あしたはきっといい日

楽しかったこと、気になったことをつれづれに書いていきます。

お人好し

2011-11-19 23:32:49 | 見上げる
今日の午後は「雨のせい」と開き直り、ずっとテレビばかり見ていた。ここのところ週末はこんな天気ばかりなのでストレスが溜まるが、それは理想を追い求め過ぎているからかもしれない。

そして、土曜夜の楽しみになっている『妖怪人間ベム』だが、今夜も目をウルウルさせながら見ていた。前回の終盤に夏目刑事が彼らの変身する様子を見てしまった所から、この物語は大きく動いていくのだろうと思ったが、そのエピソードでいったん物語をしっかり固めて、そして新しい展開に臨むという意気込みを感じた。

そこで今回のキーワードとなったのが「お人好し」という言葉だった。ベム・ベラ・ベロが「人間になりたい」という願いを阻むのはその姿であり、その姿になるのは「人間を助けたい」という気持ちが昂ることによる。黙って見て見ぬふりもできるのに…とベラも言うが、それができないのが「だとしたらただの妖怪になってしまう」とベムは言う。それは「お人好し」に他ならない。

ところで、この「お人好し」という言葉は、誰かを指して使う時はその相手を多少小馬鹿にして使う場合が多い。「正直者がバカを見る」という言葉にも繋がるが、「お人好しはいいことない」という諦観に支配されているように思える。

僕も公私を問わず、人が困っている時に見て見ぬ振りが出来ない場面によく出くわす。放っておけば無難に過ごせるのに、困っているという声に耳を傾け、手助けをしようとする。それは結局、自分が本来やらなければならないあれこれに支障をきたすばかりか、手助けがうまくいかない場合には強い非難を浴びることもある。それがわかっていても繰り返し同じことをするのは、確かに「バカ」と言われてもおかしくない。それでも無視できないのは、僕も「お人好し」だからだろうか。

ドラマのラスト。夏目刑事が帰宅する姿を見つめる謎の男の姿に不安を感じる。彼もまた「お人好し」だからというのもあるが、これからどのように物語が展開していくのかが楽しみだ。そして、哀しいエンディングを想像してしまい、今それを打ち消そうと格闘している。ただ、この作品を敢えて今世に送り出すという思いの延長線にそうしたエンディングがあるのなら仕方ないが…
コメント
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