里村専精師の「浄土真宗にようこそ」No110をお届けします。
「深広にして無涯底」とは、存在の深さです。
智慧で培った、存在洞察の深さからこのような大きな表現がとられてくるのです。
人間の意識は、見えるもの・形あるもの・想像できるものに限定されます。
意識は、しかし瞬間に作用します。
驚くべきエネルギーが、瞬間に発生しながら継続します。
瞬間発生が持続しているのですが、本当は驚くべきものです。
苦もなく行為している自分では、ほとんど気づかないのですが…、
人間の思考の在り方は、驚くべきものです。
けれども、ほとんどの思考作用は、
その作用の仕掛けの深さに気がつきません。
思考する人間の、その背景には深い存在の事実があるはずです。
凡夫と呼ばれる人間に、仏・如来と呼ばれる深く目覚めた存在が、
自己に覚めた智慧によって、一切の凡夫を救おうとするとき。
それは「深広にして無涯底」なる、
存在の事実を展開しなければならないのです。
凡夫と仏・如来は、深さに於て等しいのです。
仏・如来だけが深いだけでは、何の意味もありません。
覚めた智慧を通して、覚めるべく生きる一切衆生を、
「深広にして無涯底」なる仏智が支えてくれるというのです。
ここに本願を発された如来の智慧は、
衆生の深みの限界までを究めようとしています。
「無量寿経」は、有限な人間に、
無限の存在を回復する者だと言ってよいでしょう。
法音カウンセラー真聴は、
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