をみる』
不自由な身体に宿る自由な魂を描いた映画・・・・・というところで、私の大好きな韓国映画『オアシス』を少し思わせました。心が正常であればあるほど耐え難いだろうあの過酷な状況を、主人公が唯一残された想像力と記憶で乗り越えようとする姿に、人間の精神の自由さと奥深さをあらためて思い知りました。

2位 『やわらかい手』
マリアンヌ・フェイスフルという人については、年代的にまったく知りませんでしたが、あの体型に周りを包み込むような笑顔、フーゾクの仕事をしてもなぜか漂う上品さ、イイ年したおばちゃんなのに妙におぼこい純情そうな雰囲気で、しかもそれがイヤミでも不自然でもないところがすごいです。最後に少しだけ面の皮が厚くなって周囲の目を気にしなくなったマギーはとてもかっこいいです。

3位 『つぐない』
久々に壮大で美しい「物語」を堪能させてもらいました。ロビーたちがさまよう果樹園のシーンや、ものすごい長回しで撮られたダンケルクの浜のシーンなど、本筋とは特に関係はないけど幻想的で美しい映像が目に焼き付いてますね。

4位 『落下の王国』
空想と現実を行き来する話はそう珍しいものではないけど、洪水のように押し寄せる美しい映像に圧倒されました。子役のカティンカ・アンタルーちゃんが非常に魅力的です。

5位 『バンテージ・ポイント』
予告を観て「もしかしてこれはイケるんじゃない?」と期待してましたが(でもって、だいたい期待はずれになりますが)これは本当に面白かったです。アメリカ映画って大味な超大作に混じってときどきこういう掘り出し物があるんですよね~。こんなに手に汗握ったのは『アート・オブ・ウォー』『デジャ・ヴ』以来?

6位 『12人の怒れる男』
リメイク映画を観て、これはもしかしたら元のよりすごいんじゃないの!?・・・と思ってしまったのは、たぶんこれが初めてです。今の情勢のロシアで、ニキータ・ミハルコフ監督でないと撮れない作品ですね。きっと。

7位 『ダーウィン・アワード』
アワードたちのクレイジーで愉快?な生態を追いながらも、いがみ合う二人の間に芽生えてくる恋、さらには連続殺人犯を追うサスペンスとサービス精神旺盛に詰め込んで、終盤にはきっちりとまとめてあるのもバカ映画の王道をきちんと押さえてていいですね(笑)。受賞者たちを「早死にするけど人生楽しそう」というシリ(ウィノナ・ライダー)の言葉がすべてを言い表わしてます。

8位 『君のためなら千回でも』
主人公アミールのお父さんが、すごく存在感がある人でした。故国を逃れてそれまでの裕福な生活から一転して、おそらくは身を粉にして働いていても、後に病に倒れても、最期までこの人らしい父の威厳を失くさない姿が印象的です。

9位 『ヤング@ハート』 
仲間の死の悲しみにくれながら、それでも前を向いて歌い続けるメンバー達の心の強さ、柔軟さは年を重ねたからこそ生まれてくるのかも。これを観ると、年をとることも決して悪くない・・・どころか、なかなかいいもんだなぁと思えてきます。

10位 『ホット・ファズ』
前半のカフカっぽいダークな迷宮サスペンスから、後半の怒涛の銃撃戦までB級テイスト炸裂で、この手のヲタク映画が好きな人にはたまらない映画です。上映のために署名活動をしてくれた(物好きな・笑)皆さん、ありがとう!


外国映画は観た数が多かったので、『ラスト・コーション』『イントゥ・ザ・ワイルド』『サラエボの花』『ジェイン・オースティンの読書会』『フールズ・ゴールド』『マンデラの名もなき看守』等、ランクインさせられなかったけど好きな作品です。

2008年度ベストテン*日本映画

2009-01-02 00:18:44 | 日本の映画
年明け恒例・・・・・と言ってもまだ2回目だけど(^^ゞ 2008年度(2007年12月~2008年11月)に観た映画のベストテンです。

まずは日本映画の部になります。

1位 『おくりびと』
2位 『KIDS』
3位 『西の魔女が死んだ』
4位 『休暇』
5位 『アフタースクール』
6位 『山桜』
7位 『Little DJ~小さな恋の物語』
8位 『相棒 劇場版』
9位 『グーグーだって猫である』
10位 『同窓会』


1位 『おくりびと』
本木雅弘の所作の美しさ、そして舞台になった庄内地方の季節の移り変わりの美しさ・・・・・、日本人に生まれて良かったとしみじみ思いました。

2位 『KIDS』
乙一原作の映画を観ているといつも、精緻に作られたスノードーム(透明なガラス玉の中にミニチュアの景色が入っていて、揺さぶると中の白い粒が雪が降っているように見えるもの)を目を凝らしてじーーっと眺めているような気持になります。橋の上の情景をカメラがスローモーションで追って行く様子はまるで悪夢の中みたいで、息苦しいくらい怖いのに不思議に美しいシーンでした。

3位 『西の魔女が死んだ』
原作ファンとして監督にお礼を言いたくなるような丁寧で良い出来です。ラスト「お祖母ちゃん、大好き」「アイ ノウ」には涙涙ですね。魔女ことお祖母ちゃん役にサチ・パーカーをキャスティング した人、よくぞ思いついてくれました!主人公・まい役も派手すぎず存在感のある子で原作のイメージに良く合ってます。

4位 『休暇』
淡々としてそうな話だから途中で寝てしまうかも・・・という観る前の予想は完全にはずれました。刑務官・平井役の小林薫、死刑囚役の西島秀俊ともに演技には定評のある俳優だけど、抑えた言動の中にふとした拍子に溢れ出てしまう感情の表現が本当にリアルで怖いくらいでしたね。

5位 『アフタースクール』
とにかくいろんな意味で振り回されダマされまくるけど、押さえるとこ押さえてあるので(友情とか正義感とか)観終わると何故か気分がいいです。パクおじさんの「オススメ料理」のお品書きが笑えました。

6位 『山桜』
時代劇は守備範囲外でしたが主人公が女性というのもあって、全体的に押さえたしっとりした雰囲気がなかなか良かったです。東山紀之の侍姿が、身のこなしに無駄がなくて美しかったですね。

7位 『Little DJ~小さな恋の物語』
『小さな恋のメロディ』のオマージュ的作品。あの映画が時代を超えて、いかに日本で愛されているかが良くわかります。パンフレットの年表によると太郎は私と偶然同い年の設定(たまきは1歳上)。・・・・・どうりで懐かしいはずだぁ~~。

8位 『相棒 劇場版』
劇場版ということでスケールが大きい分、薄味になったりしてないかとちょっと心配してたけど、ちゃんとあの『相棒』のテイストが健在でした(そういう当たり前のことが出来てない映画版がけっこうあるのよねぇ・・・)。
ハナシ逸れるけど、薫卒業後の次の相棒はいったい誰なんだよ、も~。元旦スペシャルでもぜんぜんヒントなしだとは思わなかったよ・・・・・_| ̄|○ 田端智子はなかなかイイ味だけど今回限りのリリーフだったし。

9位 『グーグーだって猫である』
思ったより「いや~ん、猫ちゃんカワイイ!」なだけじゃなく、大人の鑑賞にたえる映画だったのでほっとしました。小泉今日子の、年齢不詳のおっとりした少女っぽさと、ふと見せる若くはない女性の孤独感の対比が良かったです。

10位 『同窓会』
割合早い時点で克之の「ああ、カン違い」は観客に知らされるから『アフタースクール』のような先の読めない疾走感はあまりないけど、これはこれで笑って泣けるウェルメイドな映画です。今の感覚からするとすでに懐かしいような、すれ違いだの秘めた恋だの友情だのおせっかいだのに思わずじーんと来てしまいました(笑)