まちかど経済ＷＡＴＣＨ～金町の南北問題

東京・葛飾区の北東に位置する金町地区は、ＪＲ金町駅を境に北口と南口とで人の流れに著しいちがいを見せています。比較的北口は賑やかなのですが、南口はちょっとさびしい。もちろん、毎日多くの乗降客のいる駅ですから、南口の駅前周辺に限れば、それなりの人出がありますが、駅前から延びるアーケード商店街「ベルシティ」はいわゆるシャッター通りといっても過言ではありません。わたしの見た限りでは、いつも閑散としているのです。

北口と南口のこのちがいを、ひそかにわたしは「金町の南北問題」と呼んでいます。

北口と南口の連絡の悪さも「南北問題」の起因のひとつかもしれません。南北をつなぐ通路の数が少ない上に、どれも狭くてどうにも使い勝手が悪そうなのです。なかでも最大の通路の役割を果たすべきＪＲ金町駅も構内がやや狭いせいか、あまり「風通し」がよさそうにはありません。ただし、現在、駅の東のほうにある連絡通路を拡幅する工事が行われていますので、この点は改善されつつあるというべきかもしれません（一箇所だけで十分かどうかはわかりませんが）。

それから、南口には、数年前に駅に隣接する高層ビルが出来たのですが、見たところ、ほとんどがマンションに利用されていて、商業機能はごくわずかのようです。わたしはてっきり、店舗面積の大きな駅ビルが出来るのかと思っていたのですが、実際にはちがいました。しかも、駅とは直接接続されてはいない模様。これでは、「開発」という点では物足りません。

というわけで、南口と北口の差は縮まりません。

とはいえ、それじゃあ北口はどんなにすばらしいかというと、実は、それほどでもありません。東急ストアとイトーヨーカドーがあるほか、商店街もいくつかあるのですが、どれも集客力が飛びぬけているようには見えません。にもかかわらず、人出が多いのは、こちら側には駅前団地や公団住宅など大きな集合住宅がたくさんあるからでしょうか。さらに、水元方面は、近年、宅地開発が進められたようです（とりあえず「水元ビバリーヒルズ」と命名したのですが、もっと「取材」してから記事にしたいと思います）。

もし北口にさほど決定的な優位性がないのだとすれば、南口にも巻き返すチャンスはあるはずです。というか、実際、すでに南口は着々と布石を打ちつつあるようです。そのあたりの話は、後日また！