さて、話を小説に戻しましょう。つづきは──
「バス通りからそれて、横道に入った。まわりはマンションと
ビルばっかりだ。歩道がなくなって、ガードレールにかわった。
自転車がその外側を走るようになった・・・」
横道に入ろうと思いつつ、どうしてもそれらしき雰囲気が
感じられないので、わたしは延々とバス通りを歩いてしまいました。
で、とうとう京急の大森海岸駅まで来てしまいました↓。
小説に . . . 本文を読む
小説のなかで英一たちは当初、「バス通り」を歩いています。
わたしもバス通りを行きます↓。
見づらいかもしれませんが、右手にバスの後部が写っています。
ちなみに、駅周辺の高層ビルの様子はこんなかんじです↓。
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作者は、
「歩道を行き交う自転車が多い」
と書いています。
これは、実際に町歩きをすると、かなり切実な問題です。
昨今は暴走自転車が社会問題化しておりますが、
こ . . . 本文を読む
宮部みゆき『小暮写眞館』の舞台を歩く第2弾。
今年の夏に深川界隈で「しおみ橋」探索の旅に出たところ、
あまりの猛暑にあえなく挫折。
今回は、同書第二話の主要舞台である大田区大森を
歩いてみました。
小説のなかで主人公の花菱英一という男子高校生が、
同級生の女子といっしょにこの町にやってきたのでした。
目的は、「河合精鋼」という小さな町工場がかつてあった場所
の雰囲気(?)を体感するためです . . . 本文を読む
先月、久しぶりに深川へ行ってきました。
のんびり、さわやかに下町を散歩したんですよ、
なんて言えたらいいのですが、ご推察のとおり、
灼熱の深川散歩
となりました・・・。
しかし、それは出かける前からわかりきっていたことですから、
仕方ありません。炎天下は承知の上です。
ですが、
それとはまったくべつの問題で、
今度の深川探検は出だしからつまずいたのでした。
なんと、せっかくデジカメ . . . 本文を読む
さきに当サイトから「東京下町のテーマソング」に選定された俳人の小林一茶さんが葛飾区を訪問されました・・・といっても、今から200年ほど前の話ですが。
ときは文化3(1806)年9月9日のこと(たぶん旧暦だと思われます)。この日、小林さんは80歳のお年寄りと2人連れ立って出立。行き先は葛飾区金町にある葛西神社です。小林さんは、この神社のお祭りはほかでは見られない珍しいものにちがいないとして、長い間 . . . 本文を読む
寅さん映画に欠かせない場面のひとつが、江戸川の土手です。寅さんのふるさと柴又は江戸川沿いにあるので、毎回必ず土手のシーンが出てきます。
興味深いのは、寅さん映画シリーズの最初のほうと最後のほうとを見比べると、江戸川の土手のようすがかなり変化している点です。
実は、わたしはシリーズの全作を見たわけではないのですが、初期作品の土手風景のほうが圧倒的に風情があったとはいえると思います。なんといっても . . . 本文を読む
このたび、「東京下町のテーマソング」を、誠に僭越ながら、当サイトが勝手に選定しました。
見事、最優秀作品に選ばれたのは、かつて江戸時代に現在の江東区にお住まいだった俳人・小林一茶さんです! 受賞作は、
うきくさの花より低き通りかな
文字どおり解釈すれば、川に浮かんでいる浮き草の花よりも人間が行き来する道のほうが低い、という意味になります。
東京下町は、地理学のほうでは「東京低地」というそう . . . 本文を読む