玄関のドアを開けると、足元に小さな緑色のものがいた。 よく見るとカマキリで、脚を伸ばしてすっくと立っている。 まだ成長途中のようで、それほど大きくはない。 とっさに、これは以前コムラサキシキブにいた、あの小さなカマキリかも知れないと思った。 コムラサキシキブの花が咲いていた頃、葉の上にいた小さな小さなカマキリの成長した姿だ。 そんなはずはあるまいとも思ったが、そう思うことにした。 玄関先では餌が獲れないだろと、元いた?コムラサキシキブに戻した。 カマキリはたちまち葉の色に同化した。 コムラサキシキブの花はなく、既に緑色の実に変わっている。