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another TOKYO ~もう一つの東京探検~

「周縁」の東京を探索します。下町アルキストのための町歩きブログです。

ビートたけしの浅草を歩く(4)

2009-10-23 | 探検!ビートたけし
■ビートたけしの住まい


ところで、
浅草時代のビートたけしはどんなところに
住んでいたのでしょうか?

『浅草キッド』には、
当初はフランス座の楽屋に寝泊りしていたが、
やがて師匠のいる「第二松倉荘」というアパートへ引っ越した、
とあります。

ビートたけしによると、
第二松倉荘はモルタル4階建てで、1階には駐車場もあり、
外見は立派。

だが、

「建物の中は壁も階段も朽ちて剥げ落ち、通路も薄暗く、刑務所み
 たいなアパートだった」

らしい。

(↑あくまで、ビートたけし本人がそう述べているのです。
  念のため)

たけしの部屋は2階の3畳間。
カギがついていなかったので、仕方なく自分で買ってきて
とりつけたそうです。

家賃が6000円、ガス・水道代を含めると一月9000円也。
六区興業街まで5分と職住近接でした。


■第二松倉荘の探索へ!


では、さっそく、その刑務所、じゃない、駐車場つきの
立派なアパートを探しに行きましょう。

場所はどのあたりなのか、
ビートたけし自身が詳しく述べています。


「第二松倉荘は浅草三丁目の、言問通りから千束通りにちょっと入
 った、富士銀行の裏手にあった」


千束通りというのは、ひさご通りから言問通りを渡って
そのまままっすぐ伸びている商店街。

だから、
わたしたちは(前回の終わりの時点で、曙湯に辿り着いたわけです
が)いったんもとの言問通りの交差点【注】に戻ることとしましょ
う。

曙湯からだとちょっと遠回りになるかもしれませんが、
そのほうがわかりやすいので。


 【注】前回覚えておいてくださいと呼びかけた角のことです。


記述によると、
千束通りを少しだけ歩いてすぐに右手に曲がったあたりにあるはず。

しかし、
そのとおりに辿っても、ない……いくら探しても、
どこにもありません。

刑務所、じゃない、立派なアパートが見つからないのです!

「富士銀行の裏手にあった」というのだから、
現在のみずほ銀行を探せばカンタンだとタカをくくっていたの
ですが、まさかこんなに苦労するとは……。

おそらく、もう銀行もアパートもここにはないのだろう……
と覚悟を決めて、そのへんにいた地元のひとに尋ねると、
案の定、

「このあたり一帯はすっかり変わってしまった。
 どんどんマンションになった」

との由。

たしかに、そのあたりはマンションらしきビルが林立しています。
みずほ銀行も少し離れた場所に移転してしまったのだそうです。


■「痕跡」の発見!


それでも、かすかな「痕跡」を見つけることができました!

みずほ銀行の駐車場があったのです!

なんだ、たかが駐車場程度で喜ぶな、ということなかれ。

銀行の店舗が移転した後も、
駐車場だけは昔のまま残ったのではないでしょうか。

もしこの駐車場に隣接して銀行があったのであれば、
「銀行の裏手にあった」第二松倉荘もこの近辺に存在した
こととなります。

わたしたちも散歩の足を止めて、
駐車場を眺めながらひとしきり感慨にふけることとしましょう。

それにしても、どうでもいいけど、
感慨に浸ったり往時を偲んだり、妙な散歩ですね…。
どうやら、この散歩には、密かに、
考古学のテイストが加味されているのかもしれません。

下町を歩くとは、今は存在しない過去の痕跡を
丹念に辿っていくことなのでしょうか?


【写真】
冒頭の写真は、ひさご通り側から言問通り越しに千束通りを眺めた風景です。
この先を右手に曲がったあたりがビートたけしのかつての住居跡。


つづく




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