その斜面に少し背の高い草が広がっているのだが、中に白っぽいものが混ざっている。

名前は分からないがイネ科の植物があり、丁度花が咲いていた。
他の花と違って大きな広い花びらではなく、色も薄いのでちょっと見には花に見えない。

池のほとりのキショウブは多くの花を付けていた。
おそらく桜の時期には咲き始めていたと思う。
そのため既にしぼんでしまったものもある。

2ヶ所に分かれて咲いているが、小さな橋のそばの方が良く咲いている。

池の水は小さな橋の下を潜って、狭い水路に流れ出ている。
その水路には、水草と浮草のようなものが石のすき間を埋めている。
その先は新河岸川に続いているはずだが、確かめたことはない。

池には住宅が迫っていて、水面に家の影が映る。
その池の中を鯉の群れが泳ぎ廻っている。
以前は白が目立つ緋鯉がいすぐ気付いたが、この時は姿が見えなかった。
草の陰に隠れているのか、死んでしまったのか、少し見ていたが現れなかった。

2段になっている池の上の段には、緑の藻のようなものが浮いている。
風に吹き寄せられたのか、反対側に集り不思議な模様を描いている。
これは下の水路にもあったと思うが、ほとんどは上の池に残っている。

池と弁財天の間に坂があり、その斜面にシャリンバイと思われる木が花をつけている。

坂の上に出ると、入口に「龍池辨財天」と彫られた石柱がある。
下の道路から入る所にも、同じような石柱が建てられている。

この写真を撮っているとき、池の傍に人がやってきて、何かを池に投げ入れた後で両手を合わせていた。
上の段の池に近かったと思うが、初めて見る光景だった。
竜神さまに祈ったのだろうか、また何を祈ったのだろう。
龍池いつも静かだが、昨日の川越駅は全く違った。
買い物をするため、歩行者用デッキに上り、駅の通路の方を見て後悔した。
人の姿が多く、向こう側どころか少し先も見通せない。
駅の反対側に行くにはこの通路が最短なので、仕方なくその中に入った。
小さな集団が多く、しゃべりながらゆっくりと移動している。
どこへ行くというあてもなく、ただ家を出てきた人にしか見えない。
しゃべっている人の後ろを歩くときは、2m以上あける必要があると専門家が言っていたが、そんなことは無理である。
足早に通り過ぎようとするが、急に歩度を緩めて立ち止まる。
横に広がっているので、すり抜けることができない。
やっと通り抜けたと思ったら、その先にまた別の集団がのろのろと歩いている。
完全に人の群れから抜け出るまで、不安と息苦しさしか感じなかった。
さすがに帰りはあそこに戻る元気はなく、迂回して踏切を横断した。