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茜空日記 goo版

映画と本をこよなく愛するラルゴです。
自然と美味しい食べ物に恵まれた福岡からあれこれ脈絡なく綴ります。

『義兄弟』

2010-11-14 15:49:32 | 外国の映画
シネリーブル博多駅



反りの合わなさそうな男二人が次第に友情を深めていく・・・という展開は『映画は映画だ』もそうだったけど、こちらは南北に分かれる敵同士(しかもお互い相手の正体は知ってても自分の素性はばれてないと思っている)なだけに、何食わない顔で寝食を共にしていてもじっとり汗が出るような異様な緊迫感が漂います。韓国人にとって、脱北者や一般人に紛れて潜む北の工作員の存在は、身近でリアリティのあるものなんだろうな、と改めて思いました。一旦ほのぼのしかかったムードがいきなり派手なアクションに変わる終盤もテンポの切り替えが上手いです。

それにしても女っ気のないハナシでしたね。まー、カン・ドンウォンがそのへんの女よりよほどキレイですけど(笑) 実はカン・ドンウォンの映画を観るのは初めてなのですが(ファンの方、ゴメンナサイ) あまりのカッコ良さにびっくりしました。私服のセンスもかなり良い人と聞いたけど、どうりでどんな格好をさせても似合うはずですね。工事現場で作業服を着ていても、この人だけなぜかカッコよく着こなして見えるのは何故だ・・・? ソン・ガンホはいつものソン・ガンホだなぁーという感じの、有能だけど規格外れで組織からはみ出してしまうキャラクター。「国際タスクフォース」時代の私服のセンスが、ラフな格好をしてもセンスの良いカン・ドンウォンと対照的に、何とも言えず・・・(笑)


『義兄弟』公式サイト

『小さな村の小さなダンサー』

2010-11-07 13:11:06 | 外国の映画
KBCシネマ北天神



中国版『リトル・ダンサー』って感じで先の展開はだいたい読めるけど(ラストシーンのいかにもプロパガンダな構図には目が点に・・・(@@))、それでもあの再会にはじーんと来ました。庶民の人生が国政に影響を受けるのはどこの国でもある事だろうけど、主人公を含め文革だ何だで大揺れしていた当時の中国の政情に翻弄される人たちの姿は見ていて辛かったです。

でも重いだけの話かというとそんな事はなくて、主人公のリー・ツンシンは生真面目そうな割にけっこう女にモテるし、お母さんも息子の亡命を知らされて打ちひしがれるかと思ったら逆に役人に食ってかかるような気丈なおばちゃんだし(笑) それぞれ翻弄されながらもタフに生きている感じが頼もしいです。もちろんバレエのシーンも素晴らしくて見応えがありました。

ところでこの映画は中国では公開されたのかな?毛主席の名前を猫になぞらえてからかう場面なんかあったから、あのままではキビしいんでは・・・と思ったけど。確か少し前までは文革を批判的に描いた作品は中国本土では100%公開不可でしたよね。『中国の小さなお針子』も公開がなかったと聞きます。いい映画なのに。

彼の最初の妻・エリザベス役は『センターステージ』のアマンダ・シュルだったのを、公式サイトを見て初めて気がつきました。あの映画出身だと最近ではゾーイ・サルダナも『アバター』で大ブレイクですね。


『小さな村の小さなダンサー』公式サイト

『TSUNAMI』

2010-10-03 15:04:09 | 外国の映画
ソラリアシネマ



原題はたしか『ヘウンデ(海雲台)』でしたよね。海雲台にはかなーり前だけど行った事があります。梅雨時で肌寒い時期だったのでビーチはガラガラだったけど、あの海岸線の眺めはたしかに海雲台でした。真夏にはあんなに賑わう観光地だったんですねー。そこにあんな津波・・・じゃなかったメガ津波がやってきたらそりゃ大変だよ。CGをフルに使ったディザスター物=アメリカ的なイメージがあるけど、同じテーマを韓国で作るとこういう風に雑でわやわやした感じになって、さらに泣かせ度が3割増しになるのね~というお国柄の違いがわかって、そういう意味では面白かったです。しかし、いくら主人公とは言え、あれだけ真後ろに津波が迫っててフツー逃げきれないって・・・・・(苦笑) 主役級のキャラクターが何人も死んでしまったのが意外でしたが、その中のあるひと組の最期は私の好きな『ディープ・インパクト』のティア・レオニーとマクシミシアン・シェル父娘の最期に似ていて、ちょっとじーんと来ました。

それにしても登場人物の女性が皆キレイだどおっそろしく気が強いのがさすが韓国だなー(笑)とあらためて思いました。地震学者の元妻の女優さんが鈴木砂羽に少し似てるような。ワガママな女子大生(本当は予備校生)の女の子に振り回されるライフセイバーの若い男の子も素朴そうで可愛かったです。ソル・ギョングは相変わらず独特の存在感があったけど、別にこの役ソル・ギョングでなくても良くない?と思ったの私だけ?


『TSUNAMI』公式サイト

『瞳の奥の秘密』

2010-09-23 16:48:24 | 外国の映画
KBCシネマ北天神



映画仲間の絶賛を聞いて観に行ったら、確かに観応えがありました。久々の映画らしい映画を観たなぁーーという感じですね。25年前の未解決の殺人事件とそれに関わった人々のその後の運命が、過去と現在を行き来しながら描かれている様子は緊迫感があふれていて、最後まで引き込まれてしまいます。駅の別れのシーンに、イレーネが犯人のコンプレックスを刺激して自白に追い込むシーン、さらにはエレベーターのシーンなど、後から思い出しても印象に残る場面がいくつもありました。

アルゼンチンの映画(タンゴ物を除く)を意識してちゃんと観たのは初めてな気がするけど、独特な雰囲気があるもんですね。ヨーロッパ風の秩序を感じさせる石造りの古い街並みに、「無理が通れば道理が引っ込む」的な軍事政権下の歪んだ政情、さらには厳然と存在する階級社会。そんな中で、妻への愛と復讐の思いを一時も忘れないモラレスの姿は胸に迫りました。つらい思い出はいっそ忘れて新しい人生を踏み出せれば、その方がよほど楽だったのだろうけど、人にはどうしても変わらない、変えられないものがあるんですね・・・。彼に限らず、主人公ベンハミンに友人のパブロ、さらには犯人も、この映画の登場人物はだれもそれぞれ変えられないものを持っているのかも知れません。


『瞳の奥の秘密』公式サイト

『ゾンビランド』

2010-09-04 22:33:56 | 外国の映画
シネリーブル博多駅



基本的にホラーは滅多に観ないクチなので、しょっぱなからグロテスクなゾンビのオンパレードには「げっ」と思ったけど、これだけ大量に見せられると10分位で見慣れてどうでも良くなるから不思議・・・(笑) 

一応ゾンビ映画がベースだけど、引きこもり青年の恋とか成長とか家族の絆を描いたロードムービーとしてもちゃんと成り立ってるところがユニークですね。人嫌いで偏屈な一匹狼のウディ・ハレルソンがイイ味を出していました。土産物屋のシーンが気持ち良さそうだったけど、あれはああいうお店で働く人が見たら血の気が引く光景だと思います(;一_一) ところでビル・マーレイの豪邸ってまさか本物・・・のわけないか(笑)



『ゾンビランド』公式サイト