窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

ときどきプレゼント

2019-08-19 19:20:37 | ワシのいる風景

滅多にないことですが、若いエゾジカが死んでいました。死因は分かりません。死後1-2日

ほどでしょうか。胃の中のガスの発酵状態からの推察です。

おばんです。小太郎でごじゃります。

 

              ◆  ときどきプレゼント  ◆

冬季には年老いたシカが死んでいるところに出会いますが、食糧の豊かな夏季は珍しい。

見つける前にオジロワシが数羽、飛んで行くのを見ていました。彼らが集まってくるには

理由があります。食べ物が転がっているのです。

波ぎわを歩いて行くと1羽また1羽と警戒したオジロワシが飛び去って行きます。いよいよ

近い。逃げずに浜に降りているヤツ。流木に止まってこちらをうかがっているヤツ。まだ5,

6羽はこちらを見ています。

発見。鹿の子模様が綺麗なオスのシカです。角が二股。3歳くらいでしょうか。毛つやは悪く

なく、痩せていません。病気で死んだようには見えません。

もしかしたら海でおぼれてのかもしれません。二日前に低気圧が通過して強風が吹いていました。

前にも見たことがあります。泳ぎ出したのはいいが、引き潮でどんどん沖合に流されていき、

慌てて岸に向かい泳いでくるのを。

集まっていたオジロワシは10数羽。多くありません。死体を見ると口の周りだけ皮膚が

剥がされています。歯が露出していますが、他のところは食べられた形跡はありません。

新鮮で皮膚が引きちぎれないのです。腐敗が進み、皮膚が裂きやすくなるのを待っている

段階です。

近隣のオジロワシにはまだ情報が流れていないのか、いつも野付半島にたむろするオジロワシ

の数ほどしか集まっていません。

1週間後、同じ場所に行ってみると死体は跡形なく、すべてがなくなっていました。

いつもならいるカラスやカモメは繁殖に忙しいのか、姿を見ませんでした。オジロワシだけ

で平らげたようです。それか海がさらっていたのかもしれません。