着物で文化人気取り

諸事情により最近は着物を着る機会が減り、
ネタも様変わり
日々感じたこと、本、映画など
思うままに書き綴っています

東北地方太平洋沖地震によせて

2011-03-15 21:48:22 | 日々の思い

3月11日、勤務時間中のことだった。社員の誰かが叫んだ。 

「東北で地震だって!!震度7だって!!」 

 

震度7!? 

 

聞いたことの無い数値に、一瞬聞き間違いかと思った。

 

別の誰かがテレビのスイッチを入れると、「最大震度7」と「大津波警報」を知らせる

緊急速報が流れていた。 

 

仕事の手を止め、テレビの前にぞくそくと社員が集まる。

「大津波警報なんて聞いたこと無いぞ」「震度7なんてありえない」口々に話している。 

 

画面に映し出された日本地図が記す大津波警報の範囲が、北海道から沖縄までの太平洋側一帯と異常に広い。誰もが大変な事態が起ころうとしている事を理解した。 

 

地震直後の仙台市沿岸部のまちの様子が流れる。 

思わず、私の口から出たのは「思ったより建物の損壊は無いみたい」という言葉だった。 

一人の社員が「震源が沿岸だからだよ。直下型だったら相当な被害だけどね。」

と、地震のメカニズムを説明してくれる。

 

なら、ニュージーランドのような悲惨な状況は免れるかも。あとは早く高台に避難して、犠牲者が出ないようにして欲しい。 

 

心からそう願っていた。

 

その何分か後に流れた映像は、私のその願いを打ちのめすものだった。

 

想像を絶する光景に言葉を失う。

目の前の映像は果たして現実に起こっていることなんだろうか。

 

巨大な津波がまちを飲み込んでいく。

車が、家が、橋が・・・・濁流にのまれ、多くの瓦礫の山とともに漂流している。

 

ああ、どうか・・・あの車に、家の中に人が残っていませんように。

皆、安全な場所に避難していますように・・・・。

   

これまでにも多くの地震被害の映像を見てきた。

地震に慣れていない私の暮らす福岡も西海沖地震を経験した。

四川大地震、スマトラ沖での甚大な津波被害は記憶に新しい。

そして阪神大震災・・・日本国内で、あれを上回る悲惨な地震は起こらないと思っていた。

 

けれど今、目の前で起こっているのは阪神淡路大震災を遙かに上回る規模の地震であることは間違いない。

 

なんて事なんだろう。

ほんの数十分前まで穏やかな時間を過ごしていた、地方都市の日常を、

ありふれた幸せを、人々の笑顔を、津波は全て奪っていったというのだろうか。

 

この時まで、私は自分が抱えている個人的な問題・次から次へと降りかかる試練に辟易していた。

 

それでも私はまだ日々の中で笑うことを失っていない。

以前と比べて生活が一変したとはいえ、毎日職場に通い、生活の糧を得て、家で温かい食事をとることが出来ている。先進国日本の恩恵を十分過ぎるほどに受けていたのだ。

 

 

その日、会社のテレビが消されることはなかった。

新しい情報が流れる度に、誰もがテレビの前に集まる。

次第に関東地方の被害の様子も映し出されるようになっていた。

燃え広がるガスタンクの火災。

帰宅難民となった人々の列、そして壊滅的な打撃を受けた集落・・・。

どれもがそれまで普通に営まれてきたものを根底から覆すもので、

現実だという実感がない。

いや、現場にいる人たちは私なんかの何千倍もこの状況にとまどっているはずだ。

 

映像を観ながら、

日本人は「かつて経験したことのない国難」を迎えようとしているのだということを

理解した。

 

とにかく今は、生存者の救出と、被災された方々への一刻も早い救援を望むだけだ。

 

ああ、どうかどうか、これ以上犠牲者の数増えませんように。

 

つきなみな表現しかできませんが、

改めて、被災された方々にお見舞い申し上げると共に、犠牲になられた方のご冥福を心よりお祈りします。

 

些細なことかもしれないけど、私に出来ることは何でもしたいと思っています。

今朝はコンビニで、帰りには大丸で募金をしました。今後も続けていきます。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿