パズル蔵

京都大学パズル同好会のブログです

ボンバーパズル by 色伝 3

2009-12-07 19:53:05 | 数字系ペンシルパズル(その他)
(投稿者 : 色伝考好)

注意 :
前回のボンバーパズルの最後の問題の解き方の解説を含みます。
まだ解いていない人は、先に前回のボンバーパズルの問題を解いてから読むことをおすすめします。

ボンバーパズルには左のような手筋があります。
この手筋の原理を考えてみると、下のようになります。

黄と赤のマスに入るバクダンの合計は 2個である。つまり、

  • 黄に 1個、赤に 1個。
  • 黄に 2個、赤に 0個。

  • のいずれかである(赤が 1マスなので、黄に 0個、赤に 2個という組み合わせは不可能)。

    黄と緑のマスに入るバクダンの合計は 1個である。つまり、

  • 黄に 0個、緑に 1個。
  • 黄に 1個、緑に 0個。

  • のいずれかである。

    以上の両方を満たすのは、黄に 1個のときだけである。
    よって、バクダンは黄に 1個、赤に 1個、緑に 0個となる。

    一方、カックロには左のような手筋があります。
    この手筋の原理を考えてみると、下のようになります。

    黄と赤のマスに入る数字の合計は 4 である。つまり、

  • 黄に 1、赤に 3。
  • 黄に 3、赤に 1。

  • のいずれかである(ルールから、黄に 2、赤に 2 という組み合わせは不可能)。

    黄と緑のマスに入る数字の合計は 3 である。つまり、

  • 黄に 1、緑に 2。
  • 黄に 2、緑に 1。

  • のいずれかである。

    以上の両方を満たすのは、黄が 1 のときだけである。
    よって、数字は黄が 1、赤が 3、緑が 2となる。

    この二つの手筋を見比べてみると、全く同じ原理だということがわかります。
    つまり、本来は同レベルの手筋のはずなのです。
    しかし、カックロの手筋は初級手筋どころか、知らなければ簡単な問題ですら一マスも埋まらないというレベルの手筋であるにもかかわらず、ボンバーパズルの手筋は中級以上の手筋なのです。

    さて、前回のボンバーパズルの最後の問題は、左のようなものでした。
    この問題がすんなりと解けた人は少ないと思いますが、実はこの問題も同じ原理で解くことができるのです。

    黄と赤のマスに入るバクダンの合計は、紫の数字の合計であり、10個である。つまり、

  • 黄に 6個、赤に 4個。
  • 黄に 7個、赤に 3個。
  • 黄に 8個、赤に 2個。
  • 黄に 9個、赤に 1個。
  • 黄に 10個、赤に 0個。

  • のいずれかである(赤が 4マスなので、黄には 6個以上のバクダンが入る)。

    黄と緑のマスに入るバクダンの合計は、橙の数字の合計であり、6個である。つまり、

  • 黄に 0個、緑に 6個。
  • 黄に 1個、緑に 5個。
  • 黄に 2個、緑に 4個。
  • 黄に 3個、緑に 3個。
  • 黄に 4個、緑に 2個。
  • 黄に 5個、緑に 1個。
  • 黄に 6個、緑に 0個。

  • のいずれかである。

    以上の両方を満たすのは、黄に 6個のときだけである。
    よって、バクダンは黄に 6個、赤に 4個、緑に 0個となる。

    数は増えましたが、考え方は上の手筋と全く同じだということがわかります。
    つまり、カックロで上の手筋を基本レベルの手筋とみなすのは、上のボンバーパズルの問題を簡単な問題とみなすことと同義なのです。
    まさにカックロで許容されている手筋の難易度が異常であるということがわかります。

    何が言いたいかというと、「こんな難しすぎる手筋を基本レベルの手筋としているカックロなんかより、ボンバーパズルを好きになろうぜー!」ということです。

    ………。
    ……。
    …。
    ……だめ?

    ということで、今回はボンバーパズルです。
    ルールは、一回目の記事を参照してください。

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    5 コメント

    コメント日が  古い順  |   新しい順
    教えてください (松原)
    2009-12-10 20:47:01
    いきなり書きこみをしてすみません。
    また、ブログの内容と関係のない書き込みで失礼します。
    東京の小学校で教員をしています松原ともうします。
    パズル関係のことでどうしても知りたいことがあり、もしパズル同好会の型で知っている方がいらっしゃったらと思い書き込みしました。
    知りたい内容は、同型の形のものを4つ集め、並べると、下の形の2倍の拡大図になる形の名前を知りたいのです。
    例えば、

    □□のような(四角同士はくっついています)階段の形は4つうまく並べると2倍の拡大図になります。三角形も4個並べるとできます。
    そのような特殊な形の名称があると聞いたのですが、なんと言う名前なのでしょうか?
    また、どんな形があるのでしょうか?
    ぜひ、知っていたら教えてください。
    不適切な書き込みでしたら削除してください。
    失礼しました。
    返信する
    Unknown (色伝考好)
    2009-12-10 23:28:44
    書き込みありがとうございます。
    ブログの内容とは直接関係がなくてもコメントは大歓迎ですよ。

    Wikipedia によれば、お書きのように図形を並べることを「自己複製型充填」というそうです(下のリンク参照)。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E8%A4%87%E8%A3%BD#.E8.87.AA.E5.B7.B1.E8.A4.87.E8.A3.BD.E5.9E.8B.E5.85.85.E5.A1.AB

    残念ながら、私にはここに書かれていること以上の知識はありません。
    ですが、同好会メンバーの中に詳しい人がいるかも知れません。
    明日、パズル同好会の例会があるので、そのときに同好会メンバーに聞いてみます。
    返信する
    Wikipedia以上の情報はありますかどうか (ペンパ石)
    2009-12-12 03:11:16
    4-レプタイル(4-Rep tile)がお探しの用語のようです。以下の例がありました:
    ・やや自明な例:三角形、平行四辺形(一部二通りの分け方があります)
    ・松原さんが挙げられた形:

    □□
    ・テトロミノL:

    □□□
    ・正三角形三つで作った台形
    ・「スフィンクス」:
    △_
    △△△
    (三角形6つからなる図形)

    これ以上はちょっと知りません。フラクタルを許すとおそらく大量に例がでますが……でなくても意外に多いですね。
    シュプリンガー・フェアラーク「幾何学における未解決問題集」により詳しいことが書いてあると思います。同社「離散幾何学における未解決問題集」にもありました。
    ただ英語圏の人たちがネットでよりマニアックな情報を公開している可能性は否めません(^_^;)見つけ次第追って報告します。
    返信する
    Unknown (Sk)
    2009-12-14 17:15:25
    ペンパ石さんが挙げた以外に2つほど思いつきました。

    ・ペントミノP(裏返しが必要)
    □□
    □□□
    ・正三角形3つからなる等脚台形
    _
    △△

    意外とたくさんありそうですね。
    返信する
    Unknown (色伝考好)
    2009-12-15 03:51:16
    思いついたので、書いておきます。
    両方裏返しが必要です。

    ・正方形6個からなる図形
    □□
    □□□□

    ・直角二等辺三角形と正方形からなる台形
    ∠□
    返信する

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