窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ショウドウツバメ

2019-07-23 00:17:39 | 山野の鳥

野付半島の湿原に体の小さなショウドウツバメが10数羽の群れでやってきだしました。

湿原の中にある沼から発生したユスリカや水生昆虫が羽化した成虫がたくさん飛んで

いるからです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ◆ ショウドウツバメ ◆

空中で飛ぶ虫を変幻自在に飛びながら大きな口の中に吸い込んでいきます。飛んでる

姿を撮りたいのですが、小刻みにコースを変えるのでなかなかカメラでは捉えずらい

小鳥です。

毎年5月の中ごろに姿を現します。野付半島の周辺では海岸線の海岸段丘の崖に巣穴

を掘って集団繁殖する群れが300羽ほどいます。

火山灰が幾重にも堆積した崖で、毎年、爆弾低気圧が来ると激しい波によりがけ崩れ

をお越し、古い巣が失われます。

崩れたがけの上の方、残された草地が庇状になった下に毎年、巣穴を掘ります。見て

いるとオスとメスが共同で必死になって巣作りをします。掘り出しを確認して、1週

間後に行ってみるとすでに巣は完成しています。

この穴の巣を掘る習性から「小洞燕」という名前が付けられました。

この時期は番いになった夫婦が巣に出たり入ったりを繰り返します。それも集団で

やります。一斉に飛び出し崖の上の上空を飛び回り、しばらくすると巣に戻ってき

ます。群れになって巣に飛び込んできて、巣の入り口に止まり、巣穴を確認して再び

飛びだします。

ときどきメスが入り口に止まり、そこにオスがやってきて交尾をする光景が見られます。

交尾は一瞬で終わり、すぐに2羽で飛び出して行きます。

これを繰り返しやるので、下から見ている方は必死です。なにをしているか分から

ないので、カメラで収め、あとで確かめるしかありません。

この集団での出たり入ったりが交尾のセレモニーのようです。見てる方は一日中、

間近で見ることができるショウドウツバメの集団飛翔に満足一杯です。

 


アサリの干潟を探索するキタキツネ

2019-07-19 20:27:03 | キタキツネの生態

キタキツネが潮が引いた砂地の干潟で食べ物探し。アサリの貝殻がたくさん転がって

います。最近、汽水域が広がってきたのか、アサリが急激に増えてきています。廃殻が

多くなると、砂の中にはたくさんの生きたアサリがいます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

        ◆  アサリの干潟を探索するキタキツネ  ◆

キタキツネは砂地に鼻を着け、砂の中を探しています。なにを探してるんだろ。

砂を掘るわけでもなく、ただクンクン、砂の中をうかがっています。

冬毛の剛毛がぼさぼさと枯れ林みたいに残り、みすぼらしく、汚く見えています。

ダンディーな時のイメージが強いせいか、生気が体から消えている感じです。

尾の毛の抜けが遅く、やせ細って貧乏たらしく、威厳がありません。海霧の発生が

寒さと湿気を運んでくるので毛の脱毛が進まないのです。

体の生理が脱毛ホルモンを制限して、体を保温してるんです。下からはきれいな

短毛が出そろい、いつでもスマートな夏姿になる準備ができてるのに。見た目、

最悪です。

広い干潟を歩き回り、時々でっぱりにおしっこをぶっかけ、マーキングをして

いきます。玉球が見え、ちんちんが見えます。オスのキタキツネ。

子ぎつねにエサを運ぶのももう少しで終わります。その間、身を粉にして子ぎつねに

与える食べ物を探します。日の出とともに歩き回り、干潟が出てくると干潟を歩き

回ります。

ときどき、イワシの大群やニシンの大群が回遊してきて海岸に身投げをします。

たくさんの死体が上がると口にくわえられる数だけ持って巣に運びます。子ぎつねに

とりたらふく食べられる最高のひととき。親にはあくせくしないで過ごせる、めった

にないひとときです。

風で打ち上げられたアマモの乾燥ベットで束の間のひととき。うつらうつら気持ち良さ

そうな寝顔です。

オジロワシもカラスも、トビもカモメも、キツネも食べ飽きる瞬間です。干物になった

イワシやニシン、豊かな海の象徴です。


エゾタカネセンブリ

2019-07-19 00:55:15 | タンチョウのいる風景

エゾタカネセンブリを見に行ってきました。摩周湖の外輪山、リスケ山と西別岳の尾根

付近の登山道の脇で咲いています。毎年、この花を見たくて登ります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

           ◆  エゾタカネセンブリ  ◆

今年は霧の摩周湖という表現がぴったりの天候が続いています。海霧が下から押し寄せ、

睫毛や髪の毛に水滴が付着してきました。

尾根に近づくほどしっとりとしてきます。高山の尾根を思わせる風と霧の光景です。

ようやく青紫色の小さな花を見つけました。

花は小さく、直径が1㎝ほどしかありません。花弁は淡い青紫色、その中にさらに濃い

青い斑点が散りばめらています。十字になった花弁は、近寄ってみると忘れられない

美しさ。花弁1枚1枚に緑色の蜜溝があります。ここから蜜を分泌し、虫を誘います。

前には雄しべが4本、蜜溝を挟むように立ちはだかってます。

風が強く当たるところは丈が低く、かわいらしい。高い山に似合う花、適応する花だと

思います。丁度咲き始め。花径の先の方から花が開き、下の方にはつぼみがいっぱい

ついています。

登りの途中で出会った女性が嬉しそうに言ってた「センブリを見にきた」が耳に残ります。


トウネンの群れ、第一弾。

2019-07-17 20:01:42 | シギ・チドリ

さあ、始まりました。シギ・チドリの南への渡りが。すでに先発は2週間前に姿を見せ

ていましたが、群れになってやってきました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

        ◆  トウネンの群れ、第一弾。  ◆

トウネンの群れが70羽ほど。砂浜の海岸に降りて休んでいました。砂利の色に紛れ

保護色になっているので、飛ぶまでわかりません。意識して海岸を探さないと発見し

にくいのがトウネンです。

シベリア北東部やアラスカ北西部、北極海に面したツンドラ地帯で繁殖するトウネン。

短期間で繁殖し、他のシギ・チドリの仲間より早く渡りを始めます。秋は春より多くの

個体が野付半島では見ることができます。

シギの仲間では小型の種です。これから1000羽、2000羽が群れになり潮の引いた干潟に

集まっています。小型なので数が多くても目立ちませんが、じっくり見るとたくさんの

トウネンがいます。

まだ、赤さび色の繁殖羽色をしています。スズメほどの大きさなのに翼を広げると大きく

見えます。翼が細長く、スピードが速いので確認するのが大変です。


アオサギが干潟に集まりだした。

2019-07-16 18:56:47 | 山野の鳥

野付湾の広大な干潟にアオサギが集まりだしました。茶志骨湿原や標津湿原周辺の森で

営巣しているアオサギたち。ヒナが大きくなり、大食漢になりだすと川の魚より野付湾

に住む大きい魚を求めてやっきます。

おばんです。小太郎でごじゃります。

       ◆  アオサギが干潟に集まりだした。  ◆

干潮で潮が引いて行きだすと、湿原の方からアオサギが1羽、2羽と飛んできだします。

時間が経ってくると5羽、8羽、15羽と群れになってきます。

海の上を飛んでくる群れもいて、一瞬、ペリカンの群れかと妄想してしまいます。

くちばしは大きくないけど首を曲げて飛ぶ姿、雰囲気が似ています。

水が引くとアマモが横倒しになり姿を見せます。アマモの緑色の広がりから浅瀬が広大

にあることが分かります。アマモの下にはギンポやカジカ、カレイなどの小魚が身を

潜めます。

魚が多く、獲りやすい場所には数多くのアオサギが集まってきます。砂地の干潟で窪地

になっているプールにはアマモが生え、魚が集まっているのです。

アオサギが増えてくると干潟の周辺にオジロワシがやってきて、砂浜に降り、観察を

始めます。良く見ているとアオサギがまばらにいるとオジロワシは動きません。しかし、

10羽、20羽とひとところに集まるとオジロワシが行動を起こします。

地面をけるように飛び立つと水面すれすれにアオサギの方へ向かっていきます。羽ば

たき、スピードを上げます。運が良ければ、飛び立って逃げ出す群れから動きの悪い

アオサギを見つけられるかもしれません。

病気になっている個体とか翼を傷めている個体とか、あぶりだすのです。大方は失敗

しますが上手くいくことがあるから繰り返すのです。

 これから大きくなったヒナを連れてアオサギがやってきます。オジロワシにとり

 チャンスが増えてきます。