鈴木邦男をぶっとばせ!blog出張所

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ポレポレ東中野トーク2

2006年11月28日 | イベントレポート




映画上映も佳境に入り、客席は多少空席が見えたけどトークは白熱。貴重なお話を聞くことができました。二回目ということで切り口を変えた鈴木先生。『ヤマトタケル』をテキストに、「日本の神話はおおらかで自由奔放、これこそ日本精神」との持論を展開する。それに呼応するように「この映画は神話的ロードムービーだ」と大浦監督は強調する。
 重信メイは巫女で、針生一郎は神主?(にはみえぬが)終わらない戦争、繰り返される死…人知を超えた神の仕業としかいいようがない現実。9.11と日本の8.15を背負った二人が美術、詩、極限からほとばしる芸術をくぐりぬけ、やがてソウル(魂)-韓国へ船出、金芝河へ漂着する。
 「金芝河の発言は心に重く響く」と鈴木先生がいわれた。「神話は右翼だけに占有されてはならない。左翼・民衆が取り戻すべきだ」と日本の現況を分析する金芝河。
 「観るたびに発見・感銘が起きる。映画ではなく文学作品に近い」と二回半観た鈴木先生はいう(途中から鑑賞したみたい)。私も二度目だったのだが複雑で難解との印象がやや溶けて、それぞれの言葉(発言)や映像が初めから終わりまでシンプルにつながっていると感じた。
 「神話的直感性(原始的感覚というのか)という非論理的な事象を、論理的に紡いでいく映画だ」という大浦監督の意図が、鈴木先生との対話を聞くことにより、少しは理解できた気がした。
 さて最後に監督から準備作として驚きの企画が発表された。詳しくは鈴木先生が書かれるでしょうからここでは秘密にしますが、一水会顧問、評論家、文筆家…もうひとつ俳優?となる日も近い!?(関口和弘)