手話通訳者のブログ

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尊敬する手話通訳者

2016-01-01 07:45:53 | 手話
Fさんは手話通訳者派遣制度発足当初からずっと活動しているベテラン中のベテラン。
実年齢から言えば高齢者だが、全く年寄りには見えない。
外見上は歌手の加藤登紀子さんをもっとソフトにした感じで、背筋もピンとしている。
品格を感じさせてくれる人。

先日、ご一緒させていただいた。通訳が終わった時、
「たいしさん、時間ある? お茶飲んでこ。 ごちそうしたげる」
と声をかけてくださった。

え、あ、ありがとうございます。是非。
珈琲を飲みながらお互いの近況などを話していて、なんとなく、本日の反省会のようになってきた。
いや、なんとなく、やない。
最初からアドバイスしてくれるつもりやったんや。感動がこみ上げた。

相手に対する心配り。
残念なことに、手話通訳者の中には人の欠点をあげつらう阿呆もいる。
Fさんほどの大ベテランなら、「たいしはん、さっきの手話表現、あかんで!」とあからさまに注意しても何ら不思議はない。
でもFさんは違う。「教えてあげる」なんて素振りは微塵もない。

手話通訳者が聴覚障害者に配慮するのは当然。でも、聴覚障害者にだけ配慮すればええんか?
俺は違うと思う。

会議・ミーティングなどの通訳現場で、会議進行を止め、
「ろう者に対する配慮がなさすぎます。参加している聾者が理解しているか確認しながら進めてください」
と、叱りつけるような口調で司会に抗議する通訳者がいるが、こんなのは論外。自己満足でしかない。
相手(司会)に対する配慮がないばかりか、申請者(ろう者)にまで肩身の狭い思いをさせてしまう。

Fさんと一緒にいると、手話通訳の場に限らず、日常の立ち居振る舞いを見ているだけで、教えられていると感じる。
これからもずっと、現場で活躍していただきたい。



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