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エリザベス・ゴールデン・エイジ

2008-02-25 | 

 監督:シェカール・カプール
出演:ケイト・ブランシェット,ジェフリー・ラッシュ

満足度 ★★★★  豪華絢爛。ケイトの女王っぷりが圧巻! 

1585年。無敵艦隊を所持し、最強を誇っていたスペイン国王
フェリペ2世(ジョルディ・モリャ)は、プロテスタントとしての姿勢を
崩さずにいたイングランド女王エリザベス(ケイト・ブランシェット)失脚の
シナリオを画策していた。
彼は欧州全土をカトリックの国にし支配しようと目論んでいたのだ。
そんなエリザベスの前に、新世界から戻ったばかりの冒険家
ローリー(クライヴ・オーウェン)がが現れる・・・・。
 
豪華絢爛。音楽も壮大でみごたえたっぷり。
ケイト・ブランシェットの女王っぷりも圧巻だったし、
 彼女の女王としての孤独は胸に突き刺ささった。

彼女のすごさは自分がプロテスタントでありながら、
カトリックを敵視せず中立を目指したところらしい。
「国民は私を愛しています。私は彼らに背くことはしません。」
そういいきる彼女の素晴しさ。
私は今回そうした彼女の政治的手腕ぶりを
大いにきたいしていたのですが・・。

物語は思いのほか彼女の内なる【女】を見せ付けてくれて
始終涙がこぼれることになってしまいました~。
ローリーへの恋心を次女に託しながら、彼を失った事に
取り乱す彼女の姿は、彼女がいかに自分の中の女と戦い、
女王であろうとしたかをひしひしと感じさせられた。

女の身で人の上にたつ孤独。その孤独にたえなければ
人は導けない・・。
軍服に意を固めた彼女は雄雄しく気高いながら。
せつないまでに美しかった・・。


「歴史を騒がせた女達(世界編)」の著書の中で聡明と謳われたのは
彼女とマリアテレジアくらいだったと思う(笑)
権力を握った女達の愚かさと残虐さが満載で・・。
なぜこうなってしまうのかと・うんざりしたものです(笑)

彼女がそうした愚かな女とならず、
伝説の女へと導いたものは
 彼女が 「国民に愛されるために 生きたこと」 なのでしょうね。

しかし私の中では史実に沿っていない点やそれゆえの矛盾が
どうしても沸き起こってしまい、素直にこの物語を
受け入れられない部分もあったのでした。

「母のような死に方はしたくない」と叫んでいたエリザベス。
彼女の母は王に愛されながら疎まれ、不貞の名の無実の罪で処刑された。
彼女は王の、結婚の、恐ろしさを、幼い時から
抱き続けていたことだろう。
しかし 彼女には支えてくれた男性たちがいたのだ。 
そのことは彼女の「高貴な処女クイーン」の名を
おとしめることにはならないと思うんですけどね・・。

彼女は何度か恋をし、彼らの裏切りにもあっている
そして時には国のために許し、国のために処刑し・・。
彼女は女ゆえの苦しみをその身に背負いながら歩いてきた人なのだ。

母を父に殺され、幽閉され、恋人を失い、
そしてなをも義妹のメアリーを
自らの手で処刑しなければならないという試練を背負った人なのだ・・

このメアリーは常に自分を脅かす存在だった。しかし
彼女も自分と同じ、国に翻弄された憐れな女だったことを。
エリザベスが1番知っていたことだろう・・。
そのとき、時は既に彼女を53歳にしていたのです。

無敵艦隊に向かっていった本当の彼女は
陰謀渦巻く世界の中で、こうした悲しみや孤独をのりこえ
人生の辛酸全てをしりつくした女王であり、
英国を守るため策をめぐらし、海賊をも手中に入れた策士・・・
なのである。

そんな彼女だからこそ
神はイギリスを勝利に導いたのだと思えてならない。
 この物語はそういう意味でかなり生ぬるいとはいえるだろう・・。

       

   愛する男の、子どもを抱く彼女の自愛に満ちた姿は
   ラストひときは美しく輝く・・。
   それは女として人として沢山の事を乗り越えてきたものだからこそ
    放たれる、神々しさだった・・・(涙)   

 P・S 
先日ムービープラスにて前作を見たのですが・やっぱり晴しかった♪
こちらのほうが陰謀や対側近の動きが分かりやすく、恋愛模様にも
彼女の強さが感じられて、私好みでした(笑)
とはいえ彼女の女ゆえの内面が強調されていた今回の作品は
それゆえの切なさが胸に迫って心惹かれる作品でした♪

       

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8 コメント

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由香様♪ (くろねこ)
2008-02-26 19:14:35
女は権力握っちゃいかん!
と感じさせるグロさでしたよ(笑)
何を根拠に書いたんだ!と後にブーイングも起きたようですが詳しいことは忘れました(爆)
今回仕事休めなかった・・。みたかったな。
ニコールもケイトもおめでたかぁ・・。
ある意味女王様の家事・子育て・・?
やっぱり想像できないですねぇ(笑)
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ケント様♪ (くろねこ)
2008-02-26 18:53:03
コメントありがとうです。
女性はいつの時代も政治がらみでは犠牲者ですよね。
あのメアリーもです。フランス王妃になりながらエリザベスと命運を分けたのはやっぱり彼女が何人もの
よい側近&愛人を持っていたことだと思うんです。
彼らなくして彼女は有り得ないと・・。
前作で恋物語を描いてるせいか今回は
彼女の『処女性』重視の作品になってしまい、
この辺がごまかされた感じがちょっと残念でした(笑)ケイトは豪華絢爛な衣装も素敵でしたが
軍服姿も素敵でしたよね~
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ミチ様♪ (くろねこ)
2008-02-26 18:33:58
スペイン艦隊を迎え撃つ時の彼女が50代だった
ことを思うと彼女の心情はもう少し違っていたのでは・なんて思いも浮かびましたが、
神々しいラストのケイトの姿はまさに
様々な困難を乗り越え、伝説となった女帝
そのものでしたよね
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たいむ様♪ (くろねこ)
2008-02-26 18:16:23
この作品は彼女の年齢には重きを置いては
いないんでしょうね(笑)
いくつになっても女は愛を求める
生き物ですから・・(照)
孤独の中で人を率いていかねばならない
彼女の姿には涙がこぼれました。
ケイトはそんな気品と威厳あるエリザベスを
見事に演じていましたね~
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こんにちは! (由香)
2008-02-26 13:48:04
お邪魔します♪
「歴史を騒がせた女達(世界編)」っていう本は面白そうですね。
後で調べてみようっと
本作は、思ったよりも生ぬるい物語でしたが(汗)、ケイトは素晴らしかったですね~
スッゴク大好きな女優さんで、彼女が何を演じてもクギ付けになります。
昨日のアカデミー賞で、主演、助演とも受賞を逃して残念でした~
でも、大きなお腹でも美しかったです
返信する
Unknown (ケント)
2008-02-25 22:49:00
こんばんは、TBお邪魔しますね。いろいろと英国歴史の勉強になりました。ある意味エリザベスは、時代の犠牲者かもしれませんね。
 そっと交わす切ないキスシーンには、僕は涙ぐんでしまいましたよ。それにしてもケイト・ブランシェットの演技たるや鬼気迫るものがありましたね。豪華絢爛な色とりどりの衣装もぴったし。さすがケイトでした。
あの鎧を着て先頭に立つシーンには、胸が熱くなりましたよ。似たような邦画の『お茶々』がバカバカしく感じられましたね。
男性には、少し面白みに欠けますが、良い映画でした。実際はローリーくん、エリザベス1世の愛人の一人だったらしいですね。
これはもう、ケイト・ブランシェットの独壇場でしたね。
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こんばんは♪ (ミチ)
2008-02-25 21:00:41
前作から10年経ってるから、エリザベスも戴冠して10年くらいかな~と思うのだけど、じつはもっと時間がたっているのよね。
53歳って昔で言えばかなりの年齢でしょう?
それがあの鎧姿だからご立派!
ゴールデンエイジを得るために彼女が犠牲にしてきた事を考えると気が遠くなりますわ。
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53歳 (たいむ)
2008-02-25 20:18:25
こんにちは。
どうしてもケイトは53歳には見えなかったけれど、圧巻であったことは間違いなく、見応えのある作品でした。
また「女帝」といわれる人物は沢山いるように思いますが、「エリザベス1世」として名を轟かせるだけはありますね。少し分った気になる作品でした(笑)
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