子供を教育するときに気をつけなければいけない、いくつかの注意点がある。まず、無理強いをしない。昨今の若くして結婚した人は子供に理想を押し付ける傾向がある。それは危ない事である。幼年期とは感受性の過敏な時期であり、なおかつ将来への布石になる時期である。その時期に子供への教育の仕方を間違うと、えらい目に遭う。ほとんどの場合、両親の知能指数に比例した頭脳を持って、子供は生まれてくる。だから、いかに幼児期の教育をしっかりしたとしても天才や非凡なものは生まれないのである。むしろ、こういう時期は慎重に事を運ばねばならない。子供の趣くまま、ある程度自由にその奔放性を認識し、親は黙ってあまり口出ししないのが望ましい。その時期に無理な教育をすると、それは後に精神疾患になって現れる事がある。特に神経症になって、現れる場合が多い。これは精神分析の言葉を拝借すれば、「抑圧」の結果だとも言える。したがって、いかなるものもよほどの事が無い限り、いちいち子供の考えに干渉するべきではない。子供とは水銀に例えられる。柔軟で色々な事を吸収するが、間違えばそれは大いなる反響を伴って帰ってくる。この事は忘れてはいけない。子供に無理強いをしてはいけないのである。