窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

メダイチドリ、トウネン、アオアシシギ、キアシシギが渡ってきました。

2020-07-20 22:37:46 | シギ・チドリ

7月も真ん中を過ぎました。野付半島で繁殖する鳥たちもヒナ育ての真っ最中。

すでに終わったものも出てきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

★ メダイチドリ、トウネン、アオアシシギ、キアシシギが渡ってきました。★

 

北極圏に近いところで繁殖するシギチドリ。南下する渡りが増えだしました。

北極圏の気候はすでに気温が下がり出し、繁殖を終えたシギたちが渡りを始め

ました。

まずやってきたのはメダイチドリ。その群れに混じっているのは北極圏のツン

ドラ地帯で繫殖するトウネンたち。メダイチドリに比べると小さなシギ。これ

から大きな群れがやって来る前の先陣の群れです。

1週間後には200羽、300羽という単位の群れが次々に干潟に集まってきます。

広大な干潟で飛びまわる群れが反転して見せる翼の裏側の白が目立つようにな

ります。

静かだった野付湾の広い干潟で10、20の群れが飛び立っては降りる飛翔が

見られます。もちろんメダイチドリも増えてきます。

川の河口でもアオアシシギとキアシシギが20羽ほどですが、潮が引いて現れた

川底の干潟に集まっていました。

一見、見過ごしていますほど遠くの干潟です。声に特徴ある2種だから見つける

ことができます。

タンチョウがのんびりエサ取りをする河口にはこれから大型のシギが集まって

きます。


シシウドの白い花に集まるノビタキ

2020-07-17 17:00:30 | 山野の鳥

野付半島は今、エゾノシシウドやアマニュウ、マルバトウキなどセリ科の花が

満開です。花は小さな花がたくさん集まる散形花序。傘形に集った集団花です。

遠くからでもよく目立ちます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ★ シシウドの白い花に集まるノビタキ ★

この白い花の集団にはたくさんの昆虫が集まります。花の蜜を食べにくる虫たち。

小さなハエの仲間や蜂の仲間など、じっくり見ると相当な数の虫たちが花の上に

います。

草原の中の一角が白くなるので目立ちます。虫が集まれば、目をつけない生物は

いません。一番にやって来るのは子育て中の小鳥たちです。

花に来れば効率よく虫を集めることができます。嘴にいっぱい虫を挟み、ヒナの

ところに運びます。ノビタキやシマセンニュウ、ノゴマ、アオジ、オオジュリン、

カワラヒワ、ベニマシコなどが集まってきます。

中でも目立つのが花期に合わせるようにヒナが巣立つノビタキです。縄張り内に

咲くシシウドの花の近くにヒナを連れてきて、エサを捕っては運びます。

効率よくヒナに虫を運べるので、この時期のノビタキの両親はあくせくしていま

せん。ばらばらに散ってるヒナを周辺に集め、頻繁に餌を持って運びます。大き

なり、自分でも虫を突くようになると花の近くに呼び寄せます。自分で虫を

捕るように仕向けます。

花の上にヒナが出てくると猛きん類やカラスが狙ってくるので、周りの警戒は

神経質なほど払います。ヒナは食べることに必死で、外敵には無頓着。私が

じっとしていると近くまでやってきたりします。

羽色は親に比べると茶褐色が濃く、目立ちにくいですが、ヒナの生き物への反応

遅いので親はいつも心配しています。

育ちざかりで大食漢のヒナは豊富な食べ物で日に日に成長し、飛ぶ能力も高まる

ので、こんな光景はすぐに終わってしまいます。


オジロワシ、巣立ちの季節

2020-07-16 11:55:29 | ワシのいる風景

じっと我慢をしてきました。オジロワシの巣には近寄らないこと。遠くから2羽の

親鳥を観察し、営巣状況をモニターしてきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

          ★ オジロワシ、巣立ちの季節 ★

6月末にヒナが巣立って行きました。巣の中で羽ばたきの練習をしていましたが、

とうとう巣から離れていきました。その間、交代で巣の近くで見張りをし、カラ

の襲撃に備えていました。

巣だったとはいえ、ヒナへの世話は続きます。でも、親としてはひと段落。目立

たないところにヒナを誘導し、餌探しに専念します。大食漢のヒナはいつもお腹

空かしています。

このところ親鳥が海岸で目立つようになりました。杭に止まり、海を見つめて

います。

海岸に打ち上げられる海産物や沖合に現れる魚群を探しているようです。

最近、大型のブリが群れになって根室海峡に入ってきています。イワシなどの

群れを追いかけ、走り回っています。イワシの群れにはウミネコやオオセグロ

カモメが集まります。ブリに追われ海面に上がってくるのを観察してるのです。

オジロワシは遠くから反応し、海上に飛び出して行きます。眼光鋭く、視線の

先にはいろいろなものが見えるのです。

時には、群れが海岸に寄ってきて、浜がイワシの死体だらけになります。カモ

メやカラス、トビなどが集まり、お腹いっぱいに食べます。もちろんオジロワ

シも食べ飽きるほど食べます。ヒナが巣立つ頃に起きる自然現象。子育てには

大いに役立ちます。


コヨシキリ

2020-07-14 18:33:33 | 山野の鳥

野付半島の草原は一時放牧と牧草地として活用されていました。今では道立公

園になり、ラムサール条約に登録され、自然回帰の真っ最中です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

              ★ コヨシキリ ★

3000年に渡り、流されてきた土石が地形と海流により形成された砂嘴の半島です。

その上で育まれた植物群が砂の上に発達、そこに鳥や動物が生息しています。

草原のアラカルト。同じように見える草原でも場所場所で植物の生え方が違い

ます。コヨシキリは半島の基部から流れ込む茶志骨川を縁取るヨシ原帯に隣接

する地域で多くの個体が繁殖活動をしています。

5月下旬にやって来るコヨシキリ。彼らが到着したころにはヨシはまだ新芽を出

したばかりです。去年の枯れ茎が林立する中で囀りますが、ヨシを縁取るハマナ

スの灌木の上やシシウドの枯れ茎の上に止まり囀っていることが多いようです。

巣つくりが始まってもヨシの中ではカラスに見つかることが多く、ハマナスの

灌木中や草むらの中に巣を作っています。

ヨシは伸び始めると密集し、行動しにくくなるようで使う頻度が少ないようです。

活動は周辺の草むらが主流です。花を撮影していると巣の近くに寄ることがあり

警戒の声を上げます。

ノビタキと違い、草むらの中がエサ取り場なので潜ってしまいます。静かに近

づいて来るときは草の先の方がかすかに揺れてきます。浮きがコツコツ上下す

るような感じです。

ヒナが生まれてどのくらいかは、くちばしに挟まっている虫のん大きさで分か

ります。

見やすそうですが観察するには辛抱がいるコヨシキリです。

 


牧草地にタンチョウ

2020-07-13 13:41:15 | タンチョウのいる風景

海霧の影響で牧草の刈取りが遅れていました。今年はオホーツク高気圧が強く

寒気と太平洋の暖気ががっぷり四つ、そのため海上で発生した海霧が根室地方

毎日覆い尽くしました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

              ★ 牧草地にタンチョウ ★

6月の日照時間が8時間ほどと発表がありました。気温も上がらず5月下旬の気温

続いています。7月に入り、ようやく海霧が減ってきました。蝦夷梅雨が終り

そうです。

途端に、酪農家は天気図とにらめっこしながら牧草の刈取りを始めました。一番

草はぱりぱりに乾燥させなくても半生でバンカーサイロに運びます。

三方をコンクリートで張り、そこに材料を敷き詰めるバンカーサイロ方式で、

牧草の漬物を作ます。刈り取りした後、トラックで運ぶので時間をかけず仕事が

進みます。

刈取りが終ると、すぐにカラスやトビが集まってきます。草の中にいたバッタや

ネズミを捕りに来るのです。

半日ぐらい経つとタンチョウが現れます。彼らは警戒心が強く、安全だとわか

るまでやってきません。右往左往するバッタやネズミはいませんが、尖った強靭

な嘴で柔らかな土に潜むミミズを取り出し、食べるのです。ゆったりと歩きな

がら嘴を差し込みミミズをとりだします。

やって来るのはほとんどが2羽の番。今年、子供が育たなかった夫婦が多いよう

です。近寄ると警戒して、すぐに飛び去って行きます。

毎年の行事です。