

8月に出るらしいのをすっかり忘れていて、本屋に行ったらすでに並んでました。買うのを忘れていた「小説以外」文庫版と合わせてお買い上げ。
こういうとき、お金がないないと言いながらも本1~2冊二千円程度なら躊躇なく買える社会人の幸せをしみじみ感じますね。恩田陸のファンサイトでも「文庫落ちしないと買えない」とか「図書館で借りられるまで待つ」などと、高校生くらいの若いファンが書き込みをしているのをよく見かけますから。バイトでもしていれば別だけど、月の小遣い数千円から千円以上する本を欲しくても簡単には買えないでしょうね。ご近所や親戚の子に恩田ファンがいたら、新刊いくらでも読ませてやるのになぁ。・・・いないけど(笑)
古くからの恩田ファンにはお馴染み・塚崎多聞の登場する短編集。噂に聞いていた「木守り男」を始め、どれも未読の話ばかりなので、やっと読める幸せ感が更に増します。
「月の裏側」もそうだけど、主人公・多聞本人には何も怖いところはないのに、この人の出てくる話はどれも相当怖い。血がぶしゅーーっ、ヒロインが絶叫!というタイプの怖さではないけど、確かだと思ってた足元が揺らぎ出すような根源的な怖さを感じます。怖いのに懐かしい、怖いのに慕わしいのが、恩田ワールドの特徴のひとつですね。