
某ネット上で「またしてもエンディングがねぇ・・・」という感想を見かけたので覚悟の上で読んだけど、そこまで悪くはないんじゃ?少なくとも、ぶっとび大風呂敷の『きのうの世界』に比べれば、それなりにまとまってるでしょう。>あまり褒めたことになってない^_^;
たしかにこの結末は、ちょっと考えても「それは無理だろう」なところもあるけど、結果より過程を楽しむのが恩田陸ワールドと思える心の広い人で、『木曜組曲』のような雰囲気が好きな人ならけっこう気に入ると思います。密かな目的を隠し持つ主人公・井上と、それぞれひとクセもふたクセもある朝霞兄妹とのやり取りはそれだけで楽しいし、兄妹のひとり・千次が渋くて食えない?イイ味出してました。どことなく塚田多聞を連想させる小野寺もちょっと面白いキャラクターです。
『エンド・ゲーム』の文庫も仕入れ済みだし、来月もタイトルは忘れたけど新刊が1册出るらしいし、ファンには嬉しい月刊・恩田陸状態。